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2011年10月31日

投資ファンドの大幅下落 今後の展望は


投資ファンドの証券の後退が進んでいる。
現在、証券は額面以下で取引され、
当初の発行価格の1/3にまで落ち込んでいる。


現在、5つの投資ファンドが、
ホーチミン証券取引所に上場している。
そのうち3つのファンドは、
ベトナム証券投資ファンド管理会社(VFM)のファンドである。
それらはベトナム証券投資ファンド(VFMVF1)、
ベトナム上位企業投資ファンド(VFMVF4)、
ベトナム柔軟投資ファンド(VFMVFA)がそれである。
残りの二つのファンドは2社の保険会社が管理しているもので、
Manulife成長投資ファンド(MAFPF1)と、
Prudential投資ファンド(PRUBF1)である。

上場ファンドの中ではVFMVF1だけが最高額で取引され、
10月18日の時点で1単位当たり8,700VNDとなっている。
残りのファンドは1単位5,000VND以下で取引されている。
MAFPF1とVFMVF4のファンドは4,000VND以下での取引となっている。

ただ、これらのファンドの純資産(NAV)は低くない。
全ファンドのNAVが、取引価格の2倍も高い。
別の言い方をすれば、ファンド解散後、
投資家は、市場で買う価格の2倍近くの資金を回収することができる。
ただ現在、ファンドの証券は余り取引されていない状況である。

各ファンドの取引価格とNAV (2011年10月20日まで)
ファンド名取引価格(VND)NAV(VND)
MAPF13,3006,000
PRUBF14,5008,300
VFMVF18,70015,200
VFMVF43,7006,500
VFMVFA4,6007,500

この矛盾を分析して証券投資専門家は、
投資ファンドの下落は、有価株の下落と
直接関連している、との考えを示している。
大半の投資ファンドは有価株を保有している。
そのため有価株が下落すると、ドミノ倒しが発生し、
投資家はファンドの証券を売りたくなるのだ。

その他の意見としては、未上場株の投資利益は、
具体的に計算できないため、幾人かの投資家に言わせると、
投資ファンドのNAVはまだ高いが、未上場株を含む資産を売ると、
NAVの計算根拠である財産の株価と同様な価値では
売れない恐れもある、という。

ただ、Le Chi Phuc-SGIファンド管理会社社長は、
ファンドの取引価格は今後良くなる、との考えを示している。

ただ、全体を見渡せば、
ベトナム投資ファンドで、投資品目を見つけることは、
段々難しくなるだろう。
優良物件は数年前に買収されており、
外国投資家も引き続きベトナム市場に進出してくれば、
ファンド同士の競争も激化する可能性が高い。

また、国際経済危機の影響で、
ベトナムへの外国投資資金は2006~2007年の時点と比べ
かなり少なくなっている。
ここ最近で、ベトナム市場に参入した外国ファンドは
Vietnam Fund、VAM Vietnam Index Linked、
Honglong Vietnam Strategic等がある。

先日国家証券委員会は、
Mirae Asset Maps Global Investment Co. Ltd (韓国)の
ファンド管理会社に対して、ホーチミン市駐在事務所の設立を認可した。
それにより、今後さらなる国際競争の激化が予測される。



証券投資紙  2011年10月31日

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