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2009年09月01日

変わり行く文化~ベトナム介護ビジネスの可能性


「人口の質向上」

ベトナム人口家族計画省が掲げる2010年~20年までの最重要課題。

人口の約8%ともいわれる障害者数や男女数のアンバランス、
妊婦検診や適切な性教育の必要性と連なり、いわゆる健康寿命があげられている。
健康寿命:「日常的に介護を必要としないで、
自立した生活ができる生存期間のこと。」(WHO)

ベトナムでは平均寿命73歳に対し、健康寿命60歳。
一個人平均13年間、なんらかの介護を要すということである。
今回はベトナムの高齢者問題にスポットをあてる。

ベトナムにおける高齢者

ベトナムは儒教の影響もあり、目上の人を敬う。
高齢者は一族に慕われ、家の中に大切に”しまわれている”。
街中で見かけるとしても、軒先に座っている姿。
ベトナムの階数の多い(=バリアフリーなど皆無)家で
あまり動くこともなく、家族以外と接点もない生活、“大切”とはいえ、
老いた者が老いてゆかざるを得ない高齢化スパイラル。

入院を決意~とある家族の例

ベトナム人の知人一家。
体調の優れない親のために、
外国の友人に良い薬を頼んだり、評判の薬を何とか
入手したりと苦心するも、共働きに幼い子供
いよいよ対応しきれず入院させることを決意。
ようやく老人介護用の病院を探すも不安は募る様子。
・田舎にある
→家族の訪問回数が減る

・医者が全員中国人
 →医大を卒業せずとも”医者”になれる中国。
  適切な治療・介護がなされるのか。

ニーズはあるが対応可能な施設が少ない現状。

求められる介護施設

老人介護施設の欠如

・戦争や医療の未発達により死亡率が高く、
  ”介護を必要とする高齢者”が少なかった。 
・肉親を外に預ける文化がなかった。

しかし、日本もそうであったように、
老いた親を家の中で大切にする文化も近い将来、形を変える。
気軽に訪問ができ、医療体制が整備、
同年代と交流が出来る場所――
高齢者用施設のニーズは表面化され、ますます増えるであろう。

介護ビジネスの可能性

文化的要因に加え、血縁関係のない人間の面倒を見ることに
不慣れな民族、法令以上に文化的参入障壁が問題。

来月、日越FTAが発行予定、2年のうちに
「看護師、介護福祉士の将来における受入可能性」の結論が出される。

日本に受け入れるだけでなく、現地における介護サービスを開始、
予備校を設置し、介護福祉士を育成。
ベトナムでは就職難の若者が多い。
高学歴等条件がなくとも日本留学が出来るとなれば
文化的障壁はクリア、貧しい層にとって救いの職となる。

人口の半数以上を占める20、30代、出産規制もあり、
ベトナムにも高齢化社会が着実に近づいている。
介護士は、将来のベトナムにとっても意味がある。

介護ビジネス、日越の新たな架け橋となりうるかもしれない。

(福田)

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