ベトナムと外国投資資金に見る12年
2013年~2014年は外国投資ファンドの解体期にあたるため
ベトナムでは外国投資資金の確保が時事問題となっている。
ベトナム証券市場の歴史上で外国投資資金は多くの役割を持ち、
市場引き上げの財政力となっている。しかし、外国投資資金が
ベトナム証券市場の変動に悪影響を与えた場面も少なくない。
Sanotc.com 2012年7月26日
ベトナムでは外国投資資金の確保が時事問題となっている。
ベトナム証券市場の歴史上で外国投資資金は多くの役割を持ち、
市場引き上げの財政力となっている。しかし、外国投資資金が
ベトナム証券市場の変動に悪影響を与えた場面も少なくない。
外国投資ファンドに深く関わる2つの世代
Dragon Capitalが今年の第3四半期末、年末の株主総会を開催する。
同社は年に2回、定期的に株主総会を実施している。今回の総会では
ベトナム証券市場で投資を維持するか、換金するか投票で決める予定。
2010年に同社管理のVEIL (Vietnam Enterprise Investments Limited)が
消滅状態となって世論から注目された。だが、このプレッシャーを
乗越えたVEILは、ベトナムでの活動を維持することができた。
1995年設立のVEILファンドは第1世代(1991年~1997年の設立)の
ファンド。ベトナム証券市場で活動する珍しい外国投資ファンドでもある。
第1世代の共通点は規模が小さく、ハイリスクハイリターンで設立され、
国営企業とベトナム証券市場の誕生に投資チャンスを模索する。
1997年~1998年のアジア金融危機は多くの国や地域に影響を及ぼした。
当時、ベトナム経済はまだ発展していなかったが、若干の影響は受けた。
第1世代の外国投資ファンドは多くの課題に直面し、状況への対応で
個別の方針を選択した。
Templetion Vietnam Opportunities FundとVietnam Lazard Fundは
1997年にファンドの閉鎖という方法を実施したが、Bata Vietnam Fundと
Vietnam Investment Fundは投資資金の削減を選んだ。
Vietnam Fund (2001年撤退)、Vietnam Frontier Fund (2004年撤退)等の
他のファンドは生き残ったが、状況に耐えきれず撤退した。
次の1997年~2000年には新設立された外国投資ファンドがなかった。
この時期は中国人が観光者としてベトナム証券市場の誕生直前に参入し、
2001年からは機関投資家がベトナムへの参入を始めた。
Indochina Capital が2001年、Mekong Capitalは2002年、
Vina Capitalが2003年、PXPは2005年に参入した。これらのファンドは
ベトナム市場で名の通ったファンドになった。ベトナム・アメリカ間の
貿易協定が2001年末に締結されたことに加え、ベトナム企業への出資、
株式購入に関する政策の実施で第2世代の投資ファンド参入が形成された。
しかし、第2世代の導入時期は2006年~2007年の間であり、ベトナムの
WTO加盟後である。その時期はKITM (Korea Investment Trust Management)、
Tongkang、Golden Bridge、Prudential Plc、Bank Invest 等が新たに現れ
ベトナム市場に戻る第1世代投資ファンド(Templetionファンド)もいた。
第1世代の総資産規模は約4億USDだが、第2世代の規模は非常に大きく
70億USDに達していた。
Dragon Capital、Indochina Capital、VinaCapital等の大規模なものは
外国投資家から数週間で数億USDの資金を集める。
その当時、ベトナムの魅力は「バーマグネット」のようだった。
続々と押し寄せる波
外国投資資金の参入によってベトナム証券市場は奇跡の成長を遂げたが、
その後の短期間で外国投資家が投資資金を換金したため、投資家業界は
大きな損害を被った。1度目は2008年末の国際経済危機による市場撤退。
その後、Indochina Capitalの投資ファンドが外国投資家業界の指摘で
ファンドの解体を求められたのが2度目だ。韓国のある投資ファンドも
Indochina Capitalと同様の 状況に追い込まれた。
2008年以降は第2世代投資ファンドにとって苦しい時期となる。
全ての投資ファンドがベトナム証券市場のブーム的な上昇期に出資し、
高額で大量の株式を購入した。これらはことごとく大きな赤字となった。
大規模なファンドはほとんどの証券を上場し、外国投資家がファンドに
20%~50%の割引を与えたため、最初に出資した投資家は赤字が重なり
数年間で外国投資家から資金を集める外国投資ファンドがなくなった。
投資品目再構築が叫ばれ、各ファンドは市場の小さな動きも利用して
株式を売買する結果となった。
伝統的なファンドは大部分が信頼を失ったが、指数投資ファンド(ETF)は
高く評価されている。2010年後半にはベトナム市場でFTSE Vietnam Index、
The Market Vector Vietnam等のファンドが有名になり、市場の動きを
コントロールする金融機関となっている。
FTSE Vietnam Index、 The Market Vector Vietnam以外にも規模の小さな
数十の投資ファンドがVN-Indexと共に取引を行っている。
Indexをまねて投資するETFファンドは、リスクを分担でき一方で、
Open Fund方式のため、証券が純資産そのままの価値を持つことによって
Closing Fundの弱点を回避できる。現在、ベトナムで活動している公的な
外国投資ファンド(Open Fund)の中でもETFファンドのNAVは珍しく
純資産より価値が高い。だが、ETFファンドの影響力が減ったことに関係なく
有名なファンド管理会社がベトナム投資専用のiShareファンド設立を申請し
投資家業界に大きな期待を寄せている。
第2世代投資ファンドはベトナム残留か、撤退か?
