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2008年05月26日

株式発行予定の10社が 株式発行を中止へ


国家証券委員会(SSC)によると、
今年初めに株式を発行予定していた30社のうち、
10社が、株式発行中止の申請を行った。

株主へも売却できず

サイゴン総合サービス株式会社(Savico)の情報によると、
2007年末、同社は、2500億ドンを増資するために
職員、既存株主、筆頭株主、大株主に対して1000万株式を
追加発行するとしたが、相場の下落のため、実際に発行されたのは
筆頭株主、大株主への550万株式のみとなった。

全株式売却のため、同社は、残りの株式を
2008年第1四半期に発行する予定であったが、
相場が回復せず、2007年末に、更なる延期を決定。

450万の残株式は、戦略投資家たちに発行される予定だが、
トゥー社長は「会社の利益のために、適切な売却対象、
株数、株価、売却タイミングを図る」としている。

Savicoは、前回の発行で「売却しきれなかった」株式を
合理的なタイミングで再発行することを望んでいるが、
全タイビン株式会社(PAN)は、
700億ドンから1400億ドンに増資のための
720万株式の追加発行を、正式に延期することを公表した。

ビエンホアー製菓株式株式会社(Bibica)も
SSC宛に、第2回既存株主に対する460万株式の
発行計画を延期する書類を提出。
同様に、サイゴン繊維株式会社(SFN) も、
計画していた800億ドンの増資を中止。
今後、株式発行延期の申請はさらに増えるとみられる。

ベトナム国内で資金を調達

銀行からの融資が難航し、
証券市場を通した資金調達が困難なため、
資金難にあえぐ企業の資金調達法が見つからない。
数社は、社員や身内から資金調達をしたが、
必要な額に達していない。

証券アナリストのHuy Nam氏は、
各社が現時点で株式発行を中止することについて
「必然だ」としている。

実際、VN-Indexは400ポイント近くに下がり、
ここ3年間で最低。年初から50%下落している。
このことで、投資家たちは市況に悲観的になり、
新株への投資に二の足を踏む。

企業が資金不足に陥り、労働者の職が減ると、
国の経済に大きく影響する。
また、現在の市場の状況は
国営企業の民営化にも影響を与える。
引き続き市況が悪化すると、
証券市場を通じた資金調達がさらに困難になる。

これらの問題に直面する企業が、この困難な状況を乗り越え、
投資家たちの信頼を取り戻さない限り、
市場の回復は見込めないだろう。


青年紙  2008年5月26日


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