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2008年07月21日

【金融・銀行】外貨流入 ますます増大


ベトナムの最大銀行2行であるベトナム外相銀行(VCB)と
ベトナム農業農村開発(アグリバンク)の統計によると、
年初6ヶ月で、この2行を通して流入した海外からの送金は、
12億ドル弱に達し、
前年同期比大きく増加した。
この2行の予想によれば、ドル・ドンレートは現在のように安定して、
政府は金融安定化政策や、
海外居住のベトナム人及びベトナム居住の外国人が
ベトナムで住宅を買うことを許可する政策を、適用しているので、
年末6ヶ月で、海外からの送金は、
年初6ヶ月より50%ほど増えるということである。

2008年初6ヶ月でVCBのサービスを通して、
ベトナムへ流入した海外からの送金は、
7億3,000万ドルに達し前年同期比25%、計画比15%増えた。
この楽観的な状況が続けば、
VCBは今年の海外からの送金計画(前年比15%増)を
簡単に上回れるだろう。
現在、VCBはベトナムの海外からの送金支払市場の
約20%シェアを占めている。

アグリバンクの副頭取であるファム・タイン・タン氏は、
年初6ヶ月で、
当行を通して海外からの送金は、約4億3,000万ドルに達し、
前年同期比50%増えた、と言った。
サイゴン商信銀行(STB)、アジア商業銀行(ACB)とドンア銀行等の
海外の送金を支払する他の銀行で調べたところ、
海外からの送金状況も、非常に楽観的であるという。
タン氏によると、政府の外貨管理緩和政策によって、
外貨からの送金は大きく増加したという。
こうした中、現在海外で居住しているベトナム人は、
約300万人いる。
その他、正式な送金チャンネルは、
絶えずサービス質を高め、
顧客を詳しく案内し、送金者と受取者へ便利な条件を与えるので、
顧客は、非正式な送金チャンネルから、正式な送金チャンネルへ変わった。

一方、ベトナムが
海外からの送金を大きく吸収しているもう1つの理由は、
現在為替レート政策は、かなり安定に維持され、
ベトナムと海外との間の、ドル預金金利差は
非常に魅力的であるという。
アメリカで、ドルのベースレートは年2%しかないが、
ベトナムの商業銀行でのドル預金金利は、少なくても6%を上る。
また、ベトナムドン預金金利は年間17~18%ほど高い。
よって、海外居住のベトナム人は、ベトナムの親戚に送金して、
預金してもらい、金利差を受取る場合もある。
“実際には、海外から
各銀行の外貨預金口座へ送金された大金額がある”と、
タン氏は言った。

その他、ベトナムの経済は、
年初6ヶ月に多くの困難に会ったにもかかわらず、
長期には、国際金融機関に高く評価されている。
株価、不動産の価格が、かなり低いレベルへ下落したので、
一部の海外居住ベトナム人は、
国内の親戚へ経営したり、不動産・証券を買ったりするため、
送金して借りている。

各銀行の統計によれば、ここ数年海外からの送金は、
国内人と、海外居住のベトナム人との間の
経営資本移転チャンネルとなっているという。
海外からの送金は、親戚へ援助するための僅か数百ドルのみではなく、
投資の目的のために、数万又は数十万ドルほど送られた場合もある。

海外からの送金は、大きく増加する傾向なので、
このサービスを開発している銀行は少なくない。
特に送金手数料はまだまだ高い。
また、送金者は銀行の他のサービスを
利用する可能である

タン氏は、現在アグリバンクは、
全国に広がる200支店網があると言った。
2007年中旬、同行は海外からの、
送金の支払サービス展開・管理を主な役割とした、
海外からの送金サービス部を設立した。
また、アグリバンクは、
Western Union(国際送金会社)との直接取引システムを
改良・投資し、取引スタッフの再教育を行った。
同行のメリットは現金外貨輸出が許可され、
全国に現金外貨調和センター10箇所があるため、
所属する支部・支店の現金外貨の量を、確保することが出来るという。

こうした中、VCBは顧客一人ずつへ通知メールを送り、
全国で広がる支店網で支払し、
又は顧客へ、外貨からベトナムドンへの魅力的なレートによる
両替(ATMで卸せる)をアドバイスする。

一方、ドンア銀行は、Money Gram
(全世界での1日平均送金金額は10億ドルに達するグループ)と協力し、
住宅における海外からの送金支払サービスを展開している。
ベトナム工商銀行(Vietinbank)は、
ATMキャッシュカードによる、海外からの送金支払サービスを展開している。
Western Unionは、
送金者と受取者が、全世界でこのサービスを簡単に実現するため、
World Cardの発行を予定している。
また、同社は顧客の満足度を高めるため、
インターネットによる送金サービスを導入する計画がある。
(終)


雑誌「証券投資」7月18日


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