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2011年09月29日

民営化のVNSteel 日本でパートナー探し


4年ほど前、Ha Tinh省における40~50億US規模のD鉄精製工場投資計画は
インドのTataグループとの提携で実施される予定だったが、未だに投資許可が
得られていない。


VNSteel (ベトナム鉄公社)は10月中に日本において戦略株主として投資を
誘致する予定となっている。

VNSteelは10月1日から株式会社として活動をスタートさせる。VNSteelは
日本で新日鉄、JFE スチール、東京製鉄、神戸製鋼等の大手製鉄会社並びに
住友、三井、丸紅等の商社と接見し、戦略パートナーに関しての会談を行う
予定である。

VNSteelはIPO以前に戦略パートナーの候補としてNovolipetsk steel、
Evraz Group SA、Nippon Steel Corp、Marubeni Itochu Steel Incなどの
企業名を挙げていたが、最も提携したい戦略パートナーとして日本企業を
希望している理由は、日本とベトナムの文化に共通点が多いことである。
しかし、戦略パートナーは最大29%まで株式所有が可能であり、取締役会や
運営委員会、監査委員会に参加できるため、企業経営の面において文化相反が
発生する可能性は高い。

また、VNSteelが支払える配当は年間で7%ほどだが、外国戦略投資家は
長期的投資家であり、目の前の利益についてはあまり興味を示さず、企業の
長期的な発展について関心を持っている。

VNSteelが戦略パートナーとして提携を希望している日本企業は、製鉄分野の
有名企業である。中でもベトナムに投資している新日鉄との提携には最も大きな
期待が寄せられている。2010年に新日鉄はメタルワン、伊藤忠丸紅鋼鉄、住友、
新日鉄トレーディング、阪和とともに VNSteelとの提携によって鉄パイプの
生産合弁会社を設立した。 この会社はBa Ria-Vung Tau省のPhu My I工業団地に
設置され、投資総額は4,200万USDである。ちなみに新日鉄もホーチミン市の
PEB Steel Buidingの株主になっている。

JFEスチールも質の高い製鉄工場に投資している。この工場の生産能力は年間で
600万トン~1,000万トン、投資総額が約50億USDであり、Dung Quat経済団地に
置かれている。

案件の中で最大規模なのが神戸製鋼の投資計画である。同社による10億USD規模の
投資計画は 昨年の時点でNghe An省人民委員会より投資許可を発給されており、
投資規模は10億USDとなっている。しかし、工事を予定している場所の地盤が弱く、
神戸製鋼は他の場所を探している。

VNSteelも製鉄分野では特定の有利な立場を持っている。例えば、VnSteelは南部で
37%のマーケットシェアを占め、償却期間が終了した多数の工場を保有しており、
さらには特に有形製品などでバリエーション豊富なことが挙げられる。

ただし、様々な問題が無いわけではない。VNSteelはベトナム最大の製鉄会社だが、
最近、実施されている大規模な鉄生産計画は外国投資家によるものであり、現時点で
VNSteel最大の2案件は進展があまりない。Ba Ria-Vung Tau省における7億USDの
鉄工場はインドのEssaグループとの提携によるものだが、資金調達の問題で実施が
2012年に延期された。

Ha Tinh省における40~50億USD規模の鉄工場投資計画はインドのTATAグループと
提携して実施される予定で4年前に展開したが、現在に至るまで投資許可が得れれて
おらず、特に5万4,400万トンの容量を有するThach Khe鉄鉱山を採掘する案件には
VnSteelが関与していない。

また、民間製鉄会社の急速な成長、Posco等の外国大企業が進める投資活動の展開で、
ベトナム製鉄市場での競争は激しさを増している。そのため、2025年を目安とした
鉄生産販売を中心に開発を進め、ベトナムでの上位製鉄会社であるVNSteelの目標は
達成されにくい状況となっている。

Vneconomy.net  2011年9月29日

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