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2009年07月21日

はじめが肝心!入社時に徹底教育~会社規則


前回の㈱VN総務部では
「ベトナム成長機会をつかんでゆく、現地化と、それを支える人材採用」と
題し、採用についてマニュアル的ノウハウをお伝えした。
今回は、その続編とも言える、採用後のオリエンテーションについて、
入社後のトラブル事前対策といえる規則説明を重点的に交え、ご紹介したい。

オリエンテーション~“プロフェッショナルな企業”として

開催:出勤初日
目的:①企業理念の理解 - 理念を伝えることが大事
   ②諸規則の理解 - 文化の違い有。以下詳細を説明。
   ③“プロフェッショナルな企業”のイメージ付け

キーワードは“プロフェッショナル”。
大卒の学歴を持ち、外国語が流暢な彼ら。
“プロフェッショナル”への憧れが強く、外資企業で働くことはひとつの表れ。
労働規則、条件、設備、従業員への対応等、まだまだ未整備な企業が多い中、
これらを明確に伝えること=“プロフェッショナル”=モチベーションアップ。
内容は在日日系企業と変わりないものだが、
①、②に加え、③が大変重要であると認識の上、
PRも兼ねてオリエンテーションの実行を。

はじめが肝心!明確な規則を提示

オリエンテーションでもっとも注力すべきは規則の提示である。
遅刻、業務中の私用携帯電話、突然の帰宅。
どれも日本の会社では“してはいけないこと”だが、ベトナムでは“普通のこと”。
これがまかり通っては日本人にとって無法地帯。
“知らなかった”と言わせないよう、初日の教育を徹底していただきたい。

ここがポイント!ベトナム社内規則で抑えるべき点

規則提示にあたり、特に強調すべき点は以下。

遅刻
  ベトナム文化:時間にルーズ。5~30分の遅刻は当たり前。
  設定すべきルール:罰則、減給等。
対応策:早朝勉強会や朝礼を行い、遅刻しづらい環境を整備。
  備考:朝礼中の入室は注目の的。このあたりの気まずさは
日本人の感性と似ているか。

私用外出、早退
 ベトナム文化:直前、突然に報告。
 設定すべきルール:前日までに、指定用紙にて申請。
対応策:直属の上司が滞納することもあるので、日本人担当者を通る申請の仕組みを。
  備考:女性労働者の多いベトナム。一方的な報告を待つのではなく、
家族や子供の事情を聞くことが急な“仕事の穴”発生防止となる。

 携帯電話
  ベトナム文化:業務中の私用電話・メール。
  設定すべきルール:使用禁止。
対応策:会社の電話を使用したり、トイレで電話をしたりすることも。
片目を瞑りながらも、こまめな注意をして使用しづらい環境を整備。
備考:業務中に株式取引に熱中、携帯電話使用禁止で退職した者もいる。
 
 報告・連絡・相談
  ベトナム文化:徹底されていない。
  設定すべきルール:日報、口頭報告時間設定。
対応策:「ホウレンソウ」の重要性を理解してもらった上で、
それを徹底する管理側のシステムが必須。
備考:日系企業は報告が多いと煙たがられる面も。
「日本のやり方」は一度忘れて、現地スタッフと、彼らの仕事に適した方法を見出すことが望まれる。
 
 給与支払い
  ベトナム文化:指定銀行の口座を開設しない。
  設定すべきルール:指定銀行口座開設をもって入社、口座がなければ給与振込なし等。
対応策:別銀行の口座だと、給与振込みの手間がかかるため、統一とすべき。
備考:銀行口座保有率が全人口の一桁%といわれる程、銀行の存在は身近でない。

やってみせ、いって聞かせて・・・徹底への道のり

ベトナム人は日系企業を厳しいと認識している。
押し付けだけのルールは反発、厳しいだけではモチベーションダウン。
・日本では当然である規則も、理由や必要性を説明し、納得してもらうこと。
・給与や職位(昇格、降格)と絡め、罰則を制定すること。
・日本人=日系企業として、率先垂範をすること。

規律なくして効率的な企業運営は成り立たない。
現地化と日本のやり方、そしてトラブルの事前対策という要素を意識しつつ、
入社者の意識統一の場として、オリエンテーションを位置づけていただきたい。

(福田)

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