投資の醍醐味はこれから。じっくり待とう。
もし今、手元に使えるお金(そんなに大金である必要はない)、
余裕資金ができたらどうしようか。そんな事を考えたことはないだろうか。
マンガ本やトレンド誌等の好きな雑誌、次に行く旅行に当てる資金以外、
少しリスク取っても、見返りがありそうなものに少し考えてもいいかなと
心に余裕がある時、ってないだろうか。
そんな時、今の世界の株式市場を少し見てみるのもある意味では
面白いかもしれない。今から好きな企業を探してみることを是非お奨めしたい。
我が日本企業でも良いし、テーマに沿った世界企業でもいいと思う。
会社を決め、じっくり研究してみよう。
例えば、個人的に好きなものでは、日本では任天堂やソニー、
「崖の上のポニョ」の東宝など。
米国では好配当の筆頭製薬会社ファイザーやバンク・オブ・アメリカ、
豪州では世界最大資源企業であるBHPビリトン、
また中国の若年層に人気な菓子メーカーのワンワンホールディングスや、
香港の中国銀行(香港支店)なども成長性が高く、将来が楽しみである。
今の株式市場は、プロにとってはとてもやりにくい局面であり、
得意とする人であればあるほど、利益が取りにくいタイミングではある。
「見送るべきだ」と意見する人は多いが、状況は逆だと思う。既存投資家にとって、
「もう暫くの間、株式は見たくない」という展開になったとき、出陣である。
その時まで、じっくり暖めておきたい。
先入観を持つ投資家はきっと直ぐに退場させられるだろう。
米国景気動向に左右されやすい我が日本経済、もしくは日本株式にとって、
米国株式動向で投資スタンスを決めてしまう人が意外と多い。
だから、例えば昨晩のNYダウが200ドル急騰したから、
日本株も大きく底入れをしたと勘違いする人は大きく買い注文を入れることがある。
ところが実際は買ったその晩、NYで再び250ドル急落することがよくある。
特に最近の米国の資本市場は、住宅市況の底入れ(もうそれ以上下がりにくく、
市況のトレンドが反転する可能性)がまだ確認しにくい状況だ。
住宅ローン担保関連証券を販売、保有してきた金融会社や、
それらを保証してきた住宅ローン保証公社などの銘柄は
再三再四、手元流動性(目先使える余裕資金)や業績悪化懸念に悩まされ、
ここ数ヶ月間、株価は乱高下している。
そのうち米国ばかりでなく、日本を含む世界先進国や新興国まで、
物価上昇により景気鈍化現象が出始めている。
我が日本では、特に9月からかなりいろんな消費財が値上げを決めているとのこと。
消費者間の財布はいよいよ神経質になってくるだろう。
個人消費の陰りが鮮明化し、企業サイドの新規設備投資も減らされる方向に
傾倒してくるであろう。企業の生産活動が後退し、受注も減ってくる可能性があると思う。
業績懸念はその先にあるわけだ。
資本市場で価格を持って売買されるもの、特に株式は、
こういったシナリオ(あるであろうと思われる物事の展開の仕方:他にも様々な考え方は
あるが)を先に、先に価格に織り込みいく性質がある
(例:事態が悪くなると思えば、手元の証券を売却し、ポジションを減らす)。
ついては、もう「織り込みだよ」と見る投資家もいないわけではない。
ただ実際、毎週発表してくる経済指標がその弱い予想を更に下回ってくれば、株価はもう、
実直に「失望売り」にさらされるしかないであろう。
慌てて参加する必要はないと思う。じっくり待ってみよう。必ず機は熟すると思う。
価格、または株価を決めるのは決して一人ではない。「美人投票」とよく言われ、
正しい答えはない、とされている。いろんな材料が反映され、
早くそれを織り込みに行きたい人や、じっくり上または下の水準で待っている人、
様々である。
決して「乗せられず」に、このくらいの値段であればと思われる水準が到来したとき、
投資の醍醐味は必ず味わえると思う。その時まで、じっくり関心を持ち、観ていこう。
(大原 平)