ブルーチップ ベトナム投資ニュース

Vietnam Airlinesは何故、計画通り2009年の半ばにLos Angelesまでの直行便を開設できないのであろうか。

経済環境

一番簡単な理由は経済衰退である。

つい最近に行われたベトナムテレビのインタビューに対して、
Pham Ngoc Minh-Vietnam Airlines社長は
「国際経済衰退により航空貨物輸送需要が減少しているので、
今年末までにアメリカへの直行便開設計画が実施される可能性は低い」と述べた。

ただ、Minh社長はVietnam Airlinesはアメリカへの直行便開設計画を中止することはなく、
開設時期を少し延期する、とした。

今後はマーケティング計画、飛行機の整備計画を作るための時間が必要であり、
アメリカへの直行便開設は2010年10月に実施される予定である。

国内要因

ただ、今回の延期に関するもう一つの理由はベトナム国内要因、
つまりベトナムの航空安全の監査能力向上計画と関係している。

当計画の第1フェーズは2008年中に完了し、
ベトナム航空総局 (CAAV) は現在第2フェーズと第3フェーズの実施を準備している。

Ho Minh Tan－CAAVの航空安全基準管理部長によると、
第2及び第3フェーズは今月末頃から実施開始される予定である。

第2フェーズは航空運賃に関する安全規定の実施ガイドライン策定を中心に行い、
CAAVの監査幹部に対して研修を行う。
その他、データベースの作成は第3フェーズに行われる。

アメリカ貿易開発機関はこの計画の実施に対して140万ドルを支援し、
この計画の実施が2009年末に完了される予定である。

Tan氏によると、CAAVは2010年6月にアメリカ航空機関（FAA）スタッフをベトナムへ招聘し、
この計画の実施状況について評価を仰ぐ予定である。

FAAはアメリカで活動したい外国航空会社に対して
国際民用航空機関（ICAO）及び国際航空安全監査評価計画の安全基準を従うことを求める。
その他、アメリカ交通安全機関は各外国航空会社に対して、
使用空港が航空安全に関する国際基準を満たすことを求める。

Tan氏によると、FAAは
CAAVにより1級航空安全監査能力証明書（Cat 1）を発給された航空機にしか
アメリカへの飛行を許可しない。
従って、航空安全監査能力向上計画が最大の課題となる。

この計画はVietnam Airlinesがアメリカへの直行便を開設できるか否かに対して決定的な要素である。
従って、Vietnam Airlinesはこの計画を完成するまでは
アメリカへの直行便を開設出来ない状況である。

アメリカ側のプレスリリースによると、
アメリカはVietnam Airlinesの直行便の開設計画に対して歓迎している。

アメリカ関係機関の許可を得る場合は、
Vietnam Airlinesが日本の関西空港を経由してホーチミン市からLos Angeles までの便を開設する。

航空専門家によると、アメリカ便を開設すると、Vietnam Airlinesは様々な競争に直面する。

アメリカのNorthwest Airlinesは東京からホーチミンまでの便を開設する計画がある。
Northwest Airlinesは日本からアメリカの各都市（Los Angelesを含む）への便も
既に多数開設している。

現在、United Airlinesがアメリカとベトナムの間の航空貨物輸送を実施する
唯一のアメリカの航空会社である。
United Airlines便は全て香港経由である。
United Airlinesは近年、アメリカとベトナムの間の貿易及び観光の需要が増加することにより、
既に大きな収益を得ている。

2008年にアメリカとベトナムの貿易総額は150億ドルを超え、2007年より24％増加した。