【週間分析レポート】
1) 市場全体
金を持っている経験豊富な投資家も、証券市場へ始めて参加した人も
最良な投資時点を待つため、貪欲さを抑えている。
VNインデックスは1日しか反発しなければ、皆は買いに入れ
VNインデックスを続伸させるだろう。
しかし、市場のファンダメンタルズ要素とマクロ経済が改善されなければ、
心理から出発するそのような回復は長く続きにくいだろう。
通常、優秀な投資家、或いは幸運な投資家のみ(投資家総数の10%以下)
これらのチャンスを最大限に活用することが出来る。
また、現在預金金利が高く、多くの人は銀行預金に満足しているので、
金を吸収することにおいて証券市場は銀行とは競争できないだろう。
先週、国家中央銀行からの情報により、
現在各銀行での証券投資貸付は約9兆7,000億ドンと、総貸付の0.78%相当であるという。
この数字は、指示第03号が有効になった時点(2007年8月)の証券投資貸付(26兆ドン)と比べ
約2.7倍減った。
そして同期間でVNインデックスは2.5倍下落した(900ポイントから400ポイント以下へ)。
VCB証券のデータによれば、市場の平均PER(2007年のEPSに基づく)は9.75のみであるという。
マクロ経済の影響を受けるため、多くの企業の今年のEPSは、2007年と比べかなり変化するだろう。
しかし、国会は企業所得税を28%から25%へ引下げることを承認したので、
2008年の市場の平均PER(期待)を予想する根拠が足りない。
香港上海銀行(HSBC)の最新レポートによると、危機段階では
アジア市場の最低平均PERは6~8レベルであるという。
このレベルはベトナム証券市場の2005年時点相当である。
短期には明るいことがないが、我々は下げ相場の最終段階に推移しているようである。
現在、市場の低い流動性は、投資家の市場への関心や貪欲さが死んだということとは同義ではない。
数兆又は数十兆ドンの資本を持っている多くの機関投資家は、
株を最も安い価格で大量購入するために、チャンスを待っている。
彼らはマクロ経済が明るくなった時に購入し始める可能性があるが、
通常スマートマネーは全てのことが明らかになるずっと前に、市場へ流入するだろう。
国内情報によれば、鉄鋼、セメント、肥料、米、食品の価格は下落、または止まる傾向があるということである。
そのため、6月の物価消費者指数(CPI)は、5月のCPIより低く抑えられる。
先日、JP Morganはベトナムの2008年下半期マクロ経済指数について
より楽観的な評価を出した。
”我々は政府の極力で強い行動は状況を変更することが出来ると考えている。
状況が変化すれば、ベトナムは以前の明るい時期に戻れる。
貿易黒字は大きくなり他の指数も良くなるだろう”
と、 JP MorganのチーフエコノミストであるDavid Frenandez博士はコメントした。
2) ホーチミン証取
市場取引の総売買高は663万9,990株に達し、前週比24.39%増。
しかし、総売買代金は2,060億ドンのみで前週比29.82%減。
・テクニカル分析
先週の予測通り、VNインデックスは400ポイントを簡単に突破した。
VNインデックスボリンジャー・バンドの下バンドへの接近を、継続して反発する兆しがまだない。
2007年3月12日のピーク(1170.67ポイント)から見れば、
VNインデックスは67.17%下落した。
また下落傾向が続く可能性がある。
MACDは-33.8まで下がったが、シグナル線との間隔を縮小する兆しが出ている。
RSI(14)が8.1レベルまで下落したことは、市場が大幅続落していることを表した。
歴史上、RSIがこれほど低いレベルまで下落したのは3回目である。
以前の2回は2003年4月2日と2003年10月23日であった。
しかし、その後市場は回復した。
こうした中で、3月25日から現在まで、MFIはゼロレベルで止まっている。
アールンダウンは最高なレベルで維持しているので、
市場を引下げる原動力は絶対的な優位性を占めている。
