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2009年02月09日

流通インフラを確保せよ


世界一の潜在的規模を持つ、と言われる
ベトナム小売マーケット。
(出典:AT Kearney・米)
消費者所得が向上し、消費拡大が続く中に、
問題とビジネスチャンスが存在する。


最近では、高級ブランドや
人気の高い海外アイテムたちが、
経済的余裕を持ちつつあるベトナム人の、
消費意欲をくすぐり始めている。

だが、国内で入手できる品数は限られ、
価格もかなり高価だ。

消費者はインターネットを通じて、
海外ブランドの購入を検討するのだが、
そこで、いくつかの問題に直面することになる。

(1)決済
ベトナムで利用されているカードは、
デビットカードが主流で、
ネットショップの主な決済手段である
クレジットカードはあまりメジャーではない。

(2)運送・流通
ネットショッピングの魅力の一つに、
「自宅にいながら・・・」という
手軽さが挙げられる。

つまり、逆にいうと、
お店から、誰かが運んできてくれるということ。
ここに、二つの問題が存在している。

Ⅰ.コスト
商品を大量に輸入する場合、
運送業者との交渉によるディスカウントなど、
流通コストの削減も見込める。

だが、個人レベルの場合、
送料も正規料金となり、
商品自体は安くとも
結局、全体的には割高となる。

Ⅱ.リスク
世界規模のネットワークを持つ
物流サービス業者はいくつもあるが、
ベトナム内の物流システムは
十分に整備されているとは言いがたい。

商品到着の遅れといった時間のロスや
商品の紛失といったリスクが
かなりの高確率で存在する。

ビジネスの実現には

海外品を手に入れる方法としては、
海外出張の知人に商品購入を依頼したり、
在外者に発送を依頼したりすることもある。

こうした個人レベルの流通はあるが、
ビジネスとしての成功例は、
ベトナムには存在しない。

海外製品を、“手軽に、安心して”購入したい。
この消費者ニーズ満たすビジネス実現には、
大きく、二つの課題を乗り越えることが必要だ。

(1)リソース(能力)
①消費者へのサービスPR
②商品の受発注処理や決済システムの構築
③商品の物流ネットワークの確保
といった、
多岐にわたるリソースが必要であり、
資金力はもちろんノウハウが要求される。

(2)信用力
資金調達はもちろん、顧客獲得には、
一企業としてはもちろん、
業界全体としての「信用力」が大事である。

もちろん、社会全体になじみの無いビジネスだけに、
「信用」と一口にいっても、一朝一夕には無理だ。

だが、ベトナムという流通の未発達な国で、
そのイニシアチブが取れれば、
未来は輝きに満ちていることだろう。



調査・分析部 Thang

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