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2011年05月13日

中国企業とのビジネス展開は損害に要注意


ベトナム企業には病的ともいえる「他人信用」の傾向が見受けられ、
ビジネス上では中国企業のずるい方法で大きな損害を被っている。


中国との貿易はベトナムにおける貿易全体の14.7%を占める。
中国はベトナムの最大輸入市場であり、アメリカ、日本に次いで
3番目の大きな輸出市場である。しかし、中国市場は複雑なことで
突出しており、生産用資材等をはじめ、全ての材料が品質に関係なく
何でも供給できる市場となっているため、中国企業とのビジネスを
展開する際は、ベトナム企業に様々な問題が生じている。

企業に死をもたらす「他人信用」の病気

先ごろ、商工省主催で行われた中国市場ビジネス紹介シンポジウムで、
ベトナムの貿易促進分野で活動する中国企業スタッフのThanh Hoa氏は
「中国企業のやり方はずるい。私の姉が働く会社には中国の広州から
ステンレスを調達する計画があったので、紹介を得て社長が中国に来て
会社を訪ね、サンプルを確認した。中国側の状況は良好だと思えたので
ベトナム側の社長は中国と契約を締結した。だが、届いた製品は種類が
違っていたので、中国側にE-mailを送信して電話でも連絡したが、
一度も回答がなかった。この場合は中国側が故意的に違う種類の製品を
調達して値段の格差で利益を得た」と話す。

Hoa氏は「私は中国企業で働いているので、姉の会社の中国サイドの
パートナーに連絡し、1ヶ月以上に渡って裁判などの圧力をかけた後に、
やっと仕入れた時の資金を返済してくれた」と続けた。

商工省アジア太平洋局のDao Ngoc Chuong局次長は「展示会に参加した
中国企業が良心的で展示製品の品質も高かったので、ベトナムの企業は
信用してすぐに調達についての交渉を始めた。基本的な合意書の結後、
ベトナム企業が工場を視察するために中国へ行った。現地では大きな
オフィスや倉庫と積極的に行われている生産活動を見て、すぐに調達の
契約を締結し、清算用のL/Cを開設したが、サイゴン港に届いたものは
自分が注文したものと違い、取引先に連絡しても返事がなく、存在すら
していないようだった。ベトナム企業は仕方なく在中国ベトナム大使館に
連絡して調査を依頼したが、大使館の方でも連絡できなかった。
ベトナムの企業は中国を再び訪ね、前に見た工場は別の会社のものであり、
中国側が体裁を整える目的で、一時的に借りたことを知った。取引した
中国側のパートナーは実在しないものだった」と述べた。

Chuong次長によると、このような被害に遭ったベトナム企業は少なくとも
3件あった。これらは全てベトナムの化学物販売会社である。
ベトナム企業は中国企業を信用している。中国側が提案した英語と中国語の
契約書の内容は、中国で紛争が発生した場合は中国側に対して有利な条項が
掲載されるが、ベトナム企業はそれに合意して署名する。問題の発生時には
ベトナム側が損をすることになるのも道理なのだ。

また、中国側と取引しているベトナム企業は規模が小さく、中国で裁判を
起こすための経費は大きい。言語の壁があり、中国の弁護士に依頼する際の
経費も高額なため、多くのベトナム企業が財政力の影響で裁判沙汰にまで
持ち込むことができなかった。


証券投資紙 2011年5月13日

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