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2008年11月13日

越企業 外国市場上場への課題


現在、多くのベトナム企業が
外国証券市場を通じての資金調達を、視野に入れている。
しかし上場には、企業努力のほかにも、
法整備や技術面での支援などが必要である。

ベトナムにも、外国市場上場のための
法律的な枠組みはある。
先日、国際証券取引所とベトナム企業間で、
外国市場上場を促進する話し合いの場も持たれたが、
まだ、正式に上場した企業は1社もない状態である。

主な課題

国家証券委員会のVu Bang委員長は、
現在ベトナム企業が直面する課題を
以下、3点挙げている。

①国際会計基準(IAS)とベトナム会計基準(VAS)の相違

実は、ベトナム会計基準は国際会計基準に
基づいて作成されている。

一番大きな違いは、資産の価値の算出方法で、
IASが市場価値で計算されるのに対し、
VASの場合は、購入時の価格で計算されるのである。

そのため、ベトナム企業、特に国営企業の場合、
民営化時に、市場価値よりも低く計算されるため、
土地使用権の範囲や所有権に関する問題が発生することになる。

Bang委員長は、
この問題は、今直ぐの解決はできないが、
段階的に、国際会計基準に合わせて、
基準を改定していかなければならない、としている。
さらに、各企業側もプロの会計コンサルティング会社を
選ぶべきである、とも話す。

②利益の確保

規定によると、もし企業がシンガポール市場に上場する場合、
3年間で連続して、最低でも
税引前利益750万ドルを達成している必要がある。
ベトナム企業がこれら企業経営や、
内部監査に関する規定に対応するのは、非常に困難である。

③法整備の遅れ、ガイドラインの不足

ベトナムには、
外国市場上場のための規定、基準、
各種許可、外貨監査政策、
株式発行に関する外貨送金、
外国投資家の保全率に関する規定がまだない。

管理機関の困難

国家銀行のNguyen Dong Tien副総裁は、
外国市場で債券を発行する企業は、
外国借款に関する規定に従う必要があるが、
外貨管理体制に関しては問題ない、と話す。

駐在者と未駐在者間で行われた
精算取引と送金は、基本的に自由に行われる。
投資に関する収入、
駐在者と未駐在者の間で行われた収益の精算は、
従来取引となり、外貨購入、両替、外国へ送金時に実施される。

この規定は、外国で発行された、
ベトナム企業の証券を購入する外国投資家に対する、
利益、配当金の支払いのための重要な法律的根拠となる。

その他、未駐在者に対する
外貨口座、ベトナムドン口座の開設と、
使用に関する規定は、
外国投資家にとって有利なものになっている。

外国で、資本証券の形で証券を発行する場合、
ベトナム企業は、信用機関一社につき
一つの外貨口座(資本証券発行用の口座)を開設し、
国家銀行規定に基づき、この口座を通じて収支を行うことになる。

この場合、発行される証券に対する
外貨管理体制は非常に簡単である。
企業が口座を開設し、口座を通じて調達した資金を
送金し、支出する、という流れだ。

また外国で、債券形式で証券を発行する場合、
ベトナム企業は、外国借款に関する
外貨管理関連の条件、手続き、規定に従う必要がある。
(通常の外国借款と同様)
外国借款・返済に関する外貨規定は、
議定No. 160/2006/NĐ-CPで具体的に掲載。

国際市場で債券を発行するベトナム企業は、
刻々と変化する各種条件に対応し、
事前に国家銀行に申請しなければならない。
国営企業は発行計画を作成後、
財務省と国家銀行の審査を通り、
管理機関へ許可発給の申請を出す必要がある。

証券保全センターのDuong Ngoc Tuan副社長は、
ベトナム企業が外国証券市場に上場すると、
管理機関にとっては、外国投資家の所有率管理が
複雑になる、との見方を示している。

また現在、ベトナムには
外国市場に上場するベトナム企業の
外国保全率に関する規定がまだない状態である。
それに、外国市場への上場割合や
ベトナム市場における外国投資家の所有率計算に関する
ガイドラインもまだない。

その他、証券保全の管理についても課題が山積している。
今の規定は、外国証券市場に上場する企業の上場条件、
報告責任、義務に対してしか言及していない。
外国市場に上場するベトナム企業の証券に対する
登録、保全、精算に関する規定はまだない。

そのため、外国証券市場上場に期待を膨らませる
ベトナム企業の理想と、法整備が未熟な現実との間の、
ギャップはまだ大きい。
準備と宣伝には、まだまだ時間が必要である。


Vneconomy.net 2008年11月13日


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