政策大転換なるも、市場いまだ反応せず
世界的な資金フローに圧倒される相場展開が続いているようだ。
昨日22日(月)も、NY原油先物10月限(WTI)が15%強、
そしてNY金先物12月限(COMEX)が5%強と各々急騰するや、
NYダウが3%強、ナスダックが4%いきなり急落した。
先週末までの米政府による一連の米金融機関救済策を好感する形で
世界の株式相場は2日間ほど高騰していたのにもかかわらず、
ちょっとした資金フローの急変で、米株式が急落、
香港中国関連指数も追従する形で大きく値を下げた。
インフレ対策から目先の景気対応型政策プラス金融緩和策に
大きく舵取りを変えてきた中国においても、
先日もより具合的に株式相場救済策を発表し、
市場は一応好感したかのように上場全銘柄が大きく反発した。
政策的には、明らかに市場に対してプラスの好材料を提供した形だが、
長続きしていないのである。買い手が引っ込み、まとまった売り物に押されてしまう。
一年ほど前の強気相場では、香港ハンセンは25000ポイント前後、
H株指数も18000ポイント前後で推移し、
各々3万ポイント、2万ポイントの大台に果敢にトライしようと、
相場評論家の多くの方が鼻息を荒くされていたが、現在はどうだろうか。
ハンセんは多少反発しても2万大台への回復に力欠き、
H株指数も同様に1万ンポイントすら戻す力、あるいは躍動感などさらさら感じられない状況だ。
インフレ懸念の後退、本当だろうか。
景気鈍化懸念に対する政策対応、本当に効果があるのだろうか。
金融システムの崩壊、本当に当面回避できたのだろうか。
需要後退による原油価格の下降トレンド入り、本当にそう実現するのだろうか。
現在、資本市場では教科書で教えられていない事象があまりに多く、
従って、法則や原則など決まったパターンというのはなかなか描きにくい局面があまりに多い。
大きな流れを読むことが重要であり、あまり目先の流れの変化にはこだわり過ぎてはいけないように思う。
中国株は底入れの局面ではあるが、まだまだ紆余曲折の道のりがあるように思われる。
(大原 平)