徒然なるままにハノイ:テトのお話
せっかくなので、先週に引き続き、テト(ベトナム正月)の話を少々。
7日のテトが近づき、人々の正月モードも一気に上昇。
学校や会社の前には「新年あけましておめでとう」の垂れ幕が下がり、
スーパーや店も大混雑である。
前回も書いたが、テトの前になると、
みんなテトの準備と言って、
新しい服を買ったり、正月料理の準備をする。
そのために、店やスーパーは、この時期、とても忙しくなる。
特に、チマキ(もち米で作ったおかし)や
パンとカステラの中間のようなベトナム風ケーキは、売る店が多く、
カゴ入りのお菓子や、部屋を飾るための道具なども、
店の外の歩道まで、並べられている。
実際、先月のベトナムのテト需要による、個々の消費額は、
2007年12月に比べ、4.7%増加している。
それよりもびっくりするのは、
先月1月の個々の消費額が、昨年の1月に比べ、
27.4%もアップしていることだ。
これは、ベトナムの経済発展を如実に表しているのではないだろうか。
実は、それ以外にも、先月、最低労働賃金の改定があり、
多くの企業の従業員の給料が1月から上がっていることも関係していて、
給料が上がって、その勢いで、買い物に費やす金額が増えていることが挙げられる。
また、ハノイでは、昨年より寒さが厳しく、
暖房なしで生活をするのは、やはり厳しく、
30〜50$の、ヒーターや電気ストーブが、よく売れているのもその一因だ。
そして、それぞれの店やスーパーも、「今が稼ぎ時!!」と思っているようで、
レジの担当を増やしたり、
営業時間を延長して、客が少ない時間に交代で休んだり、と
それぞれのやり方で、売り上げの大幅アップを狙っている。
特に、スーパーは、テトに備えて、2ヶ月前から準備していたそうだ。
他にも、今年独特の傾向として、
液晶テレビや、洗濯機などの売り上げも倍増している。
今のベトナム人の考え方は、
「質と量に納得がいけば、値段が高くても買う」に変わってきているようだ。
その一方で、
ベトナム人は、意外と新しい物好きだったり、見栄っ張りな面も根強く、
周りの人より、いい物を持とう、という気持ちもある。
(例えば、給料100〜200$の人が、200〜300$の携帯電話を買ったり、
通常、20〜30$の桃やミカンの木で、今年は1,000$程度のものが売れていたり。)
ベトナムも日本と同じように、
あらゆる物の値段が上がっており、
特に野菜の値段の上昇は、生活に与える影響が大きい。
しかし、テトの前には、自然に財布の紐もゆるみっぱなしで、
家族が集まるから、親戚が来るからと、
食材も飛ぶように売れている。
それ以外にも、ベトナムにも、お年玉の習慣があり、
この時期に、貯金ができるのは、子供のみで、
大人に関しては、お金は財布を素通りするもの、のようだ。
渡辺 藍 (Watanabe Ai)