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2009年01月12日

「美」のマーケットでイニシアチブを~化粧品ビジネスの可能性~


ベトナムの女性は化粧をしない。
化粧をしているというだけで、
その人がより印象に残るほど、
化粧人口は少ないのだ。

日本では、いたる所で手に入る化粧品だが、
ベトナムでは、街中の雑貨店での取り扱いはなく、
庶民の生活になじんでいない。

高級デパートでは、
日本さながらに外資系化粧品会社が並んでいる。
日系大手商品も存在感十分であるが、
これらは富裕層がターゲット。
多くの人はその価格への躊躇もあり、普段は手にしない。

街中では、
日本の有名メーカーの看板を掲げた店舗を見かけるが、
その多くは閑散としているか、
中には閉鎖している所もある。

そんな中、可能性を感じるのは
多くのベトナム人でにぎわう
ショッピングセンター、Big C。

フランス資本で業界大手の
ロレアルグループ・メイベリンが入居しており、
盛況とはいえないものの、
現地PRやマーケットリサーチとしての
一定の役目は果たしている。

ベトナム女性はなぜ化粧をしない?

1)気候風土
ベトナムは、言わずとしれたバイク社会。
排気ガスや乾燥した空気の中では、
化粧がすぐに崩れてしまい、
美しさを保つことはできず、実用的でない。

2)化粧に対する美意識
TVに登場する歌手やタレントは、
カラフルな化粧をしている。
確かに「キレイ」なのだが、
それを、いわば「ターゲット」ともいうべき
ベトナム一般青年らを魅了しうる
「美しさ」という概念になるには、
もう少し時間がかかりそうである。

3)ゆとり
そしてなにより、いままでは
経済的(=精神的)なゆとりがなく
化粧まで手が回らなかったという
一面も存在する。

だが、大きな変化と成長を遂げているベトナムだ。
当然、化粧や美を取り巻く環境や意識も、
進化している。

化粧品ビジネスが成長の波に乗るために

では、今後、ベトナムでの化粧の需要や
ビジネスの可能性についてどのような展開が
見込まれるのか?

1)生まれつつある余裕へ訴える
近年の携帯電話の急速な普及に見られるとおり、
人々の購買力は十分だといえる。
経済的余裕は、更なる欲求を生むはずだ。
女性の持つ、美への欲求と満足。
自らを美しく見せることへの
自我の欲求が市場を動かす原動力となる。

2)ベトナムを熟知したマーケティング
どんなによい化粧品であっても、
ニーズにマッチしていなければ、
決して受け入れられない。
例えば、肌によくない環境のベトナムでは
綺麗に飾る派手さを目的とした化粧より
素肌の手入れを目的としたスキンケア系に
重点を置いたマーケティングなどが、
より有効だろう。

単に飾るだけでなく、
女心を弾ませ、美の文化を創造する化粧品。
ベトナム女性の美をさらに引き出すべく、
まだ、未熟なベトナム化粧品ビジネスの
イニシアチブを、果たしてどこが取るのか。
一人の女性として、じっくりと拝見したい。


福田


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