人々の活気はどこから?
この街は、とてもにぎやかだ。
で、言い方を変えれば、うるさい…。
この活気はどこからくるのだろうか。
ハノイの朝は早く、朝六時頃から
バイクの走る音やクラクションの音、パン売りの声等が聞こえてくる。
鶏に限っては、四時台から数羽ではりきっていることもあり
運悪く気付いてしまうと、そこから寝直すのに一苦労だ。
初めの頃、ベトナムは鶏までうるさいのかと思ったものだ。
家の中にいても外の音が大きく聞こえるのは、防音設備の違いもあるのだが。
私が家を出る頃には、既に朝市が始まっていて
採れたての野菜や果物、絞めたばかりの新鮮な丸鶏などが売られている。
おばさん達の話し声(ベトナムは声の大きい人が多い)や
屋台で朝食を摂る人々
また、朝っぱらから酒を飲み
気分が良くなっているおじさんグループ等を横目に
自分はといえば
時に、そのおじさんグループに何故か、「ボンジュール!」と言われ
後ろのバイクにクラクションを鳴らされ、時に、丸鶏を買わないかと聞かれ…。
これらの光景からむりやり活気を分けて貰い
ようやく1日がスタートするという感じだ。
広場では、朝の運動をする人達もいて健康的だ。
日中の街の騒がしさは言うまでもないが
これまた住宅街でも、大音量で音楽を流す家やそれに合わせて歌う声
シンセサイザー(流行っているのか?)の自動演奏が聞こえてくることがある。
テレビの音が外に漏れていることも。
そのテレビ番組が、ベトナム人が大好きなサッカーだったら大変だ。
特に、去年のアジアカップは、この音量と近所中の歓声で大変な騒ぎだった。
試合を見なくても、歓声具合で結果が想像できたくらいで
負けてしまった時の静けさといったら…。
こんな街が日中、いちばん静かになるのは昼休みの時間だ。
この国には、昼寝の習慣がある。
昼食が終わると、会社の中や店先などの日陰、バイクの上や簡易ベッドなど
眠る人々をあちこちで目にする。
ハンモックで気持ち良さそうに眠る人も。
路肩にトラックを停め
車体と近くの木にハンモックを結びつけているのには驚いた。
特に、夏のうだるような暑さの中、昼寝は重要な充電タイムだ。
そしてその時間が過ぎると、再び取り戻した活気は夕方過ぎまで続く。
夜は夜で、夜間工事のため、大きな音をたてていることもあるのだが
これに負けることなく、ハノイは夜もまた早い。
以前、ベトナム人から夜は何時くらい寝るか聞かれ、答えた時に驚かれた。
夜は十時とか十一時には寝てしまう人も多いようだ。
ハノイの活気の一因は、この早寝早起きにあるのかも知れない。
ちなみに、あるベトナム人女性が日本に住んだ時の印象は
「静かすぎて寂しいし、怖かった。」と。
う~ん。 ハノイの状況からすると、この気持ちは分かる気がする。
株式会社ブルーチップ・コンサルティング 渡辺
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