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2011年02月18日

上場市場経由の換金は投資ファンドの多数派


2010年に急カーブを描いて成長を遂げたアジア経済は
民間株式会社(PE-Private Equity)への投資品目に対する
換金の傾向に大きな影響を与えている。


中国はこの5年間で初めてIPO発行を通じて289億USDという
記録的金額の調達に成功しており、イギリスのReuters通信は
2011年1月中旬に、アメリカの Texas Pacific Groupファンド
(TPG Capital) はIPOを経由して深圳開発銀行から24億USDを
換金した。

換金が持つ両面性

Grant Thomton Vietnamによる最新の調査結果では、2003年から
今までに、ベトナムでは外国投資ファンドが数百件の一部換金か
完全換金に成功し、その総額は12億USDに達している。
Grant ThomsonのMatthew Lourey財政担当社長は「この結果は
ベトナムにおける投資の換金傾向が事実であることを表しており、
取引総額は決して小さいものではない」と述べた。

上場市場を通じて外国投資ファンドのPE投資資金を換金する場合、
は両面性の存在が考えられる。積極的面での評価は民間の企業が
ハイレベルな営業成績を達成したことで、例えば、Saigon Gas、
Golden Gateチェーン店等は内部収益率(IRR)が44%以上となった。

消極面では各投資ファンドがIndochina CapitalのICVと同様に
換金の圧力と対面しなくてはならない状況があることを見過ごしに
できない。ICVは2009年7月に解散すると発表し、その時点での
総資産は2.43億USDとなっており、2007年に開設された当初の
半分だ。次にMekong CapitalのMEFファンドである。これは順番に
Tan Dai HungプラスチックとDuc Thanh木材会社から投資換金を
行ったが、2社ともに内部収益率はまだ高くない。

一連の換金活動は60%が上場市場を通じて行われたが、このような
傾向については様々な意見がある。

この方法が最良なのか?

ベトナム上場市場経由のPE投資の換金総額が2003年から2010年で
7.2億USD近くに達したことではGrant Thorntonの上場市場を通じた
換金が未上場市場での換金(合併、買収、M&A)より迅速かつ効果的で
評価に値する。

また、ベトナムでの上場条件及び上場会社に対する規定が他の国より
簡易なため、投資ファンドの上場市場を通じた換金が恒常的なことが
調査結果で明らかとなっている。

ベトナム民間企業への投資ファンドを管理しているMekong Capitalは
2010年10月までで完全換金7件と一部換金2件の存在を発表した。

Mekong Capitalは「長期的投資」戦略を持っているため、統一観点での
投資を実行するとともに具体的な目標に基づく行動計画を立てている。

BankInvestはベトナム民間企業投資ファンドだが、Grant Thorntonや
Mekong Capitalとは観点が異なる。BankInvestは2.5億USDの規模を
保有している二つの投資ファンド(Private Equity New Markets)を
2006年9月に開設した。これらのファンドは上場の3年~5年後に
未上場のベトナム民間中小企業を対象とする。

SAM(Saigon Asset Management)のLouis Nguyen代表取締役は
現時点でSAMが投資するのはベトナム小規模民間企業の3社であると
しており、その理由として民間企業への投資はリスクが高いが効果は
高くないという評価によるものだと述べている。


Vneconomy.net 2011年2月18日

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