HSBC ベトナム証券への評価、いかに?
最近、香港・上海銀行グループ (HSBC)は
ベトナム経済全体及び証券市場最新報告書を公表した。
同報告書はベトナムインデックスの9月中下落及び、
今後の上昇可能性に関する二つの原因を分析。
アジア地域(日本を除く)のMSCI の下落16%より高かった。
ただ、この報告書を作成した専門家によると、
ベトナム証券市場の下落原因は世界の証券市場と違い、
世界全体の金融危機と余り関係しないという。
同報告書によると、9月ベトナム市場下落の要因は以下の二つである。
(1)株価収益率(PER)が高い
8月の回復時期の後、8月末までホーチミン市証券市場(HOSE)の
上場証券のPERは2007年利益で計算すると、平均15倍。
HSBCによると、将来のPERを計算することは困難、
各上場会社による利益の予想が大きく違う。
今まで、HSBCはHOSEの上場企業の利益成長率が今年及び2009年に10%と予測。
ただ、この予測は現実となるか。
HOSEに上場する大企業は第1四半期に利益が15%減少している。
従って、HSBCの専門家は上場企業の利益成長に関する予測を変え、
今年に-10%、来年に+20%とみている。
この予測によると、ベトナム市場の将来のPERは8月末の時点で14.8倍で、
現時点で14.6倍。同報告書によると、これらの数字は現実味を帯びている。
また、アジアのほかの証券市場ではPERの急な下落について、
ベトナム株のPERがまだ高いことが起因しているとみられている。
アジア市場全体(日本を除く)のPERは9月末の時点で平均10.3倍。
中国とインド市場のPERはそれぞれ9.4倍と12.2倍。
(2)外国投資家は株式を売却。
9月市場下落のもう一つの理由は、外国投資家が大量に株式を売却したことである。
9月は、2007年3月からの期間で外国投資家がベトナム市場で株式売却する最初の期限であり、売却総額が16600万ドルである。
HSBCによると、世界証券市場の大きな変動が外国投資家の動きに大きく影響を与えた。
ただ、この売却傾向には、他の要因も。
年初7ヶ月で外国投資家は、市場の下落状況に関係なく、
連続的にベトナムの株を購入した。HSBCによると、
ベトナム市場に対する関心が高かった2007年にベトナムの投資ファンドは数十億ドルを調達、この資金投資にかなり時間をかかる。
多くのファンドは資金を片手に大きなIPOを待った。
ただ、これらのIPOは長く延期され、上場株に投資せざるを得なかった。
従って、9月の外国投資家の売却傾向を見ると、
これら投資ファンドの資金が全部市場に投資されたことが明らかになる。
新規開設ファンドはまだないので、
今後外国投資家が大量にベトナムの株を購入しないと考えられる。
市場の発展の可能性
HSBCの予測によると、今から年末までベトナム証券市場はあまり好転しないと考えられる。
この根拠は世界全体の市場の低迷、外国投資家が不安定な市場に恐れを抱くことである。
外国投資家はベトナム市場を撤退する可能性は低い。
ベトナム証券市場に投資するファンドは全部Closing Fundであるため、
多くの現金確保は難しい。
ただ、今後株式の購入は外国投資家によって余り積極的に行われないだろう。
それに、ベトナム経済状況も市場に悪い影響を与えている。
現在、ベトナム経済成長は6.5%に下降。その他、インフレが高いので、
国家銀行が公定歩合を減少せず、証券市場が引き続き高い金利による不利な影響も存在する。
一歩、今後市場の供給源が増加する可能性もある。
政府はベトナムでNo.4 の国営銀行(Vietinbank)に、
2008年末までにIPOを実施する可能性が高い。
また、今から年末までに5億ドルの資本金を有する40社が上場予定という情報もある。
HSBCは今から年末までベトナムインデックスが450ポイントで維持、
]2009年に550ポイントに上昇と予想。
Vneconomy.net 2008年10月7日