« 電気開発に20.700兆VND必要なハノイ | メイン | NPV ベトナム最初の工場を完工 »

2011年10月13日

外国ファンドがベトナムへの出資をシブる理由


ベトナムは中国、インド、ブラジルの次に世界で発展した市場と言われ、
多くの機関投資家が注目しているが、そのことで外国からの投資資金が
調達できるというわけではない。


スイスのRock Lake Associates会長兼Thunderbird民間投資機関所長を
兼任するJohn Cook 氏の話によれば、あるスイスの投資家が約20回も
ベトナムを訪問して複数のファンド管理会社と会ったが、投資の機会は
まだ見つかっていない。これはベトナムが外国からの投資資金調達を促し、
外国ファンドがベトナム市場の魅力として若い人口や賃金の安さに加え、
資金調達の需要が高いと評価している背景では考えられないことである。

投資家の懸念

現在のベトナム資本市場では、規模の大きさが最も懸念されている。
Lexington Partner のKirk Beaton社長は「数億USDでは小さすぎる。
民間投資ファンドがこの規模だと小さなマーケットで投資のチャンスは
取りにくい。ここ数年間で投資に成功した民間投資ファンドもあったが、
数はまだ少ない」と述べた。ベトナム証券市場はHoang Anh Gia Lai、
Vinamilk、Masan等のブランド商品がまだ少ない。投資家は大きな国が
運営する企業のIPOを所有している。ある外国ファンドの代表者は
「我々には成長の良い企業、IPOの計画がある企業を支える用意がある。
我々が持っているおよそ500万USDの投資資金は、これらの企業に対する
投資のチャンスを待っている。ベトナムのマーケットではこの資金の
出資対象がまだ見つかっていない」と述べた。

この他にベトナム証券市場が抱える既存の問題でもあるのは、ベトナムに
中間の財政機関が少な過ぎるということだ。財政力があって市場の変動に
対応できるファンド管理会社がまだ少ないため、民間の投資ファンドは
出資時と換金時に困難な状況と遭遇する。これは2004年から現在まで
ベトナム政府は何とかインフラ整備への外国投資資金を調達していたが、
思うようにはかどっていないことの理由となっている。長期にわたって
イギリスのマーケットと中国マーケットを研究している Kirk氏によると、
中間機関が資本市場の規模拡大や開発、経済の発展に対して大きな役割を
持っている。中国の場合は中間機関が金融市場を強固にし、現在530社の
ファンド管理会社が活動している。ベトナムではまだわずか40社である。

企業経営には国際基準を満たす会計検査システムや情報の公開、外国から
積極的に資金を調達する姿勢などが、投資の展望を現実化させるための
決定的な条件だ。BDS(カナダ開発銀行)アジア投資ファンド担当副社長の
Frank T.L.Pho 氏は2002年にベトナム来訪。その時点ではベトナム企業が
まだ外国民間投資ファンドの出資を歓迎していなかった。また、企業経営も
あまり重視されなかった。そして10年が経過したがベトナム企業の見解は
変わっていないため、投資家サイドでは利益に対するリスク、投資環境に
関するリスク、法律面でのリスク、人材の品質、さらにはマクロ的な要素
(インフレ、為替レートの変動)などを想像することができない。

このように外国の投資家はベトナムに出資することを懸念しているため、
迅速な解決することができない。ある投資家は「本当にアジアのタイガーに
なりたいなら、ベトナムはシステム的な問題に対してもっと関心をもって、
外国からの資金調達対策を積極的に実施しなくてはならない」と述べた。

将来への展望

カナダ開発銀行はベトナムへの投資展望があると考えているが、投資環境を
より良い状態に改善しなくてはならない。Kirk Beaton氏によると、投資額の
200億USDを所有しているLexington は世界中に投資している。つい最近、
Lexingtonは香港投資専用ファンドをもう一つ開設しており、その規模は
70億USDとなっている。このファンドの資金は全体の60%がアジア市場に
投資されているが、まだ東南アジアがこの投資資金を受ける機会はない。
だが、Lexingtonの計画は今後10%の投資資金を2015年まで東南アジアに
投資することである。

Sanotc.com  2011年10月13日

« 電気開発に20.700兆VND必要なハノイ | メイン | NPV ベトナム最初の工場を完工 »

    ・本資料に記載された情報の正確性・安全性を保証するものではなく、
     万が一、本資料に記載された情報に基づいて
     皆さまに何らかの不利益をもたらすようなことがあっても 、一切の責任を負いません。
    ・本資料は情報提供のみを目的として作成されたものであり、
     投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。
    ・本資料の全部または一部を無断で複写・複製することを禁じます。

運営会社編集方針お問い合わせプライバシーポリシー