« わずか1週間で10%近く下落のVN-Index | メイン | ベトナム商業銀行全体の資本金 250兆VND »

2011年05月23日

ベトナム国債 購入者は


昨年、ベトナム国債は外国人投資家が購入しなかったのにも関わらず、
発行数が歴史上、記録的に高かった。
今年はどのような投資家が国債を購入しているのだろうか。
ベトナム国債市場に対して影響を与える要素は何か。


2010年の状況

- 国債市場
2010年の国債発行額は104兆8059億VNDという
記録的な額に達した。
そのうち、国庫発行額が68兆4486億VND
(計画は100.000兆VND)に達し、
ベトナム開発銀行の発行額は36兆3573億VND
(同30.000兆VND)に達した。
VND国債発行総額は2010年末時点で
299兆VND(153億USD) に達し、
前年同期より34.2%増加した。

- 国債購入者
主にベトナム投資家、商業銀行である。
理由は二つある。一つは、外国投資家が
比USDのVND下落に対する懸念があり、
まだ国債市場に戻っていない。
二つ目は、今年の半ばに拡大財政政策が実施されたため、
資金余剰の圧力が高まり、ベトナム金融機関の
国債購入需要が急増しているためである。
国家銀行通達No.13 とNo.19は、金融機関に
国債への投資を拡大させ、各商業銀行も
国家銀行OMOの金利と、一般調達金利の差で
利益を得るために積極的に国債を購入している。
2010年に決算を迎える国債の数が多く、
多くが商業銀行に保全されるので、
各商業銀行が引き続き国債を再購入している。

- 社債市場
価値と規模が急速に拡大。
市場全体の価値が47兆VNDに達し、2009年より49%増加した。
社債の利益については、1年目に固定利益が適用されるが、
翌年の金利は市場の預金金利である。
ただ、社債市場の活動は余り積極的に行われず、流動性が低い。

- 2010年ベトナム債券市場活動の特徴
債券発行に関する政策について、
ベトナムで活動している外国機関、個人に対する課税措置に関する
2008年12月31日付通達No.134の修正版として、
2010年4月22日付財務省通達No. 64が発行された。
新規定によると、ベトナム国債及び社債に投資する場合は、
外国投資家が発行機関により支払われる金利の
10%を税金として納めなくてはならず、
この税金は、前規定より10倍高い(前規定では
債券の額面の0.1%で計算)。

商品について、今年はビッグブロック取引で発行された国債の数が
最も大きい年である。国庫は債券市場の流動性を改善するために
ビッグ・ブロックで国債発行を促進する。
国債期限も大きく変えられ、主に3年~10年期限の国債が発行され、
1年~2年の短期期限の国債発行は制限される。

社債市場参加者については、大手国営企業のほか、
数社の外国銀行と証券会社が常に社債市場に参加している。
2010年は商業銀行、特に資本金と財産規模が大きい銀行が、
積極的に社債市場に参加している。

%E7%94%BB%E5%83%8F%20110523.1.jpg
(2006年~2011年3月31日国債金利変動)

2011年~2012年のヴィジョン

- 債券市場に影響を与える要素
(1)約 80兆VND(38億6000万USD)が決済期限となり、
そのうち、2011年に決算になる債券は55兆VNDとなる。
(2)2011年の国債発行予定額が、85兆VNDとなる。
(3)国家銀行の厳しい財政政策及び高い金利制度が、
2011年第3四半期まで続きく見込み。
国家銀行はVNDとUSDの金利の上限を年間14%と3%で規定した。
その他の主な金利は、年間14%に上げられた。
(4)VND/USDの為替レートが2011年2月に9.3%に引き上げられた。
(5)各金融機関が引き続き資産の規模を拡大している背景において、
活動の安全性を確保するために国家銀行が外貨準備資金率を上げた。
(6)財政政策が調整されたが、2010年とあまり変わらない。
(7)各銀行がCARを確保するため、営業活動開発を支援する。
このため、2011年に引き続き増資する計画がある。

- 債券金利の変動について、国債金利は
2009年12月から2010年12末までの期間で上がった。
1年期限国債の金利が最も高く、0,48%に引き上げられた。
残りの期限の金利が、平均年間0.06~0.21%引き上げられた。

2011年4月末、5年期限の国債の落札金利が
年間13.2%に上がったが、落札の比率は低く、
入札の1兆VNDのうち、5000億VNDしか落札しなかった。
国家銀行のOMOの金利は、4月末の時点で年間14%に上がった。

年初から今まで、発行に成功した国債の比率は
20%にしか達しておらず、計画よりかなり低い。

ベトナム投資家(主に商業銀行)は
預金金利とインフレを見て、債券の金利を計算する。
ただ、証券市場等の他の市場が不安定なため、
国債への再投資の需要が2011年と2012年も依然大きい。

外国投資家については、ンフレ、為替レート等の
マクロ的要素が改善できないと、
債券市場にまだ参加しないと見られている。
これらの要素が上手く改善された場合、
ベトナム国債、特にUSDの国債(年初4ヶ月で
USD国債の金利は年5.1%で発行された)に対する
需要は増加するだろう。

社債市場については、VNDの金利が高く、状況が良くないため、
企業が社債発行を通じて借金をすることを制限するだろう。
借金が必要になった場合に、企業は安い金利で
USD社債を発行する傾向がある。



InfoTV.net 2011年5月23日

« わずか1週間で10%近く下落のVN-Index | メイン | ベトナム商業銀行全体の資本金 250兆VND »

    ・本資料に記載された情報の正確性・安全性を保証するものではなく、
     万が一、本資料に記載された情報に基づいて
     皆さまに何らかの不利益をもたらすようなことがあっても 、一切の責任を負いません。
    ・本資料は情報提供のみを目的として作成されたものであり、
     投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。
    ・本資料の全部または一部を無断で複写・複製することを禁じます。

運営会社編集方針お問い合わせプライバシーポリシー