困難に直面する外国企業
国際経済危機の影響により
自動車、電子製品、ファッション関連企業の
ベトナムでの部品加工事業は
大きなダメージを受けている。
このうち、日本、台湾、韓国の外国企業は、
主に工業団地で加工事業を行っている。
(HEPZA)の最新統計によると、
ホーチミン市の工業団地で活動している企業のうち
50社が経済衰退の影響により困難な状況にあるという。
このような状況は、特に、
労働者の生活に対して大きく影響を与え、
8000人が失業、11000人が労働時間短縮を余儀なくされている。
具体的には、以前は週6日の労働日数であったが、
現在は週3~4日しかないという。
HEPZAの輸出入局の統計によると、
Tan Thuan工業団地、Linh Trung 1工業団地、
Linh Trung 2工業団地にある企業の
第1四半期の輸出額は約4億USDで、
前年同期より9%減少、
また、輸入総額は約2.1億USDで
前年同期より30%も減った。
輸出量だけではなく、
加工用資材や機材の輸入もかなり減っている。
さらに、外国企業は
なかなか新しい契約を締結できない状況である。
特に、自動車部品、電子部品、プラスチック商品、
機械部品加工などの分野で活動している企業は
受注が30~70%も減少している。
Furukawa Automotive Parts Vietnam (FAPV)は
自動車部品の加工を専門とする
100%日本資本の会社で、
ホーチミン市Tan Thuan工業団地で活動している。
この会社は、長い間にわたり
ホーチミン市の輸出活動に大きく貢献した
大企業であったが、
現在、受注が激減したことで、
非常に困難な状況になっている。
最近、商工省の主催により
ホーチミン市で行われた外国企業との会談において、
Takagi Tomokazu-FAPV社長は
せっかく養成した大切な人材であるが、
8,000人いた労働者のうち2,000人を
テト明けに解雇せざる得なかったと述べている。
同社は、第1四半期の営業状況が大変困難な状況で、
受注量が連続して減っているおり、
今年の売上は約1億USDと
昨年の50%しか達さないと予想している。
Toyo Precision社など、ほか日本企業も
FAPVと同様に困難な状況にある。
Toyo Precision社は繊維加工を専門とする会社だが
同社も受注が大きく減っている。
このほか、Bien Hoa 2工業団地で
デジタルカメラを生産するSanyo Di Solutions社も
すでに労働者1,200人を解雇したが、
引き続き解雇する予定だという。
また、トヨタ自動車の部品生産工場を運営している
Yazaki EDS Vietnam(日本)は
年初3カ月の輸出額が約1700万USDと
前年同期の31%にしか達していない。
このような状況において、同社は
Binh Duong省の工場で働いている
労働者6,300人のうち3分の1を解雇した。
ただ、HEPZAによると、
このような経済の衰退傾向は
ベトナム消費市場の困難な状況を
まだ十分に表していないとしている。
各企業は通常、
前年の契約を第1四半期末までに完了するので、
今年の第2四半期の輸出入額は
引き続き減少傾向になるとしている。
このような状況が続けば、
電子、機械製造、自動車部品加工分野などの労働者は
さらに解雇され、経済衰退による影響を引き続き受ける。
国際経済がいつ回復するか、
それは誰もはっきりと答えることはできないが、
これら各社は、このような状況が
早期に改善されると信じている。
また、ホーチミン市の工業団地で活動している
50社のうち9社は新しく労働者を雇用した。
例えば、Nidec Copalは1000人の労働者を
Kollan会社は1,200人の労働者を採用する予定である。
そのほか、40社合わせて約11,000人の労働者を
採用する需要がある。
ただし、これらの会社は、
繊維、靴、水産物加工分野で活動している企業で、
社宅の不足や通勤が不便、給与が低い、
就業環境が悪いといった面もある。
サイゴンエコノミックスタイムズ 2009年4月27日