【週間分析レポート】
1)市場全体
先週、市場を下落させた主な原因は、財務省が、
ガソリン・オイル代を引上げる決定57号を出したためである。
この決定により、A92ガソリン代は、
1万4,500ドン/リットルから1万9,000ドン/リットルへ、
ディーゼル油(0.25S型)は1万5,900ドン/リットルへ、
ディーゼル(0.05S型)は1万5,950ドン/リットルへ、
灯油は1万3,900ドン/リットルから2万ドン/リットルへ上がったという。
引上げられたガソリン代は、
東南アジア地域の他国のガソリン代に接近している
(カンボジア:2万3,253ドン/リットル、タイ:2万220ドン/リットル、
ラオス:1万9,040ドン/リットル)。
この決定は、国境近辺のガソリン密輸状態を抑制する他、
国家支出の負担を低下させると期待されている。
一方、この決定も企業のコストを増やし、
企業に生産能率向上・エネルギー省の対策を出させる。
インフレの動向
統計局によると、7月のCPIは
6月比僅か1.13%しか上がらなかった(年初から現在までの最低レベル)
にもかかわらず、この統計データは
ガソリン・オイル代を引き上げる前、計算されたため、
影響を受けなかった。
CPIへの直接・間接的な影響は、
8月と9月に起きると予想されている。
目先、政府は、政府が独占している
一部の品目の価格を安定化させることができるが、
自由市場での品目の価格を抑制するのは中々難しい。
よって、今年のインフレを30%以下に抑制するという目標は
達成し難いだろう。
現在、CPIは前年同期比27.04%上がった。
9月にこの指数は30%付近に達する可能性が高いだろう。
金利の動向
ガソリン・オイル代の高騰は
インフレへ悪影響を与えると予想されているので、
近い将来国家中央銀行は、ベースレートを引下げないだろう。
つい先日、国営銀行が貸付金利を引下げたことは、
他の銀行へまだ影響を与えていない。
国民の支出節約に伴い、企業の生産経営活動は
年末までに多くの困難に会うだろう。
海外投資家の動態
海外投資家は市場が下がる時、
株を買うという投資戦略を守っている。
この動態はSSI銘柄で最も明らかに表された。
先週、彼らはSSIの760万株以上(約3,670億ドン)を買った。
現在、SSIに対する外国人保有枠は僅か3万株しか残らない。
また、VNMに対する外国人保有枠も約27万株しか残らない。
DPM、FPT、SJS等の他の銘柄は、海外投資家に絶えずに購入されている。
2)ホーチミン証取
総売買高は5,400万株弱に達し、前週比48%減。
総売買代金は2兆2,170億ドンに達し、前週比39%減。
22日、23日の2営業日の流動性が落ちたことは、
先週の売買高・売買代金を減少させた。
※コメント
大幅下落は今週の主な傾向だろうか?
インフレが上昇、自国通貨の価値が落ち、
上場企業が悪い影響を受ける背景、
投資家の心理は揺れているようだ。
BBT株の事件によって、投資家は上場企業の財務諸表には
より慎重に対応するだろう。
銘柄によって選別化は進むが、
この選別化は市場を引上げるための力が足りないだろう。
市場は今週末まで続落する可能性が高い。
あの時、株式投資に対する信頼はマクロ経済についての心配に勝つだろう。
3)ハノイ証取
140.85ポイントで終えた。
総売買高は約2,785万株に達し、前週比38%減。
総売買代金は1兆724億ドンに達し、前週比20%減。
7月22日の営業日の流動性が急に落ちたことは、
先週の売買高・売買代金を減少させた。
先週、海外投資家は買越を継続していた。
彼らに大きな買いを入れられた銘柄はPVI、KBC、PVS等である。
※コメント
先週、KBCは続伸し特別な現象になった。
この銘柄の続伸は、HASTCインデックスの下落傾向を支えた。
銘柄による選別化は明らかに起きている。
第2四半期の業績が好調であった企業の株は
投資家の関心を惹き付けている。
(終)
出典:FPT証券