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2009年05月19日

未だ困窮する小規模証券会社


www.tps.vnのサイトで、投資家は
証券取引株価を確認することができる。
しかし、サイトは
既に存在していない
Thien Phu証券株式会社(TPS)のサイトである。


2008年1月23日付けの
設立・活動許可No. 89/UBCK-GPによると、
TPSは資本金1,250億VNDで、
仲介および自己売買業務が行える。
ウェブサイトに掲載された社長のメッセージは
「Thien Phu証券は、証券の仲介、保全、自己売買、
企業コンサルティングサービスを提供する。
TPSは営業活動拡大に対応するため
2009年末までに5,000億VND以上に増資する予定。
この増資によりTPSはベトナム金融市場において
パワフルな上位証券会社になる」
と記載されている。

だが、この素晴らしい計画も
2008年初頭からの証券市場暴落により
同社が倒産となり実現されなかった。
また、同社は社員を採用したが、
一日も正式に活動を開始できなかった。

証券法では、
設立許可発給から12カ月以内に
活動を開始しなくてはならないと規定。
しかしTPSは、
この期限が過ぎても活動を開始できず、
設立許可が取り消された。

同社の本部は、
Ho Chi Minh市第6地区Pasteur通に所在し、
最も広い取引場所と宣伝されたが、
現在はほかの会社が利用している。

Thien Phu証券に続いて
Gia Anh証券株式会社(GASC)も
同じ状況をたどった。
2006年12月に設立されたGASCは
資本金220億VNDであった。
だが、GASC 2009年1月にマスコミを通じ、
資本金の80%に相当する株式を
額面で売却したいと公示した。
この売却する株式の内容としては、
小資本、小規模組織、自己売買がされていな、
不動産投資が40億VND程度
といったものである。

証券法および14/2007/NĐ-CP 議定によると、
2009年2月8日より証券会社の営業業務は
証券仲介業務:最低250億VND、
投資コンサルティング業務:最低100億VND、
証券発行保証業務:最低1650億VND、
自己売買業務:1000億ドンの
資本金を有することが必要としている。
だがGASCは増資できないため、
証券投資コンサルティング業務分の資本金しか確保できず、
仲介業務が行えなくなる。
このため、ホーチミン証券取引所は
GASCの取引資格を取り消し、
770の取引口座は
ほかの証券会社に移管されることとなった。

議定No.14/2007/NĐ-CPに従うため、
最近、証券会社数社が増資を行った。
一方、増資できなかった会社は
取り扱い業務を減らし、
特に、自己売買業務や証券発行保証業務を
業務項目から削除さしいるケースが多い。

2009年3月31日まで設立・活動許可を受けた
証券会社95社は
開設している取引口座の種類などにより
五つのグループに分けられる。
この分類に基づくと、
証券会社上位17社で、
市場全体の口座の66.73%を管理している。
一方、残り69社は、
市場全体の21.57%の口座しか管理していない。
そのうち20社は、管理口座数が500以下で
管理口座数200以下は6社である。

また、証券会社の売上も大きな差が付いている。
仲介部門においては、
大規模証券会社がマーケットの大部分を占め、
数多くの口座を管理しており、
特に、機関投資家や外国投資家の口座が多い。
外国投資家に対する仲介マーケットでは、
証券会社上位10社でマーケットシェアの48.18%を、
上位20社で見ると68.08%を占めている。
そして、残りのパイを75社の証券会社で
分けることとなった。

2009年3月は市場の流動性が高かったため、
HOSEの取引手数料総額は
352.15億VNDに上ったが、
証券会社9社は仲介フィーが
約10億VNDで、
10社は仲介フィーが5億~10億VNDであった。
一方、証券会社42社が仲介フィー1億VND以下で、
そのうち17社が2,000万VND以下しかなかった。
また、ある会社の仲介フィーは156万VNDで、
人件費も賄えない状況である。

証券の発行保証・コンサルティング活動による収益は
大規模証券会社数社にのみ集中する。
これらの会社は知名度が高く、広いネットワークを持ち、
スタッフも優秀である。
全体的に考えれば、
人材や人脈は小規模証券会社にとって
最もネックとなる問題である。
従って、下位の証券会社は
自己売買部門にしか期待できない。
だが、資本金が規定を満たすことができないため、
多くの証券会社がこの業務を継続できないこととなる。

証券会社の活動全般を見ると、
小規模証券会社の活動はあまり活発ではない。
また、M&Aも、証券会社を救済することはできない。
小規模証券会社が売却できる唯一の資産は
顧客の取引口座である。
しかし、数社の大規模証券会社にとっては、
これらの資産があまり魅力的なものではない。

将来的に考えれば、現在
大きなマーケットシェアを持つ証券会社や
独自の営業方針、発展方針を持つ会社、
銀行、国営企業系列の証券会社が
市場を支配することになると思われる。

そのため、小規模証券会社が生き残るためには
激しい競争に立ち向かい
生き抜く必要がある。



Vneconomy.net 2009年5月18日

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