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2010年11月03日

VNMとFPT 安定企業の増資姿勢


FPTは、EVN Telecomへの出資計画に対する政府承認を受け、
今後のIPOにより、EVN Telecomの
正式な戦略パートナーとなることが決定した。
VNMは現在最大のシェアを誇っているが、
新商品への投資も今後展開していく予定。


FPTとVNMは、ベトナム証券市場に上場する代表的な2社で、
外国投資家に注目されている。
上記2社は、EPSを維持することと、
増資に対して慎重さを持つことを原則的に守っている。

FPT:EPS維持が最大の懸念

FPT副社長-Phan Duc Trung氏によると、
同社は現在、ADSL分野で約30%シェアを占めているものの、
携帯電話のサービス展開が遅れている状況であるという。
商売敵であるVNPT、Viettelなどは、
3G展開を進めているが、
同社は「現在は、携帯電話サービス分野に参加するための、
ライセンスを持つ業者と提携する手段がない。」と答えている。

そのため、FPTはEVN Telecomに、
最大51%まで出資できるよう政府に要請、
EVN Telecomの再構成を進める予定である。
ただ、この2社間の投資合意書は、
商工省の認可を得る必要がある。
今回の投資は、第2世代のFPT運営チームにとって、
最重要案件となっている。

FPTは大規模案件などにより、
ベトナム全土で1年間に10億USDの売上を上げ、
年間成長率25%を達成している
そんなFPT運営チームにとって、この戦略合意は大いなる挑戦である。
特に、EPS指数を維持するためには、非常な努力が要求される。
Trung氏は「長年、FPTは現金配当(年最低25%)
での支払いを実施し続けている。
上場の時から、株主は追加出資する必要がない。
今回、EVN Telecomへの投資は、
巨額の資金を必要とするため、
運営チームは現状ルールを維持するには、
様々な事案を慎重に検討しなければならない。」と述べた。

VNM:増資を繰り返せば良いわけではない

営業活動について、
ベトナムミルク会長-Mai Kieu Lien氏は、
「国内ミルク市場でVNMは無敵である。」と豪語した。
この4年で生産量は25%増、生産能力は2倍増となっている。
以前、1日600万単位しか生産できなかったが、
現在は1,000万単位以上に増えている。
VNMは2年ほど前から、新たに4つの工場を建設する計画があり、
来年の8月には1つ目の新設工場が操業開始する予定。
新設工場の中では、子供用ミルクのラインがあり、
生産能力は現工場の5倍にもなるという。

VNMは2011年の売上目標を10億USDと定めている。
現在VNMは、全国に販売ネットワークを拡大する計画を展開中だ。
(小売販売が16万店舗)
ベトナム人のミルク消費量は、
先進諸国の平均の1/7相当に留まっており、
生産能力を上げる余地はまだ大きい。
VNMはまた、国内市場だけではなく、
中東諸国市場(主に子供用の粉ミルク、
カンボジア・フィリピンでのコンデンスミルク、
オーストラリアでの豆乳)への展開にも注目している。

先日VNMは、ニュージーランドの Miraka Limited会社に
19.3%の出資を行った。
今後、ニュージーランドでは32,000トンの
粉ミルク生産工場の建設計画があり、
投資総額は約12,100万ニュージーランドドル
(1.623兆VND相当)となる見込み。

こうした急速発展に加え、
多くの案件を同時に展開しているVNMに、
今後も増資計画はあるだろうか。
Mai Kieu Lien会長は
「増資は良い面もあるし、悪い面もある。
調達できた資金を活用できなければ、あっという間に苦境となるだろう。
2003~2009年までVNMは、1回しか増資を行ってない。
そのとき、1.7兆VNDから2倍に増資したが、
配当支払いの方式で増資したため、
株主が追加資金を出す必要がなかった。」と述べた。

VNM は利益額も大きいため、
運営チームは利益の大半を再投資に回し、
一部を配当として現金で支払った。
(2010年配当 30%と想定)
VNMは資本金の5%を追加発行し、外国市場に上場、
ブランド力アップを図り、再投資用資金を調達する計画があった。
しかし、「今はまだ適切なタイミングではない、
慌てて上場する必要もない」と判断している。

FPTとVNMは大量株式を追加発行したが、
会社の財政状況に影響を与えることはほぼないと言える。

販売分野では今まで、
FPTがNokia、Samsung、LG等大手メーカーの携帯電話販売を通じ、
大きな利益を得てきたと考えられている。
しかし、こうした企業は販売ルートを多様化し、
独自の販売ネットワークを展開していきたいと考えているため、
FPTはそれに替わり、
FPT Mobile携帯電話の販売を開始している。

年初9ヶ月でFPT Mobileは6,260億VNDの売上を達成した。
ベトナムは国内携帯電話製造ではまだ弱くい。
技術応用とデザインが
売上の決定的な要素となるのが携帯電話であることから、
FPTは携帯電話応用製品を供給する会社を設立、
世界でも一流の設計者と接する機会を増やすため、
中国で駐在事務所を開設した。



証券投資紙 2010年11月3日

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