ベトナム金利 世界平均金利より高額
国家銀行は公定歩合で貸出金利上限を年間18%に下げた(以前が21%と19.5%であった)。
ただ、多くの企業によると、この数字ははまだ高すぎるという。特に輸出商品を製造する企業は特にこうした意見が強い。
市場も公定歩合の存在を重要視していない。
本来、貸出金利は公定歩合15%を超えることができない。
従って、貸出金利の上限が形成され、銀行貸出金利の基礎として機能する。
最近の公定歩合切下げが11月5日に行われ、13%から12%になったが、
さほど意味を持っていない。
この決定前に各銀行が上限金利18%以下で貸出していた。
現行の金利、高い?低い?
インフレのため(年間25%)、企業は年間20%儲かっても投資資金を確保できない。
ある人は銀行の貸出金利18%はまだ低く、預金金利が15%以下だと
預金者は資金確保のために金を購入するという。
他には次のような意見がある。
(1) 公表インフレは過去の統計数字。金利は将来性を期待し、調整される。
この二つの要素は直接関係することはない、市場が大きく変動する時は特に、だ。
例えば、3ヶ月前に原油が147USD/バレル。多くの人は原油価格が200USD/バレルになると
予想。ただ、今まで、原油価格が1バレル60USD以下に下がっている。
従って、原油価格が1バレル50USD以下になると予想。この3ヶ月で予想価格と400%も差がでている。
(2) インフレ時期に多くの人が金を保管物として選択。
ただ、金の保有者保護のために、政府は金価格をコントロールできていない。
世界変動と共に、金の価格が異常に変動している。
従って、人々は資金を金に投資しなくなっている。
(3) この数年間、ベトナムドンはUSDと比べ、
高くなったり、安くなったりしたが、
大きく変動しない。統計総局報告によると、2005年から2008年10月まで、
USD/VNDの為替レートが4.45%しか上がらない。
ベトナムドンはUSDよりさほど安くならない。
しかしなぜ、世界中でUSDの貸出金利が年間3~4%
であるのに、ベトナムでベトナムドンの貸出金利が18%にもなったのか。
企業の危機
世界経済危機による影響を受け、アメリカ、ヨーロッパ、日本等の大きな市場のの消費力が
かなり弱体化している。
中国、タイ、韓国、台湾等の大きな生産国は価格の競争強化を余儀なくされている。
技術の移転、管理方法を変更する対策を実施すると共に、企業に低金利で資金貸出することも
重要になっている。
また、世界中でベトナムと同様に高金利制度を有する国がない。
多くの企業にとって、
「倒産」の危機に対面し、もう一度己を振り返るべき時期が到来しているのだろう。
経済学は投資資金と産量増加を比較するためにICORの指標を使う。
この指標は一つの工業分野又は一国の経済の資金使用効果を評価するためのもの。
世界中でICOR指標は通常3ポイント以下だが、ベトナムではこのICORが通常5~6ポイント。
従って、ベトナムはまだ経済力は弱いが、資金使用効果は世界と比べて非常に高いといえる。
投資内容も検討するべき事柄である。
多くの企業は資金の割には大量に投資を行っている。
例えば、工場、施設に大きく投資を行われるが、
製品販売実績は芳しくなく、在庫資材を抱えてしまうというのが現状である。
多くの企業は借入資金が自己資金より多いので、
金利の経費が製品の単価に大きな割合を占める。
技術について、多くの企業は最新機材を輸入するが、
使いこなせず、工場の生産性につながらない。
企業経営もそうだが、ITの利用も同様な状況である。
それに、製品の戦略、市場の戦略もまだ不明確。
製品の宣伝、商標の宣伝は積極的に行われておらず、
製品の安全性及び消費者について余り気を配っていない。
銀行への挑戦
① 企業が困難になると、銀行の不安要素は拡大。
企業が倒産すると、銀行は借入資金回収不可能になる。
従って、企業がこの困難な時期を越えるために銀行の協力が非常に重要。
②金利を下げると、銀行は目的通り資金を貸出ができるか心配する。
このような困難な時だからこそ、資金は目的通り投資しなくてはいけないだろう。
不動産価格が前年同期よりかなり下がり、
非常に魅力的になっている。
この状況において、今は各銀行が社会をひきつけるための絶好のタイミングだといえる。
③企業の分類体制が重要に。
どのような規模での事業展開がふさわしいのか。
企業の営業分野、企業の製品、企業の市場、企業の資金源及び資金構造を分類し、
分類結果は企業の困難状況、企業の実態を評価でき、
信用支援を最も効果的に実施することができる。
「台風」が過ぎるまでに共に努力する。
企業だけでなく、銀行も資金力及び金利制度を持って企業と共に営業形式、
資金の構造、生産・営業の規模を維持しなくてはいけない。
現在、企業の強みを生かす分野に集中すべき。事業実績がでていない分野は切り離し、
在庫製品を減らし、財政状況を検査し、資金借入を最大限制限し、
緊急の必要性を持たない分野には投資しない。
ベトナムではデフレ傾向が懸念されている。
消費需要が減っているので当然物価も下げる。
物価が下がると、お金がある人はまた物を買う。
企業が製品を売れると、引き続き原料を購入し、
生産する。市場が活性化すると、物価が今度は上昇する。
そんな流れが予想される。
現在、市場変動はまだ複雑だが、雨がやむと空が明るくなる。
今の時点では銀行と企業がお互いに協力し、「台風」をのり越えるべきだろう。
Vneconomy.net 2008年11月14日