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2008年09月20日

FPT 売上内訳は安定するか


FPT技術投資開発株式会社は、
VN-Indexの有価株式として投資家から注目されている。
このため、FPTの営業成績がかなり話題を呼んだ。

FPTは08年上半期、かなり良い営業成績を上げたが、
果たして、第3四半期もその勢いは続くのか、
IT市場の競争激化や、経済状況苦境が続くことが予想される
第4四半期に素晴らしい営業結果を残せるか注目されている。

FPTの主な収入源は小売、システム管理、
ソフトウェア輸出、テレコム、教育である。
その他、不動産、銀行、証券等の営業活動も多少収益を上げた。
売上げの内訳を見ると、
主な収入は販売活動によるもので、売上げ全体の70%を占める。
この数字は2007年の75%より少し下げた。
次点はシステム管理とテレコム部門である。
しかし、最も売上げが大きい部門の利益率が最も低く4.33%。
反対に最も割合が低かった教育とソフトウェア開発部門の
利益率は、最も高かった。
これらの数字は下半期どのように変化していくのか。

販売・システム管理部門

販売とシステム管理は、
この数年間FPTの売上げの中で大きな割合を占めている。
中でも主に携帯電話販売部門は、
売上の中でも最大な割合を占めている。
次点では、ソフトウェアと他のIT商品の販売部門となる。

しかし、売上の最大の割合を占める
携帯電話部門は利回り率が低く、競争が激化している。
例えば、PV Telecomはハノイ、ホーチミン両市の郊外や
地方の市場を開発、
ViettelはSamsung、BlackBerry製の中級製品で販売を拡大、
Thanh Cong MobileはPanasonic製の携帯を独占販売し、
An Binh Mobileは BenQ Siemens製を独占している。
中でも一番の強敵は、ベトナム石油グループの子会社である
PV TelecomとViettelである。

このように、携帯電話販売のマーケットシェアは、
数年後にはかなり変化すると予想される。
その中で、PV Telecomは農村の市場を、
Viettel Mobileは安い携帯電話やBlackBerryブランドの市場を占め、
FPTは各大都市でSmart phone, PDA等の
高級携帯電話の市場を占めるようになる。

ソフトウェア、IT製品の販売部門でも、
CMC、Tran Anh 等の強敵と競争しなくてはならない。
国内での競争が段々激しくなると共に、
2009年から政府は、外国企業の販売分野参入を許可するため、
外国からの競争は高まる見込みである。
売上は成長を続けるだろうが、次第に失速し、
利回り率もさらに低くなる可能性が高い。

携帯電話販売の次に大きな割合を占める部門は
システム管理である。
これはFPTの伝統的なサービスである。
この部門は売上の13.69%を占めるが、利回り率は8.55%と低い。
FPT-ISはFPTグループのシステム管理会社で、
ベトナムのシステム管理分野NO.1である。
この会社は各金融機関、保険会社、
政府機関に対し、数千の案件を実施した。
現在、第2位のCMC-SIが 強くなってきており、
FPTと激しく競争している。
HP、IBM、Cisco、Microsoft、Oracle等と
パートナーになることにより、
CMC-SIはFPTにとって大きな脅威となっている。

この2部門は成長を続けているものの、利回り率が低い。
激しい競争が、売上に大きく影響し、
より利回り率の高い分野の拡大、開発迫られている。

一方利回り率が高いのはテレコムと
ソフトウェアの輸出であるが、
FPTグループの中では非常に小さな割合に留まっている。
現在、テレコム分野、特にISPは
VNPT、FPT Telecom、Viettel Telecomの戦いである。
この3社で96%シェアを占める。
残りの4%がNetNam、SPT、EVN Telecom等である。
従って、実際FPTの敵はVNPTとViettel Telecomである。
今後Viettel Telecomは、人材力や急速な成長により、
圧倒的なマーケットシェアを占め、VNPTを抜く可能性が高い。
FPTはハノイ、ホーチミン両市のマーケットにしか注目していなかった。
最近ハイフォンにも拡大したが、
この2つの敵が残りの64省に拡大し、
各地方でVNPTとViettel Telecomの一騎打ちとなっている。
戦況は、Viettelが有利。

2008年上半期の売上と利益の内訳

分野売上(10億ドル)税引き前の利益(10億ドン)利益/売上
割合計画の達成率割合計画の達成率
システム管理1187.7413.69109.79101.5516.1128.168.55
ソフトウェアの輸出299.463.45103.98106.7716.92119.3835.65
テレコム581.936.71114.18245.2638.87182.6742.15
教育54.810.63128.7324.043.81239.4343.86
販売6316.1572.79111.06273.5443.36138.44.33
全体8676.65
110630.92
121.797.27

ソフトウェアの輸出部門について。
現在FPT Softwareは失敗を繰り返してきたが、
ベトナムでNo.1のソフトウェア開発・輸出会社になっている。
現在、この分野で敵がいないため、
当然大規模ソフトウェア輸出案件が舞い込んでくる。
現時点までで2008年の契約は全て完了している。
例えば、アメリカのAgills Solution会社との350万ドルの契約、
JIPとの200万ドルのOSDC契約は2008年3月に締結された。

従って、FPTの営業活動は、大きく2つに分けられる。
1つは、技術とはあまり関係ない携帯電話の販売。
もう1つは、ソフトウェア部門である。
今後は、ソフトウェー開発やテレコムが、
FPTの主な営業分野となり、
利回り率の低い営業部門の減少を補足し、
FPT全体の発展に貢献していくだろう。

この二分野がFPTの主な営業分野となり、
売上の大きな割合を占めるまでには、
まだ時間がかかりそうである。
上場したことで、FPTの株式は上昇する。
08年上半期の営業成績から、
投資家は後半の成績にも大きく期待しているようである。
安定したインフラや明確な戦略を持つFPTは、
各株主の期待に応えることができる可能性が高い。

企業の売上と利益は株式の時価総額に大きく影響を与え、
投資家の期待利回り率に直接影響を与える。

FPTは2008年第2四半期の営業成績を公表した後、
株式が急上昇し、取引量も連続して増加している。


企業フォーラム  2008年9月18日


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