ブルーチップ ベトナム投資ニュース

赤字はどこから?

Sacombankの報告の中では
上記の通貨・金売買活動の赤字に関する説明があるが、
その内容は曖昧である。
325,969兆VNDの赤字は
通貨・金売買部門の赤字として決算されたため、
通貨売買の赤字か、金売買の赤字かは不明瞭だが
主に金売買の赤字と見られる。

2009年に、ベトナム国内で金の価格が急騰し、
年初の1オンス1750万VNDから年末に2300万VNDに上昇した。
政府のVND貸出金利支援制度（4％）の
実施によりVNDの需要も急増した。
また同年末に、銀行の清算能力を改善するため、
VNDの需要がさらに高まった。

また、金の価格が今年の年初より
30％近く上昇したため、
ACB、STB、EIB等の金売買銀行が国内で金を売り、
より高い金利でVNDを貸し出す方針がある。

金売買活動のリスクを制限するため、
各銀行は国内で金を売ってVNDを回収するとともに、
海外の金口座を通じて金を購入した。

しかしベトナムと国際金価格の変動が
銀行の想定外となった。
ベトナム国内では金の価格が連続的に
1オンス2300万VNDから2920万VNDに上昇し、
その後、2600万VNDに下がった（15％上昇）が、
国際市場の金価格が最高値に達した直後、
1オンス1000USDまで下落した（15％下落）。
国内では低い価格で販売、
国際市場で高い価格で購入し、年末に下落したのである。

この影響により
銀行の金売買活動が赤字となった。
そのため、国家銀行が商業銀行の
外国銀行の金投資口座をクローズし、
期限を2010年6月までに延長した。
その時点で、
国際市場での金の価格が2009年の最高値を超えた。
2010年6月30日までに、
外国金売買は2～5％の黒字になったが、
国内金売買は15～20％の赤字となった。


なぜ今まで金売買の決算が行われなかったか?

この様な金価格の変動によりSacombankは、
2009年の会計報告書の中にこの赤字を掲載したはずだが、
金売買活動に関する成績が株主には知らされていなかった。

4年も上昇していた大規模銀行であるSTBの
取締役会、運営者の情報公開に対する責任とは何か。

現時点では会計検査会社が
金売買の赤字を会計報告書に入れることは
国家銀行の2010年6月30日の命令
（外国銀行での金投資口座のクローズに関する命令）
と関係し、この赤字は
2010年第２四半期の会計報告書で決算される。

Sacombankの通貨・金売買の項目は
5297億VNDの赤字と掲載された。
そのため、Sacombankは
国内金売買が赤字の状態で維持される。

今年末まで金が引き続き上昇する場合
Sacombankはまた準備資金を引き当てる必要である。
実際、6月30日まで金の価格が追加で5％を上昇し、
1オンス2800万VNDから2940万VNDに上がった。
2009年に金売買活動を積極的に行った銀行は
STBと同様なリスクに直面する可能性が高い。