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2011年11月14日

EVN Telecom買収 通信各社の思惑錯綜


EVN Telecomは民営化されたものの、
投資家への売却株式が最大でも49%に留まることとなり、
FPTが期待した60%を満たさないことから、
ごく短期間で民営化を中止、
FPTが投資資金を回収することとなった。
こうした状況を受けて、EVN Telecomをめぐり、
通信業界内での競争が激化している。


Viettel ・Hanoi Telecom・VTC-意見対立激しく

振り返ってみれば、国会会議で、
EVNの子会社EVN Telecomの大幅赤字が発表され、
誰もがその数兆VNDに及ぶ赤字額にうんざりしたのは、
つい先日のことである。
しかし、政府がViettelにEVN Telecomの受入れを指導した直後から、
同社は、通信業界の注目の的となった。

まず、Hanoi Telecomは、EVN Telecomの持つ
3G回線を買収したい。
しかしViettelはそれに激しく抵抗している。
Hanoi Telecomが、EVNのおいしい部分だけを
買収しようとしているのが見え透いているからだ。

今のところ、確かにEVN Telecomの3Gは余り活用されていない。
しかし、EVN Telecomの3Gは、
他のMobiFone、VinaPhone、Viettelよりもスピードが速い。
EVN Telecomは、他の通信会社が競争を激化させている間に、
SIM/Kitのインフラ整備に大きく投資してきた。
あるEVN Telecom 職員などは、
「買い占める理由は分からなかったが、
 一括で数万個のKitを買収した。」と話している。
EVN TelecomのSIM/Kitは割引率20%となっている。
(他の通信会社では数%に留まる)

Viettelの強硬な反対姿勢に対し、
Hanoi Telecomも、競争法を掲げて、
Viettelへの引渡しを阻止しようとしている。
Hanoi Telecomによると、このままでは、
Viettelが3G周波数の50%以上を掌握することになり、
競争法第13条2項に違反することになる、としている。

また、EVN Telecomの民営化中止後、
FPTだけではなくVTCが外された。
以前VTCは、EVN Telecom株式の30%を買収する件で交渉を重ね、
途中まで順調に進めてきたのだが、
最終的に契約には至らなかった。
VTC側はまだ、EVN Telecomへの投資を辞退してはいないのだが、
状況が非常に複雑化してしまい、
現在は、複数の会社間での競争問題になっている。

政府の公平な判断を求む

こうした状況を受けて、
政府は最終的な判断の前に、慎重な検討を求められている。
こうした案件はベトナム通信業界では前例がない。
FPT、VTC、Viettel、Hanoi Telecomなど通信企業各社の思惑が絡み合い、
先行きは不透明になっている。

EVN Telecomの職員は、
99%Viettelに引き渡しされるだろう、と考えている。
実際これが最も現実的であり、実行に移されれば
Hanoi Telecom、VTCにとっては残念な結果となる。
ただViettelが、このまま2Gと3Gの大半を掌握することになると、
他の通信会社は大きな圧力を受けることになる。

EVN Telecomの買収問題は、3社間で未だ白熱している。
どの立場から見ても、自社にとって美味しい部分を引き取りたいが、
これからの協力関係の中で、一番重要なのは、
各社の利益を調和させることである。



証券投資紙  2011年11月14日

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