越証券会社 淘汰の時代へ
APEC証券投資分析部は、市場低迷期の現在、
事業成績や規模が上位20位までの証券会社しか
生き残りは難しいとの見解を示した。
現在100ある証券会社のうち、
70%~80%が活動規模を縮小しているという。
2007年は証券会社の数と比べても取引件数が多く、
1社当たりの取引総額は大きく黒字となっていた。
しかし、2008年に入ると、
証券会社数が増加し続けるのに対し、取引数が減少し、
1社当たりの取引総額が減退する傾向になっている。
困難に直面
2007年証券会社トップ5の、税引後利益は次の通りであった。
・SSI 8,640億ドン
・ACBS 3,320億ドン
・BVSC 2,140億ドン
・KLS 1,260億ドン
2008年に入り市場が暴落すると、
証券会社は、大きな危機に直面した。
年初9ヶ月の会計報告では、これらのトップ5のうち、
大きく黒字となったのは、SSIのみで、
税引後利益 2,300億ドン(計画の49.36%)であった。
・KLS 税引後利益 36億ドン
・BVSC 赤字 約3,000億ドン
原因には、市場下落により、投資家の多くが
活動を控えるなかで、証券会社の数が増加していることが挙げられる。
仲介部門の売上は活動経費をカバーできず、
自己売買や他部門の売上は軒並み赤字となっている。
HOSEとHASTCの数値を計算すると、
2008年10月末までの、市場の取引総額は
156.966兆ドンで、月平均15.696兆ドンであった。
1ヶ月あたりの証券会社全体の取引総額は、
購入、売却の両取引合わせて、
15.696兆ドン x 2 = 31.393兆ドンである。
上位証券会社のマーケットシェアを除き、
1社の取引総額は平均31.393兆ドン:99社=3,170億ドンである。
また、多くの証券会社、特に新設証券会社は
取引手数料を免除、割引、支援等のキャンペーンを実施した。
従って、各証券会社の取引手数料は、取引額の0.2%以下であるが、
各取引所(HOSEとHASTC)に清算する必要経費は0.03%となる。
(2008年6月13日より適用、以前の0.05%の代わり)。
毎月の取引総額、取引手数料、取引経費等を計算すると、
1社の証券会社の仲介部門売上は。
3,170億ドン×(0.2%-0.03%)=5.39億ドンである。
ただ、1ヶ月の経費
(オフィス借料、社員の給料、設備の償却、他の経費など)は
平均15億ドン~20億ドンで。
結論
今後、ベトナムだけでなく、国際金融市場が改善されない場合、
多くの証券会社が経営困難に陥り、倒産する可能性が高い。
生き残れるのはトップ20社ぐらいであろう。
政府の支援が必要
今後、一連の各証券会社間で合併がはじまるだろうか。
また、各証券会社が現状を乗り越えるため、
どのような対策を実施するべきか。
Nguyen Thanh Ky証券投資家協会(VASB)事務局長は
「証券会社は現状の困難に関わらず、
今後合併することはない。」と言った。
現在ベトナム証券会社だけではなく、
世界のCity Group等大規模金融機関も、
政府の支援を求めている。
今後、政府がどのような対策をするかが重要になってくる。
NguyenThanhKy事務局長は、
証券投資家に収益税を適用するには、まだ早い。
納税を求めると、投資家が大量に株式を売却し、
市場がさらに混乱する、と話している。
国家証券委員会は、課税措置を検討すると共に、
各証券会社に対し、派生商品の開発を協力するべきである。
現状に対応するため、現在多くの証券会社が活動規模を縮小し、
社員をリストラし、支店や代理店の閉鎖が相次いでいる。
証券会社の負担を軽減するには、
国家証券委員会の支援が不可欠である。
まず、国家証券委員会は各証券会社に対する取引経費、
ラインの使用経費を軽減し、
取引管理用のカメラ整備の規定を廃止、
取引用の面積を現在の200平米以下に下げるべきである。
現在、市場では株式売却が横行している。
商品の供給源は、連続的に増加するが、購入需要が急減しているため、
市場は下落が続いている。
投資経験の豊富な者は、長期的に見て資金損失を軽減するため、
市場を撤退しつつある。
その一方で新規投資家の活動が鈍いため、
証券会社はさらい困難に陥ることになってしまっている。
証券会社の問題を軽減するには、
各政府管理機関の支援が不可欠である。
企業フォーラム週刊誌 2008年12月5日