ベトナム 外国投資機関の世代交代か
外国投資機関の中で「世代変更」が起きている。
Dragon Capital、VinaCapital、Indochina Capitalなど
旧来の外国投資機関は深刻な資金不足のため、投資活動にひずみ。
一方Citigroup、Deustche Bank、BNPのVenture Capital、韓国、
シンガポール、台湾等のベンチャーファンドは大量に取引をしている。
これはベトナムインデックスの年末変動に対しどのような影響を与えるか。
セミナーがホーチミン市で行われた。
ベトナム証券市場で外国投資機関は連続的に株式を売却しているが、
新しく導入する外国ファンドが大量に購入されている。
お金がないという現実
資金不足のため、Dragon Capital、VinaCapital、Indochina Capitalなどは、
上場株、未上場株や民営化会社に投資できないという現状がある。
これらのファンドは2006年ー2007年に調達できた資金を殆ど投資し、
その時点では投資家による投資実施の要請が高いため、対応を余儀なくされた。
中期報告書では2008年6月30日まで、Indochina Capitalは現金で約2320万ドルしか
所有していない。VinaCapitalは保有最大ファンド-Vietnam Opportunity Fund (VOF)も
8月31日までに現金で約2000万ドルしか残らない。
(出典:Monthly Funds Update VOF 8月31日)
Dragon Capitalが管理している各ファンドはほどんど資金がない状況である。
Dragon Capitalの創立者であるDominic Scriven氏によると、
いくつかのファンドが投資状況を改善し、利益がでた投資案件を決算し、
追加資金の調達を準備していると言う。
Scriven氏は「現時点で追加資金の調達は非常に困難。
ベトナムのインフレは去年より高いが、上場市場のPERが平均10倍~13倍で
他の国より魅力的ではない。これらの要素により、外国投資家を説得することが難しい。」
と述べた。
また、「今から年末まで、又は2009年第1四半期までベトナムインデックスを支えるための
外国投資資金が急に増加することは難しいだろう、
VN-Indexの変動はベトナム投資家の力に付属する。」と述べた。
ベトナムインデックスの暴落は外国投資ファンドの純資産(NAV)に大きく影響を与えた。
年初から今までDragon Capitalの最大ファンドであるVEILのNAVは40.56%を減らし、
Vietnam Growth FundのNAVが39.82%減、
(出典:DC, Weekly Funds Update 2008年9月11日)、
Vietnam Dragon FundのNAVが37.34%減である。
(出典:DC Monthly Fund Update 9月9日)。
IndochinaのNAVは年初6ヶ月で45.9%減。
(出典:IC, Interim Report 6月30日)
Vinacapitalにより管理されている各ファンドのNAVは5月に急速に下落し、
7月及び8月に少し向上したが、この半年の減少を補足することができない。
2008年8月末まで、VOFのNAVは年初より32%減。
Vietnam Infrastructure FundのNAVは18.4%減。
Vietnam Infrastructure Fund のNAVの減少率が一番低い理由は
このファンドが保全している株式
(PPC、ITA、フーミー橋建設案件、ベトナム飛行機レンタル会社(VASC)等の会社
の株式)の価値がベトナムインデックスと未上場市場の下落背景で多少維持されたからで
ある。
つい最近、VinaCapitalは保有するHoa Phatグループ(HPG)の1400万株式のうち
400万を株式を売却予定。HPGはVOFのNAVの中で最大比率を占める。
現在の取引値ではHPGがVOFに対して利益を作っている。
具体的に、各ファンドは慎重に検討後、投資先リストの改善を決定。
各ファンドは収益を得た株式、又は利回り率が低い株式しか売却しない。
実際、Dragon CapitalはCAN又はTAC株式を大量に売却した。
ベトナムにおける外国投資ファンドはNAVを改善するために最大限努力している。
VN-Indexが下落時に追加資金調達できることが最善の策であるが、
現状は実現可能性がとても低い。
国際金融市場が「台風」のように荒れている現在は特に、である。
新世代の外国投資ファンド
「年をとった」旧来投資ファンドに供給する資金源は弱くなったが、
新しく導入される投資ファンドが出現している。
それらのファンドはCitigroup、Deustche Bank、BNPのVenture Capital、韓国、
シンガポール、台湾等のベンチャーファンドである。
これらのファンドは6ヶ月~12ヶ月間株式を保有し、有利な状況になると取引する。
多くの時点でHASTC及びHOSEで購入する額は「年をとった」ファンドの売却額と同様。
この3ヶ月で外国投資家の売却株数は購入株数より多い。
また、ベトナムにおける外国投資機関の構造変更の中で外国銀行支店は
大きな役割を果たしている。.
かつて、数社の外国銀行は上場株を投資し、海外居住投資家に対して投資証券を発行。
また、数社は外国投資家による投資委託を受け、仲介手数料を得る。
これらの資金は収益によって自由に導入、撤退される「HOT」資金源である。
去年、ドル安がすすんだが、USD/VNDの為替レートが安定であり、
証券が高く上昇したため、「HOT」資金源が大量に導入される時もあった。
現在、この資金源の出入は段々と複雑化。ベトナムインデックスの魅力がなくなると、
この資金源が大きく打撃を受ける。従って、外国投資家の購入需要は減少される。
今から年末まで、又は2009年第1四半期までベトナムインデックスを支えるための
外国投資資金が急に増加することは考えられない。
「年をとった」投資ファンドは資金不足にあえぎ、追加資金を調達することも容易ではない。
新しく導入しているファンドは投資実施額と利回り率を検討する。
外国銀行に委託する投資資金には限界がある。
従って、ベトナムインデックスは主にベトナム投資家の力に影響を受けるだろう。
サイゴンエコノミックスタイムズ 2008年9月26日