09年2月 ベトナム経済状況と課題
低迷続くも他国に比べて被害は小さい
経済対策
明るい兆しも
ベトナム発展の課題(1) 明確な国家成長戦略
ベトナム発展の課題(2) 教育
(森口)
アメリカを震源地とする世界的な経済危機の影響は、
当然ベトナムにも及んでいる。
1月のベトナムマクロ経済は、全般的に悪化。
特に輸出入については、今後更なる深刻化が予想されている。
1月の輸出 前年比24%減
輸入 前年比45%減
鉄工分野でも、世界的な鉄価格の急騰に加え、
建設現場での需要が3分の1まで下がり、
経済活動の根幹への打撃の大きさを表している。
鉱工業生産 前年比4%減
また、FDI認可額は前年比88%減のほか、
在外ベトナム人の送金も減少に歯止めがかからない。
テト休暇が1月にあった(昨年は2月だった)ことを除いても、
経済の停滞振りは深刻である。
しかしながら、農作物や一次産品等も主力輸出品の同国では
周辺他国の損害に比べると、比較的小さい。
当然ベトナムにも及んでいる。
1月のベトナムマクロ経済は、全般的に悪化。
特に輸出入については、今後更なる深刻化が予想されている。
1月の輸出 前年比24%減
輸入 前年比45%減
鉄工分野でも、世界的な鉄価格の急騰に加え、
建設現場での需要が3分の1まで下がり、
経済活動の根幹への打撃の大きさを表している。
鉱工業生産 前年比4%減
また、FDI認可額は前年比88%減のほか、
在外ベトナム人の送金も減少に歯止めがかからない。
テト休暇が1月にあった(昨年は2月だった)ことを除いても、
経済の停滞振りは深刻である。
しかしながら、農作物や一次産品等も主力輸出品の同国では
周辺他国の損害に比べると、比較的小さい。
経済対策
ベトナム政府は、
1、公定歩合の引き下げ
2、預金準備率の引き下げ
3、借り入れ金利助成
等により、一般企業の資金調達難に歯止めをかけようとしている。
しかしながら、追加経済政策を打ち出すことは困難であり、
世界不況の影響はこれからやってくると考えられる。
今後、政府に望まれるのは、以下。
1、政府財源の確保(国債等発行)
2、インフレ対策
3、通貨防衛
であるが、舵取りは難しい。
1、公定歩合の引き下げ
2、預金準備率の引き下げ
3、借り入れ金利助成
等により、一般企業の資金調達難に歯止めをかけようとしている。
しかしながら、追加経済政策を打ち出すことは困難であり、
世界不況の影響はこれからやってくると考えられる。
今後、政府に望まれるのは、以下。
1、政府財源の確保(国債等発行)
2、インフレ対策
3、通貨防衛
であるが、舵取りは難しい。
明るい兆しも
日本がODA再開を正式に発表。
スイスはODA公約額を20%増額した。
GDP約700億USDのベトナムにとって、
9億USDの日本ODAが与えるインパクトは非常に大きい。
日本はODAの位置づけを明確に
世界的不景気で各国経済が縮小する中、
今回の日本のODA再開は、現地の新聞各紙にも取り上げられ、
非常に歓迎されている。
ベトナムは豊かな資源国である一方、
資金不足から、流通などインフラ未整備のため、
未開発の状態に留まっている部分が大きいのが現状だ。
中国の輸出規制により、世界的なレアメタル不足が加速する中、
日本が今後も経済発展(地盤沈下防止)を続けるためにも、
ベトナムと友好な関係を築いてゆくことは重要である。
スイスはODA公約額を20%増額した。
GDP約700億USDのベトナムにとって、
9億USDの日本ODAが与えるインパクトは非常に大きい。
日本はODAの位置づけを明確に
世界的不景気で各国経済が縮小する中、
今回の日本のODA再開は、現地の新聞各紙にも取り上げられ、
非常に歓迎されている。
ベトナムは豊かな資源国である一方、
資金不足から、流通などインフラ未整備のため、
未開発の状態に留まっている部分が大きいのが現状だ。
中国の輸出規制により、世界的なレアメタル不足が加速する中、
日本が今後も経済発展(地盤沈下防止)を続けるためにも、
ベトナムと友好な関係を築いてゆくことは重要である。
ベトナム発展の課題(1) 明確な国家成長戦略
景気低迷期、企業は事業の選択と集中を要求される。
政府が金利助成したところで、一時的なものでしかなく、
ベトナムは、この不況を乗り切るため、国策としてどの分野に
その資源を集中させていくのか、国家戦略の
集中と選択が待たれている。
政府が金利助成したところで、一時的なものでしかなく、
ベトナムは、この不況を乗り切るため、国策としてどの分野に
その資源を集中させていくのか、国家戦略の
集中と選択が待たれている。
ベトナム発展の課題(2) 教育
安価な人件費を武器に、急成長を遂げてきたベトナム。
しかし、長期的な成長を続けるには、不安要素も大きい。
まず、高度な専門知識を身につけるための高等教育機関が
圧倒的に不足していること、
ビジネススクール等、キャリアアップの場も狭小であること、
企業の対GDP比研究開発投資額などは、韓国やシンガポール、
マレーシアなどと比べても、かなり低い数値となっている。
自国の発展を支える人材力の強化は、
ベトナムにとっての大きな課題の1つである。
しかし、長期的な成長を続けるには、不安要素も大きい。
まず、高度な専門知識を身につけるための高等教育機関が
圧倒的に不足していること、
ビジネススクール等、キャリアアップの場も狭小であること、
企業の対GDP比研究開発投資額などは、韓国やシンガポール、
マレーシアなどと比べても、かなり低い数値となっている。
自国の発展を支える人材力の強化は、
ベトナムにとっての大きな課題の1つである。
(森口)