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2012年03月29日

商工省が関門、Sabecoの戦略株主を目指す外国ビール4社


これらの4社には世界最大規模のHenikenとSab Millerも含まれ、
現在、商工省が売却株価を検討している。


今回Sabecoの外国戦略パートナーとして名乗りを上げたのは、
世界最大手の1つであるSab Miller やHeinekenに日本のキリンとアサヒ、
そしてAsia Pacific Breweries Ltdの4社である。

Sabecoにおける国有資金の代表者は、まだ商工省で決定されていない。

SabecoのIPO実行後、国有率は89%残る。SabecoはIPO後、外国投資家に
20%の追加売却を予定していたが、現状では38%まで売却が可能な状況。
売却後の国有率は51%で、国がまだ支配権を持つことになる。

購入側の選抜は株価が前提条件となる。IPOの平均株価を下回らないことが
今までの規定だったが、現在の取引株価である37,000VNDとIPOの平均株価
(70,000VND)に生じている差は非常に大きい。市場の株価で譲渡する場合、
国は14.170兆VNDしか回収できず、IPO株価での売却は6.680兆VNDの
格差が発生する。

Sabecoは長い歴史を持つ企業でブランドがあり、シェアも大きいが外国の
大手企業に70,000VNDで購入する用意があるかどうかは大きな疑問である。
Vietcombankは100,000VNDでIPOを行い、みずほ銀行に34,000VNDで株式を
売却したが、この株価は市場の取引より価格が高い。そのため、Sabecoの
株式を買収したがっている外国投資家は、市場の取引株価より多少高めで
購入することを想定しているが、IPOの株価では購入しないだろう。

最近、実施され大規模なM&A案件では、国有率が50%を超える企業の株式が
IPOの株価よりはるかに安く売却されているが、民間企業の株式は市場価格より
高額で譲渡されている。Masan グループは子会社のMasan Consumerの株式を
1株220,000VNDで売ったが、その時点でMasan Consumerの株価の取引額は
約10万VNDにとどまった。Masanは転換社債発行による2.35億USDの調達に
成功している。

外国側に対する株価の違いについては2つの理由がある。国営企業のIPOの
状況が過去と現在で違ってきたことと、市場が良い状態だった時点と長期暴落の
VN-Indexが株価に差を生じさせたことだ。しかし、Vietcombank、Sabeco等の
企業ではIPO後も国が支配権を持つ。

外国側は戦略株主としてベトナム国営企業に出資したが、拒否権がないため、
この投資は純粋な財政的投資となる。運営権がなく企業の経営にも干渉できず、
利益を優先する営業戦略も実行素可能なため、外国側は企業の株式を高額で
支払うことができない。また、Vietcombank、Sabeco等の会社には政府の政策に
従う義務があり、株主の権利に影響を受けることになる。

民間企業に投資する場合は、この問題を回避できる。Masan等の企業では株主の
権利が重要で最も尊重される。また、民間企業の運営と経営方式は市場の変動に
合わせて自主的かつ柔軟に変えることができる。

Vietcombankの外国機関に対する株式発行案件により、国営企業の民営化に関する
政府の観点は変化を見せ、1株34,000VNDで売ることによってVietcombankの株価は
IPOの平均を65%下回った。これが事実だとすれば重大問題である。同様にBIDVの
IPO株価が18,500VNDで認可されたが、2006年~2007年にIPOを実施する場合は
BIDVのIPO株価ももっと高くなるはずである。

Sabecoの場合は商工省が上記4社の候補者の中でどの企業を選抜したとしても
早急に交渉を進めなければならず、早い段階でSabecoの上場が必要となる。
SabecoのIPO参加者は損害を被っている。市場の取引株価がIPOの平均株価より
安くなっていることだけでなく、Sabecoの民営化計画が長期にわたって停止状態が
続けているからである。

Vneconomy.net 2012年3月29日

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