ベトナムに参入している外国投資ファンドは経済状況等に大きく依存する。
FDI資金調達政策は必要条件だが、十分条件ではない。
ベトナムは国際投資家業界に人気のある市場だが、まだ限界に近いラインだと
評価されている。株価が下がると投機の投資資金を調達できるが、長期的な
投資資金は調達できない。中間の金融機関にとって長期的な魅力となる要素は
経済成長、マクロ的要素の安定性、商品の規模と品質等だ。
このため、将来的に外国投資資金が急増することはないだろう。
また、第2世代のライフサイクルが5年~7年のため、2013年~2014年は
第2世代の投資ファンドにとって換金時である。また、換金の期限となった
KITM、Tongkang等のファンドはOpen Fundに変わった。
このような個別の再構築案件は2011年第4四半期、ベトナム証券市場の動きに
影響を与えた。今後6ヶ月~18ヶ月でベトナムの証券市場が直面する課題は
より大きくなるはずだ。多くの外国投資専門家がこの問題を考えている。
HSC証券のFiachera Mac Cana分析部長によると、問題が単純に技術面であり、
古くなったファンドはライフサイクルが終わると新たにファンドが設立される。
BanViet証券のMarc Djandji研究部長は、Closing FundのOpen Fund変更は
今のベトナムでは一般的で、特に韓国投資ファンドに多い傾向だとした。
Dragon Capitalが今年の第3四半期末、年末の株主総会を開催する。
同社は年に2回、定期的に株主総会を実施している。今回の総会では
ベトナム証券市場で投資を維持するか、換金するか投票で決める予定。
2010年に同社管理のVEIL (Vietnam Enterprise Investments Limited)が
消滅状態となって世論から注目された。だが、このプレッシャーを
乗越えたVEILは、ベトナムでの活動を維持することができた。
1995年設立のVEILファンドは第1世代(1991年~1997年の設立)の
ファンド。ベトナム証券市場で活動する珍しい外国投資ファンドでもある。
第1世代の共通点は規模が小さく、ハイリスクハイリターンで設立され、
国営企業とベトナム証券市場の誕生に投資チャンスを模索する。
1997年~1998年のアジア金融危機は多くの国や地域に影響を及ぼした。
当時、ベトナム経済はまだ発展していなかったが、若干の影響は受けた。
第1世代の外国投資ファンドは多くの課題に直面し、状況への対応で
個別の方針を選択した。
Templetion Vietnam Opportunities FundとVietnam Lazard Fundは
1997年にファンドの閉鎖という方法を実施したが、Bata Vietnam Fundと
Vietnam Investment Fundは投資資金の削減を選んだ。
Vietnam Fund (2001年撤退)、Vietnam Frontier Fund (2004年撤退)等の
他のファンドは生き残ったが、状況に耐えきれず撤退した。
次の1997年~2000年には新設立された外国投資ファンドがなかった。
この時期は中国人が観光者としてベトナム証券市場の誕生直前に参入し、
2001年からは機関投資家がベトナムへの参入を始めた。
Indochina Capital が2001年、Mekong Capitalは2002年、
Vina Capitalが2003年、PXPは2005年に参入した。これらのファンドは
ベトナム市場で名の通ったファンドになった。ベトナム・アメリカ間の
貿易協定が2001年末に締結されたことに加え、ベトナム企業への出資、
株式購入に関する政策の実施で第2世代の投資ファンド参入が形成された。
しかし、第2世代の導入時期は2006年~2007年の間であり、ベトナムの
WTO加盟後である。その時期はKITM (Korea Investment Trust Management)、
Tongkang、Golden Bridge、Prudential Plc、Bank Invest 等が新たに現れ
ベトナム市場に戻る第1世代投資ファンド(Templetionファンド)もいた。