こうした中、アールンアップはゼロレベルでまだ止まっていることは
市場を引上げる力がないということを指した。
DI-線とDI+線との間の間隔は大きくなっている。
DI+はここ4年の最低レベルである5まで下落した。
一方、DI-は81へ上昇した。
これは2004年11月から現在までのDI-のピークである。
ADXは69まで上昇したので、現在の下落傾向は非常に強いと言える。
3) ハノイ証取
先週、HASTCインデックスは5営業日続落した。
前週末と比べ、HASTCインデックスは9.45ポイント(7.92%)を下げ109.86ポイントとなった。
市場取引の総売買高は504万4,100株に達し前週比43.12%減った。
総売買代金は1,203億2,000万ドンに達し前週比48.64%減った。
・テクニカル分析
VNインデックスの動向と同じく、HASTCインデックスは
ボリンジャー・バンドの下バンドに接近している。
2007年3月19日に形成したピーク(459.36%)と比べ、
HASTCインデックスは76.08%下落した。
1営業日に1.5~2%続落すれば、来週にHASTCインデックスは出発点へ戻る可能性がある。
注意したいことは、MACD線は-13.75まで上昇シグナル線を下から上へクロスした。
これは、市場が下落し過ぎ均等レベルへ回復する可能性があることを表す積極的な兆しである。
5営業日続落した後、RSIは8.6まで下落した。
一方、MFIは5月21日から現在までの最低レベルまで下落したことは、
市場へ流入する資本は維持されないということを表した。
アールンダウンとアールンアップは最高レベルと最低レベルで続けて維持しているので、
市場引下げ力は市場引上げ力を圧倒していると言える。
DI+とDI-は乖離を継続している。
しかし、DI-は81まで上昇した後、80へ小幅下落した。
一方、DI+は6まで下落した後、横ばい推移している。
ADXが69まで上がったことは、下落傾向は絶対的な優位性を占めているということを指した。
4) アドバイス
海外投資家の取引へ明らかな影響を与えた。
6月頭のここ数日、海外投資家の市場取引による売買は少なかった。
しかし、彼らの相対取引による売買高(株と債権)はかなり増加したことは、
財務能力が強く長期投資戦略がある機関投資家と、短期投資戦略がある機関投資家との間の
証券譲渡傾向を表している。
先日、アメリカのCNBCは、
VNインデックスの支持レベル320ポイントを予測するテクニカル分析レポートを公開した。
しかし、これは一時的な回復のみで、現在の下げ相場をまだ変更することは出来ないだろう。
市場の平均PERは10を下回った後(VNインデックスは約360ポイントの時)、
VNインデックスはフィボナッチの重要な支持レベル(343ポイント)へ推移する。
このレベルで買う方のサポートがなければ、投機家はVNインデックスの次の支持レベルを
より低いレベルへ引下げると予想することができるだろう。
しかし、先日報道と話した時、JP Morgan ChaseのチーフエコノミストであるDavid Frenandez博士は
ベトナムのマクロ経済要素は2008年後半に良くなるとコメントした。
特にインフレと経常赤字は大きく減少する。
よって、市場が近い将来に高値を見つかり早く回復すると信じるための根拠がある。
こうした中、変動株価率の違いのため、HASTCの銘柄はHOSEの銘柄より大きく下落した。
このことは、HASTCで買うという希望をより早くはっきりと形成させるだろう。
ハノイ証取での動向は国内投資家の特殊な心理を反映する。
ハノイ証取は良い兆しが出る時は、一部の国内投資家は心理が改善され買いを始めているという意味である。
特にHASTCインデックスは出発点である100ポイントの近辺へ戻っている。
これは、長期投資家と投機家に対する非常に敏感なレベルと考えられるだろう。
このレベルで、市場の下落傾向が終わり新しい傾向が形成する可能性がある。
しかし、HOSEの流動性がまだ低ければ、HASTCインデックスは続落するだろう。
(終)