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2009年04月28日

高度人材のやる気を引き出すマネジメント ~心の距離は仕事の距離~


~マネジメントターゲットの変革期~
日本をはじめとする景気後退の波はベトナムにも押し寄せているが、
着実に経済、人材、インフラ等の全てを確実に成長させているベトナム。

ここ数年、ベトナムへの注目は、
安い人件費だけでなく、拡大する内需にも向いている。

それに伴い、外資系企業のマネジメントは農村部出身の工場労働者だけでなく、
高度な教育を受けた人材へのマネジメントも必要になってきた。

高度人材は、その需給関係のバランスから、売り手市場であり、
農村出身の工場労働者とは違った気難しさが有る。

金銭以外の福利厚生を充実させることで、他社と差別化。
彼らのやる気を引き出すことが、高い生産性につながる。

今回は、都市部で働くオフィスワーカーに注目。
そんな彼らのやる気につながる、
円滑なコミュニケーション構築の事例を紹介したい。


1.社内イベント
 日本では、仕事の一環となっている社内イベント。
 飲み会、運動会、社員旅行等、あまり良い思い出がないのが、
 日本の社内イベントであろう。

 ベトナムでは会社関係とはいえ、仕事とは別物、楽しい“娯楽”である。
 家族同伴も、日本では強制されがちだが、自然な流れで参加が決まることが多い。

会社=大家族的な発想を持つベトナム。
雇用者と労働者の溝を埋め、業務を円滑に進める機会とすべく、
多少の予算を割き、会社公認社内イベントとすることを勧める。

日本のように、新人が場所取り、といった仕事に囚われてはならない。
ローカル社員たちが中心となったローカル社員たちのための自発的なイベントは、
彼らのオフの姿を知りえる貴重なチャンスとなる。
また家族と知り合うことは、信頼関係の向上を図れ、
その後の円滑なコミュニケーションを構築することにつながる。

ポイント
・ローカルスタッフの自発的行動によるイベントを
  ・予算や日程のみ会社で決定
  ・自主的なイベントを企画、実行させる。
  ・決して日本人の意見を通さない。また、やらされている感は厳禁。
・”日本”を忘れた参加を!
  ・日本人スタッフは、普段と違った、ローカルな楽しみ方を「学ぶ」つもりで参加する。
  ・仕事も”日本”も離れ、ローカルスタッフと目線を合わせる
   家族的一体感を感じてもらう事を目的とする。

イベント例
パーティー(飲み会)
 ・社員誕生会 
 ・新人歓迎会
イベント 
 ・遠足(海や観光地へ) 
 ・社員旅行


2.家庭訪問
家族主義、地域の団結が強いベトナム。

ここはひとつ。郷に入りては郷に従え。
ご両親宅への家庭訪問等どうだろう。

”わが子の上司”の外国人が訪問。
会社の有用な人材であること、謝礼の辞を述べる事で、
両親への安堵感を演出=親孝行 につながる。

差し出されたお茶を飲みながら、会社での活躍や良い点を、
ご両親に伝えるだけで十分である。
翌日から挨拶の回数や話題が増え、スムーズなコミュニケーションは確実であろう。

社員の育った環境や、会社から支払われる給与で営まれている生活
(家族同居の場合)を具間みることは、彼/彼女への理解が深まると共に、
我々がベトナム文化をよりよく知りえることにもなる。

ポイント
・手土産を持っていく
  高級な果物(ぶどうやりんご)
  そこまで高価なものである必要なし。
  
・連絡のタイミングを計る
  精一杯のもてなしで負担をかけてしまうのが心配ならば、到着直前に連絡をする。
  連絡なしの訪問も失礼には当たらないようだが、避けたほうが無難であろう。
・時期
  連休や週末等に実家に帰る一人暮らしも多い。
  遠方へは、自分の旅行と兼ねるつもりで計画をする。

ベトナムに限らず、海外駐在員とローカルスタッフとの間に必ず存在する文化の壁。
ベトナム風交流法で円滑なコミュニケーションを。
オフをみんなで楽しみ、家族を大切にするベトナムの郷に入りて
心の距離を近づける。
そういった日々の努力が、やる気を引き出し、
生産性の向上につながってゆく。

だまされたと思って、御社でも実行してみてはいかがでしょう?


(福田)


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