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2009年06月02日

ベトナムの自動車工業 危機に直面か


2010年を目前に、ベトナムの自動車工業の開発や
「国内化」計画が頓挫している。
自動車工業は、長期に及んで様々な優遇を受けていたが、
現在は、不合理な要求はすべて却下されており、
今後は輸入のみに頼り、国内での製造は停止となる可能性もある。
2009年3月から今日まで、自動車部品は二度、
輸入税とVATを削減された。
ベトナムの自動車工業分野は危機に直面している。


最後の「動き」

財務省はこの2年間に、6~9人乗りの自動車の特別消費税の減免を
二度却下している。

第1回目の協議は2008年に財務省と商工省の間で行われた。
この時、商工省は多目的車や運搬能力が高い車が、
国内化戦略の対象となると考えたため、
課税措置を優遇するべきとした。

第2回目では、VAMAとトヨタが財務省及び国会に
「課税制度改善」を建議 。
同2社は特別消費税が減免されないことと、
自動車の製造を中止し、100%輸入とすることを要求した。

CEPTの公約により、100%輸入車の輸入税は、
2013年までに60%減免され、2018年には0%になる。
このため、輸入車の価格が徐々に下がり、
2018年から安定する方向だ。従って、国産車は輸入車と対立する。
組立の車が優遇される場合は、売上が急増し、裾野産業も発展する。
国内化の割合が増加すれば価格も下がるため、
競争力を高めることができる。

自動車業界によると、今回の財務省の決定は
自動車会社への「優遇措置」を断ち切る動きである。
ある自動車販売会社の社長によると、
企業や消費者が、ベトナム国産車の価格や品質に対して
大変不満を抱いている。

実際、自動車会社は「製造」しておらず、
単に部品を輸入して組み立て、「利益」を母国の親会社に
送金しているだけだ。

同様の観点を持つ商工省の専門家によると、
様々な努力の結果、ベトナムは2007年に車の輸入税を
60%に下げることができたが、
6ヵ月後には企業の圧力により、再び83%に引き上げられた。

2009年3月から今日まで、自動車部品は二度、
輸入税とVATを削減された。
他にも、これらの企業は投資に対する優遇制度、
特別輸入課税、つい最近では、企業所得税制度の優遇を得られた。
ただ、これらの企業は、商品価格の引き下げを行ったか、
あるいはベトナム自動車工業の発展に貢献したかは明確にしていない。


危機が始まったか

企業の説明は一笑に付されている。
財務省大臣の発言によると、数多くの優遇制度により、
企業が車の組み立て工業しか開発できず、
自動車製造工業を開発できてない。

各管理機関は「自動車製造工業」ではなく
「自動車の組み立て工業」が開発されていることに
以前から気付いていた。実際、この危機は以前からあった。
2005年年初から、自動車の国内化の政策が目標に達せず、
危機に陥った。

この間、ベトナム企業は常に要望を提出しており、
課税政策を、自社の弱みを隠すものとして扱われていた。
この弱みはVAMAの「助言」の中に現れており、
ベトナム消費者は国内での組み立て車に注目しなくなった。
結果、4月の売上が68%減となり、
輸入車の売上が急速に増加している。

その他の重要なポイントは、
2010年及び2020年まで見込まれる、ベトナム自動車
開発戦略(国内化の割合が40%~60%、
各種の自動車に対する需要が30%~80%増)
がもう崩壊したことにもある。

今までは多くの専門家は、ベトナムの優遇政策の実施が
逆効果になったと考えている。ベトナムは自動車投資に対して、
特別な優遇制度を適用することは悪くはないが、
本来ならば平等な競争市場を作るべきところを、
企業を甘やかしてしまった。

企業は「優遇制度」を利用し、目前の利益しか考えていないため、
自動車工業の開発の、長期的な発展に貢献していない。
「優遇制度」が廃止された後、自動車の組み立て工業も終了する。



労働紙 2009年6月1日

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