金融市場 沈静化 7つの原因
ベトナム金融市場の「熱」が下がっている。
商業銀行は競争のために金利の引き上げを行わず、
数社はベトナムドンの預金金利及び貸出金利を若干下げた。
商業銀行はベトナムドンと外貨預金の金利を上げた。
年利を20%まで引き上げた銀行もあるが、
数日後には引き下げた。
その他の商業銀行も、ベトナムドンの預金金利を
年間19.5%から19.8%に引き上げたが、
この金利の適用は短期間だった。
現在、年間19%以上の預金金利を適用している銀行は殆どなく、
一般的には17.5%~18.0%の金利が適用されている。
現在、最も高いとされる年間預金金利を適用しているのは、
ホーチミン市ハウス商業銀行 18.7%
地球石油商業銀行 18.8%
Kien Long商業銀行 19%
Gia Dinh商業銀行 18.9%
ただ、ベトナムドンの預金金利を0.20%~0.50%下げる銀行もある。
金融市場の「熱」が下がった原因は以下のように分析された。
1.国家銀行が金融活動に関する管理体制を強化。
例えば、どの方式でも貸出金利の以外の手数料を取ることを禁止。
ベトナムドンの年間預金金利17.5%以上を適用する銀行は
国家銀行への報告を義務付けられるともに、
規定により監査を受ける。
2. 多くの商業銀行の認識では、競合して預金金利を引き上げることは、
預金資金の規模を拡大するためにあまり効果的な方法ではない。
また、商業銀行の財政状況にも影響を与える。
公定歩合は年間14%。商業銀行の貸出金利は公定歩合の
150%を超えることが出来ないので、年間21%を超えることはない。
ベトナムドンの年間預金金利は12ヶ月以下の期限に対し17.5%以下。
予備資金率の11%及び清算用の予備資金等を差し引いた後の
貸出金利と預金金利の差があまりなく、商業銀行の収入もかなり減る。
3.大手国営商業銀行のベトナム投資開発銀行が、
幅広いネットワークを持ち、顧客に信用されている。
つい最近、同行は年間預金金利を0.20%~2.0%下げることを決定。
他の商業銀行に対して心理的な影響を与えた。
4. 消費者物価上昇率(CPI)が下がりつつある。
輸入超過が急減し、マクロ経済が激変、インフレ抑制対策に効果が出始めた。
これが、商業銀行や預金者の心理に大きく影響を与えている。
5.自由市場でドルが急速に安くなったので、ベトナムドンをドルに両替し、
預金することがかなり減った。従って、ベトナムドンの需要も低くなった。
6.ベトナム商業銀行の流動性に関する噂、
特に小規模の商業銀行に関する根拠がない噂がなくなった。
7.ベトナム経済の流動性が積極的に改善され、
特に証券市場の流動性が明らかによくなった。
その状況が金融市場及び商業銀行の流動性に対しても影響を与えている。
これらの動きは喜ばしいものであるが、
現在商業銀行の預金金利がまだ高い。
FEDのドルの預金が4月末より年間2.0%で維持され、
国際市場でもドル金利が低く維持されている。
LiborとSiborの金利も上がらず、
ベトナム商業銀行のドル預金金利とドル貸出金利が非常に高くなっている
(預金金利が年間7.0%~7.5%、貸出金利が10%)。
この状況は、企業の生産営業活動に対して大きく影響を与える。
特に、機材を輸入するためにドルを使わなければならない重要案件は
大変困難な状況にある。
従って、マクロ経済政策を適用する際には、この問題に配慮すべきだろう。
Vneconomy.net 2008年7月15日