ブルーチップ ベトナム投資ニュース

大半のファンド管理会社はベトナム証券市場がブーム的に発展した
2006年～2008年にかけて設立されている。当時はファンド管理会社の
多くが資本金の条件しか満たしていなかった。1,000億VNDの資本金を
クリアできた会社は5社しかなかった。各管理会社は株主構造上で
5グループに分けることができ、それぞれの活動方式に特徴がある。

①銀行、保険会社等の大金融機関に属するファンド管理会社
例えば、ACB銀行はACB投資ファンド有限会社を設立しており、
Dong A銀行もDong A証券投資ファンド管理会社を所有している。
これと同様にTechcombank、Maritime Bank、Saigon－HanoiBankも
それぞれ自分のファンド管理会社を持っている。保険の分野では
ManulifeとPrudentialにもファンド管理会社があり、これらの
会社の公衆ファンドはHOSEに上場している。グループ①に入る
ファンド管理会社は全48社の中で圧倒的に数が多く、保険会社や
銀行などの親会社に財政と経験の面で大きな支援を受けている。

②ファンド管理合弁会社
典型的な例としてはベトナムファンド管理会社（VFM）が挙げられる。
この会社はDragon CapitalとSacombank銀行の合弁会社である。
また、Vietcombank証券投資ファンド管理会社はVietcombankと
Franklin Templeton Ltd会社の合弁会社だ。
BIDV-Vietnam Partner投資ファンド管理会社はBIDV銀行とアメリカの
パートナーによる合弁会社である。
国際的な管理経験やベトナム市場での管理経験が上手く活用されたため、
これらのファンドは価値の高い投資品目しか注目しない戦略によって
安定的な活動を実現している。グループ②のファンド管理会社は
ある程度の資産管理ファンドを開設することができた。

③金融機関ではない民間企業、国営企業に属するファンド管理会社
REEに属しているRNG、FPTグループのFPT、Sai Gon BeerのSabeco、
石油グループの財政投資、ベトナム中小企業協会のSMEに関係する
ファンド管理株式会社がある。グループ③はベトナム証券市場が
ブームで発展した時期に設立された。大株主が様々な分野に活動を
広げ、特に証券分野への拡大が目立った時期である。
これらのファンド管理会社の中にはファンドを開設できた会社もあり、
逆にできなかった会社もあるが、影響力が弱く存続を睨んだ活動を
していない会社が多い。
Sabecoファンド管理株式会社の創立株主は会社の譲渡を検討しており、
2009年にベトナム工業・エネルギーファンド管理株式会社が解体に
関する情報を発表した。

④証券会社の子会社、或いは証券会社の大株主が設立したファンド管理会社
このグループに含まれるのはI.P.A証券の投資ファンド管理有限会社や、
SSI証券のSSIファンド管理有限会社である。

⑤最後は上記の4つのグループに入れられない会社である。
これらのファンド管理会社は株主構造が複雑であり、それぞれの株主が
独自の観点を持っているが、どれも他のグループより強くない。
グループ⑤の会社はほとんどがファンドを開設できず、積極的な活動も
あまり見られない。

上記は相対的な分別となっている。例えば、グループ②における会社で出資側の
一方となるのがグループ①の親会社（銀行等）である。グループ③とグループ④の
ファンド管理会社の親会社に当たる証券会社や国営企業が、グループ⑤に対する
ファンド管理会社に出資する場合も多い。

各ファンド管理会社の現在を分析してみると？

証券市場に上場している３つの公衆ファンド管理会社を除き、他の会社の動向は
非常に分かりにくい。これには二つの理由があって一つ目は大半のファンドが
Closing Fundであり、情報公開の義務がないことで政府管理機関に定期報告のみで
済む点。二つ目は現在、多くのファンドが資金を調達できずにブランドアップせず、
存続を維持させる程度の活動しか行っていない点である。既に投資資金の調達に
成功したファンドには共通点がある。純資産（NAV）が投資家の出資価値を下回り
投資活動を維持する資金が残っていないか、余り残らないという深刻な状況である。

ベトナム証券市場で活動しているファンド管理会社と投資ファンドの数
投資ファンの種類	ファンド管理会社	ファンドの数	総資産（10億USD）
ベトナム公衆ファンド	3	5	0,213
投資品目管理ファンド	13	N/a	3,4
外国投資ファンド	40	70	9,0
出典: Prudential　（31/12/2010）

証券投資紙　　2011年4月8日