銀行利益 好調の理由
信用成長率30%以下、金融投資のストップ、
調達金利と貸出金利の低い格差等の好状況により、
各銀行は魅力的な利益を出した。
厳しい状況下でどのように利益を生み出したのだろうか。
ACB 1兆ドン(約64.5億円)以上
Sacombank 7.54兆ドン(約486.5億円)
Eximbank 7.23兆ドン(約466.5億円)
BIDV 6.04兆ドン(約389.7億円)
Dong A 4兆ドン(約258.1億円)
この状況下で、このような利益を出すことは考えられないことである。
軍隊銀行、Sea Bank等の中規模銀行も、数千億ドンの利益を超えている。
2007年、ACBは証券投資活動により1兆ドン儲けを出したが、
今年前半、証券分野へ投資しなかったため(Ly Xuan Hai社長談)、
主な収入は銀行システム内の資金貸出活動、及び、金の取引フィーによるものである。
多くの銀行は、他行からの資金借入、又は高金利で資金を調達するが、
ACBは銀行システム内で20%以上の金利を貸出す資金力を有する。
金取引活動も、1日で10億ドンのフィーを得る日が多い。
上記2つの主な収入源により、
ACBはこの6ヶ月で、銀行業界中、最高の利益を達した会社になった。
Eximbankは輸出入活動に対する外貨と、金の売買活動により収入を得ている。
正式な情報はまだ公表されていないが、これらの収入源が今年6ヶ月の利益の80%を占める。
Dong Aバンクは、上記2社程の利益は出せていないが、
4兆ドンという利益は大きな努力の結果である(Tran Phuong Binh社長談)。
Dong Aバンクの利益を作る主な業務は、
ベトナム人居留民の送金・サービスである。
自宅への送金資金の配達、24時間送金サービス等の活動は順調だ。
Sacombank、軍隊バンク、海運バンク等の会社も、サービス分野を重視し、
サービス活動により大きな利益を生み出した。
設立されたばかりのLien Vietバンクも、
銀行システム内の2.5兆ドンの資金を、年間金利19%で貸出している。
毎月の活動により、平均400億ドンの利益を得ている。
5月に活動開始したばかりだが、この利益はLien Vietの活動経費を充分にカバーできる。
調達金利は年間18%~19%になる恐れがあり、
資金準備率、清算資金準備率、現金在庫率等を確保しなくてはならないが、
貸出金利は年間21%を過ぎないと規定されるため、銀行の利益は本当に少ししか残らない。
証券市場、不動産市場が硬直している今、銀行の収入源は一体どこにあるのか。
実は、調達金利が年間18%~19%、貸出金利が年間21%になるのは、約1ヶ月。
以前は、12%の金利で資金を調達し、18%で貸出す銀行は少なくはなかった。
5月19日までに多くの銀行が23%~24%で貸出した(その時点ではまだ21%以下に抑えられていなかった)。
小規模の銀行だけが資金不足になるため、
調達金利と貸出金利の格差を低く維持しなくてはならなかった。
上記に営業成績を公表した銀行は、ある程度規模が大きく、流動性も良いため、資金の借り貸しによる利益が大きい。
多くの企業が貸出金利が高すぎると言う背景において、
この収入源は銀行にとって言うまでもなく必要なものである。
現在、多くの銀行が、
不動産、消費、車の購入、留学に対する資金貸出契約により
高い利益(月1.5%)を得ている。
この様な顧客は、この高い利益を支払う能力がある。
しかし、ある銀行の個人顧客担当副社長は
「今年、これらの貸出案件はかなり減少した」と言う。
今まで、返済能力がなくなる顧客は殆どなかった。
「証券市場はかなり下落したが、
多くの銀行が安い株価で株式の担保を受けていたため、
今だ大きな影響を受けず、顧客の明るい将来のため、
頑張って銀行の金利を支払っている」
ある証券会社の仲介部門担当社長は
「ほとんどの証券は、一番高くても実株価の50%まで担保された。
そのため、決算を避けるため顧客が定期的に銀行の借金を支払っている。」
と述べた。
Nguyen Quang Huong経済博士によると、
08年後半6ヶ月に、07年の借金の返済時期になると、
上記の各種借金は影響を受ける。
しかし、多くの銀行はもう資金貸出活動をあまり積極的にしておらず、
08年の利益が高くなることは、分かりづらいことではないだろう。
先鋒(Tien Phong)紙 2008年7月21日