ベトナム出張報告レポート
ベトナム(ハノイ)出張の機会を頂きましたので、
その内容を個人的な感想を含めて報告いたします。
私は、2002年に中国(北京・西安・上海)、2004年にタイ、カンボジアへの
渡航経験がありますが、ベトナムは今回が初めてです。
以下、ベトナム初心者からの視点で記します。
■ハノイについて
①予想とのギャップ
●渡航前の漠然としたイメージ・・・タイのバンコクに似ている?
普段のニュース修正業務から見る「経済成長」や「インフラ」、
首都であるということから。
●実際・・・田舎である
タイよりカンボジアのプノンペンに近い。
理由
①世界チェーンの小売店舗がない
市街地にKFC、ロッテリアが数店舗あるのみ。
②コンビニエンスストアがない。
③高層建築物少ない。
外資系のホテル等をのぞき、高層ビルが乱立しているエリアがない。
④日系デパートがない
イオングループ、伊勢丹など
一方で、・公園や観光地の植木がきれいに整備されている
・物乞いがいない(←数年前に一掃されたらしい)
など、都心部独特の不快感はなかった。
ただ、ホーチミンは、ハノイとまったく違うとのこと。
しかし、目にしていないことは創造の域を出ないため、コメントは控える。
②ベトナム(ハノイ)人の感覚
Ⅰ南国気質
・遅刻、欠勤が当たり前の、時間に対する危機管理の薄さ
Ⅱ家族第一主義
・一人の出迎え、見送りに家族全員(10人くらい?)が参列している。
・家族の生命や健康に支障が出た場合、仕事を辞めて家族に付き添う姿勢がある。
Ⅲ安全管理
・カブ天国、ベトナム。
並走でおしゃべりをする
冷蔵庫などの重量のあるものまで、抱えて走る(ふらふらしている)
など、交通マナーに関する危機管理意識は非常に薄い。
自動車も急増しており、事故も多いらしい。
数年前に、着用が義務付けられたことから、
ヘルメットの普及率は良い。しかし、同乗している子供の着用率は低い。
頚椎に負担がかかるため親が着用させたがらない。
というのが理由らしいが、事故した場合の生存率を考えると、
むしろ子供の普及を急ぐべきだと感じた。
Ⅳ衛生管理
・ごみ分別なし。
・下水処理なし。→深刻な河川の汚染が進んでいる。
Ⅴ素朴な親切心
・オフィス近くの屋台で、フォーをテイクアウトしたいといったら、
店員さん全員で袋詰めにして持たせてくれた。
「普通ありえない」と、あとで上司に叱られた。
Ⅵ儒教感覚
・目上に敬意を払う気持ちが強い。
「先生は怖い」というイメージが強いらしい。
③外国人との関係
Ⅰ外来語の欠如
空港やみやげ物店以外では、英語もほとんど通じない。
日本で日常会話として浸透している「OK」でさえ通じないことがある。
Ⅱ外国人価格
歩き方などに掲載されている観光地では、必ず発生していた。
法外ではないが、ぼったくりも多く、特にタクシーでは、女性一人の乗車時は、
8割方割り増し運賃になってしまっていた。
④インフレについて
一般市民の生活は当然苦しく、一食抜くこともよくあるという。
道を走るバイクも、以前に比べ減っているという話だが、
初めて来た者にとっては比較対象がないため、確かな実感はなかった。
⑤今後について
・短期的な視野の改革
外国人価格の存在
バイタク・タクシーが多すぎる
簡単に転職をする
ことなどから、ベトナム人は、長期的な視野が欠如しているように感じた。
「お金を持っている人から巻き上げる」
「最小限の投資と今あるスキルのみで利益を得ようとする」ことは、
現在の生活は守れても、10年後の生活が守れるかは分かない。
これからの変化に対応するために、5年後、10年後を見通せる人間の教育が、
必要不可欠である、と感じた。
■まとめ
社会的に未成熟で、一般市民の「経済成長に備える」意識が薄い。
一方で、家族を大事にする、他の家族の心配もする、他人に親切にする、など、
人間的に非常に温かみがあった。
経済成長のためには、交通・流通・教育などのインフラ整備が欠かせないが、こう
いったベトナムらしさの残る経済成長ができれば、と思う。
個人的には、見聞を広めるという点で大変良い経験をさせていただけた。日頃の
ルーティーンワークに埋もれがちな、自分の考え方の傾向も見直すことができ、
今後の活動に活かせればと思う。
株式会社ブルーチップ・コンサルティング 森口
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