大規模対ベトナムFDI案件 懸念の声も。
年初9ヶ月で対ベトナム外国直接投資(FDI)申請額は前年同期より5倍増加。
低迷する経済状況の中、この数字は大変興味深い一方で、
FDI申請資金が確実に投資されるか、疑問は残る。
ただこれらは主に大規模な投資案件の場合であり、
ベトナムの国家の財政収支に大きな影響を及ぼしている。
FDI、大規模予算の不動産案件が大きな割合占める。
外国間接投資の大幅な減少の一方で、ベトナムは膨大なFDIを受けている。
年初9ヶ月でFDI申請額は570億ドル。
計画投資省の最新報告によると、年初9ヶ月のFDI実施額は2007年度と同様。
年初より81億ドルの投資資金が出資され、
前年同期比37.3%増加(2007年のFDI実施額は80億ドル)。
このFDI調達実績から、
ベトナムFDI資金の多くが多額の投資案件によるものであることがわかる。
年初9ヶ月間の7案件は30億ドル以上の投資資金を有し、FDI申請総額の75%。
この7案件中、3案件は特に大規模の不動産投資案件である。
その中、Bruneiの投資家によるPhu Yen省新住宅団地の案件は43億ドル、
カナダの投資家によるHo Tramリゾートが42億ドル、
マレーシアの投資家によるホーチミン市内大学案件が35億ドルの投資申請額を有する。
残りの4案件はHa Tinh省鉄工場、Ninh Thuan省鉄工場、
Thanh Hoa省及びBa Ria-Vung Tau省における2つの石油精製工場である。
各専門家は対ベトナムFDI実施率が
これらの大規模な投資案件の実施に深く関連すると言う。
FDIの中では不動産案件が大きな割合を占める。
Citibankは、不動産案件はFDI実施総額の4分の1を占めると想定。
いくつかの外国研究機関の報告書は、ベトナム不動産市場の低迷のため、今年のFDI実施額が60%減少すると掲載している。
しかしながら、ベトナムにおける大規模な不動産投資の実施状況をみる限り、このFDI申請資金が完全に実施されるか、大きな疑問が残る。
FDI案件は計画通り実施されるか、懸念の声。
投資家の目的について、実際にどうなのかという疑問と不安は多い。
貧乏なPhu Yen省では1人当たりの所得が全国の平均額より低く、
外国投資家は都心から離れた場所の案件に40億ドルもの投資をするだろうか。
マレーシアのある大企業は、ベトナムで大学の投資案件実施のため、
ベトナム国家教育予算より大きな資金を出すだろうか。
最近、公表された対ベトナムFDI案件は、実施機関がかぶる場合もあるにもかかわらず、
他国で実施される同様な案件より大規模である。
留学経験を持つ計画投資省部長クラスの役人は
「ベトナムで一番高い建物である、70階建てのKeangnam Hanoi Landmark Towerは
10.5億ドルの投資予定と公表がされたが、
世界で物価が高い都市といわれるアメリカのシカゴ市で建設された
94階建てビルの投資資金は8億ドルしかない。」
と疑問を露にする。
経済専門家によると、公表されたFDI申請資金は約束の段階のものであり、
現実に投資されたものではない。
FDI実施額の中で20%~30%はベトナム側の出資資金であり、
外国側の出資資金は銀行に送金された金額であったり、
ベトナムと外国企業が合弁会社立ち上げ後、
他の機関から借入れした金額であったりするが、それは貿易の借金で投資資金ではない。
外国で数千万ドルを借りることが難しくなり、
ベトナムで数十億ドルを出資が難しくなっているのが現状だ。
今後、我々は、国際基準に基づき、外国投資家の投資資金を詳細に分類し、
正確に計算する必要である。
また、外国投資家は、各地方の役所に印象づけをし、
早期投資許可を得たいため、又良い場所で広大な面積を有する土地を確保するため、
いきなり「投資額」を上げた場合も考えられる。
Le Dan Doanh経済専門家は「この問題について、正確で公平に分析、考察し、
結論を出す前に慎重に考えるべきであり、表面的な感情論で判断するべきではない。」
と言った。
全体的に、対ベトナムFDIの魅力的は現在及び将来のベトナムの発展と
成功に重要な要素であるが、実施期間が長いため、
経済成長に対するFDIの積極的な影響を評価するには時間がかかりそうだ。
ベトナムエコノミックスニュース 2008年10月3日