繊維分野の輸出額 95億ドルを超える可能性低
現状ではこの目標を年内に達することは非常に困難だ。
輸出市場は2009年に大変動すると予想され、
外国の顧客が「節約」しているためで、これからは国内市場の開発戦略が重視される。
国内市場は海外より安易だが、マーケットシェアの拡大はそう簡単な問題ではない。
Le Quoc Anベトナム繊維協会会長によると、
世界経済危機は過酷であり、信用活動が混乱しているため、
輸入者が政策を変更するなどして、ベトナム繊維企業が窮している。
また、一般の消費者も節約を心がけているため、繊維輸出市場は益々困難に陥っている。
08年8月・9月の輸出額は、約9億ドルに留まり、
10月も7億ドル以下だった。
An会長はこの状況について以下のように述べた。
「今年の目標95億ドルに届かない可能性が高い。
2009年の目標はまだ考えられない。
繊維製品は主に輸出しているため、外国市場が悪くなると、
すぐに影響を受ける。」
世界ランクTop10に入る繊維輸出国になるため、
ベトナム企業がしてきた努力を否認することはできない。
ベトナムはこの10ヶ月で、アメリカ市場No.3の繊維輸出国になった。
アメリカの繊維輸入額は5%減ったが、
ベトナムへの発注は20%増加している。
しかし、ベトナム繊維の原料は主に輸入であり、企業の売上はほとんどが加工料である。
従って、輸出額は高くても、ベトナム企業の収入にはならない。
外国市場から大きな影響を受けると、今後国内市場はどうなるか。
Nguyen Tieng Truongベトナム繊維グループ副社長によると、
国内市場規模は現在年間45億ドルであるが、
2010年までに、55億ドル~60億ドルに増加すると予想される。
しかし、ベトナムの繊維分野はこの15年間、主に外国市場に注目していたため
国内市場は開発していない。
国内市場のマーケットシェアは以下のようになっている。
40% 小規模の民間企業
30% 大手ベトナム繊維企業
30% 海外輸入製品
20% 中国製の製品
Truong氏は
「今後、繊維分野の取る戦略は、国内市場と輸出市場のバランスを取ることであり、
消費者に対して最良の製品を提供することだ。
ベトナムの製品はアメリカ、ヨーロッパ等の厳しい市場の要求に対応出来た。
ベトナム消費者の要求に対応出来ないはずはない。
我々は、ベトナム国内市場で最大のマーケットシェアを占められるよう努力する。」
と述べた。
Vinatexは顧客の信用を確保するため、
価格と販売ネットワーク、この2つの要素に集中して開発する。
ベトナムの人口は8000万人以上であり、
その多くは低収入で、年収平均は400USD~500USDである。
従って、消費者は主に合理的な価格の製品にしか注目せず、質を求めることは少ない。
Truong氏によると、GDPが年間1人当たり2000USDになる際に、
質の高いブランド製品を販売し始める。
現在、各企業は経費を節約し、合理価格の製品を製造している。
Vinatexの販売ネットワークについては、現在54店舗から今後さらに拡大する予定である。
上記の分析が合理的だと評価されるが、それは充分な評価ではない。
市場研究会社によると、ベトナム消費者は主にベトナム製品を使いたがるが、
単にまだ選択肢がないだけだ。
中国から輸入された製品はベトナム製品より安く、デザインが良い。
中・高級製品については、ベトナム製品の方が中国製より高く評価される。
顧客もあまり価格については考えていないためで、
例えば、Viet Tien会社は一枚100万ドンのシャツを大量に売り、
An Phuoc会社はPierrer Cardinの商標で大量のシャツを販売した。
ベトナム繊維協会によると、
2008年Viet Tienの国内市場における販売売上が4500億ドン以上に達した。
従って、国内市場に投資する企業が損をすることはないだろう。
証券投資紙 2008年11月17日