第1世代の総資産規模は約4億USDだが、第2世代の規模は非常に大きく
70億USDに達していた。
Dragon Capital、Indochina Capital、VinaCapital等の大規模なものは
外国投資家から数週間で数億USDの資金を集める。
その当時、ベトナムの魅力は「バーマグネット」のようだった。
続々と押し寄せる波
外国投資資金の参入によってベトナム証券市場は奇跡の成長を遂げたが、
その後の短期間で外国投資家が投資資金を換金したため、投資家業界は
大きな損害を被った。1度目は2008年末の国際経済危機による市場撤退。
その後、Indochina Capitalの投資ファンドが外国投資家業界の指摘で
ファンドの解体を求められたのが2度目だ。韓国のある投資ファンドも
Indochina Capitalと同様の 状況に追い込まれた。
2008年以降は第2世代投資ファンドにとって苦しい時期となる。
全ての投資ファンドがベトナム証券市場のブーム的な上昇期に出資し、
高額で大量の株式を購入した。これらはことごとく大きな赤字となった。
大規模なファンドはほとんどの証券を上場し、外国投資家がファンドに
20%~50%の割引を与えたため、最初に出資した投資家は赤字が重なり
数年間で外国投資家から資金を集める外国投資ファンドがなくなった。
投資品目再構築が叫ばれ、各ファンドは市場の小さな動きも利用して
株式を売買する結果となった。
伝統的なファンドは大部分が信頼を失ったが、指数投資ファンド(ETF)は
高く評価されている。2010年後半にはベトナム市場でFTSE Vietnam Index、
The Market Vector Vietnam等のファンドが有名になり、市場の動きを
コントロールする金融機関となっている。
FTSE Vietnam Index、 The Market Vector Vietnam以外にも規模の小さな
数十の投資ファンドがVN-Indexと共に取引を行っている。
Indexをまねて投資するETFファンドは、リスクを分担でき一方で、
Open Fund方式のため、証券が純資産そのままの価値を持つことによって
Closing Fundの弱点を回避できる。現在、ベトナムで活動している公的な
外国投資ファンド(Open Fund)の中でもETFファンドのNAVは珍しく
純資産より価値が高い。だが、ETFファンドの影響力が減ったことに関係なく
有名なファンド管理会社がベトナム投資専用のiShareファンド設立を申請し
投資家業界に大きな期待を寄せている。
第2世代投資ファンドはベトナム残留か、撤退か?
ベトナムに参入している外国投資ファンドは経済状況等に大きく依存する。
FDI資金調達政策は必要条件だが、十分条件ではない。
ベトナムは国際投資家業界に人気のある市場だが、まだ限界に近いラインだと
評価されている。株価が下がると投機の投資資金を調達できるが、長期的な
投資資金は調達できない。中間の金融機関にとって長期的な魅力となる要素は
経済成長、マクロ的要素の安定性、商品の規模と品質等だ。
このため、将来的に外国投資資金が急増することはないだろう。
また、第2世代のライフサイクルが5年~7年のため、2013年~2014年は
第2世代の投資ファンドにとって換金時である。また、換金の期限となった
KITM、Tongkang等のファンドはOpen Fundに変わった。
このような個別の再構築案件は2011年第4四半期、ベトナム証券市場の動きに
影響を与えた。今後6ヶ月~18ヶ月でベトナムの証券市場が直面する課題は
より大きくなるはずだ。多くの外国投資専門家がこの問題を考えている。
HSC証券のFiachera Mac Cana分析部長によると、問題が単純に技術面であり、
古くなったファンドはライフサイクルが終わると新たにファンドが設立される。
BanViet証券のMarc Djandji研究部長は、Closing FundのOpen Fund変更は
今のベトナムでは一般的で、特に韓国投資ファンドに多い傾向だとした。
Sanotc.com 2012年7月26日