ベトナム証券市場の中期展望
ベトナム証券市場の今後を中期的に予測するには、
市場を取り巻く現下の情勢を分析する必要がある。
現在、証券市場の状況を左右する環境要因は、
下記のようなプラス要因、マイナス要因がある。
証券投資紙 2009年2月20日
市場を取り巻く現下の情勢を分析する必要がある。
現在、証券市場の状況を左右する環境要因は、
下記のようなプラス要因、マイナス要因がある。
【市場を左右する6つのマイナス要因】
(1)「バブル」崩壊
ベトナム証券市場は去年1年間で、世界で最も暴落した市場ともいえる。
2006年末から2007年末にかけてベトナム証券市場は熱狂し、
実体経済を反映しない単なる「バブル」相場であった。
また、多くの企業自身が上場株及び未上場株に投資したが、
これがベトナム経済の発展に良い影響と共に悪い影響も与えている。
個人投資家、機関投資家ともに自己資金の数十パーセントを損失したため、
当初資金力を取り戻すには数年かかるはずであり、
取り戻せないケースも少なくないであろう。
相場は80%下落したため、投資家は当初資金の平均500%を損失したことになる。
これは例えば、最初に10万ドンの株価で株を購入した投資家は、
株価が80%下落して2万ドンとなった結果、
今後株価が500%上昇しないと投資資金は戻ってこない、ということである。
ベトナム証券市場の「バブル」が崩壊した今、
株式投資した多くの企業が資金を失った。
現時点では企業は生産拡大のための借入需要はない。
銀行の貸出金利が非常に低く、また政府の支援策が実施されたとしても、
今は企業にとって魅力的ではないのである。
(2)経済の減速
ベトナム経済は、成長力減少の入り口に立っている。
各統計資料によると、輸出額は急減、前年同期より24.2%減少した。
直接投資も急減、間接投資も減少傾向である。
ベトナム国内への投資資金は前年より急速に減少する。
また、製造用のチェーン、機材、設備の輸入額も前年より急減している。
(3)赤字とディスクロージャー不足
上場企業及び未上場企業の大半の決算結果が投資家の期待に満たない。
大赤字になった企業も少なくはないが、これらの企業はまた、
投資家に対して正確な情報を提供していない。
多くの企業は年度末の2008年12月31日まで赤字を隠した。
上場企業のディスクロージャー不足と情報そのものの不透明性が、
長期志向の投資家に大きな損失を被らせたため、
今後の証券市場の発展に悪い影響を与えるに違いない。
(4)証券会社の淘汰
証券会社数社の自己売買部門が他の会社に吸収合併されるため、
大量の保有株式を売却する。
国際金融危機の影響により、中小証券会社はもとより、
自己売買に大金を投じた大手証券会社が今後平常の活動を維持できない状況になるため、
現在保有している株式を現金化し、合併又は倒産するであろう。
(5)国際経済の停滞
国際経済の回復はすぐにできることではない。
アメリカ、ヨーロッパ、日本、中国等の大国では経済支援策が実施されているものの、
効果が出るまで時間がかかる。
また、経済弱体化の度合いによって効果が出る期間が変わってくるだろう。
アメリカ、ヨーロッパ、日本等の経済大国が回復するまでに後1年以上かかりそうである。
それもまた、ベトナム証券市場の中期的な影響を与える要素である。
(6)電力料金の値上げ
2009年3月1日から電気料金が約9%上がり、企業のコストが増加する。
企業は販売単価を上げざるを得ず、ベトナム商品の価格競争力が弱くなる。
特に、国際経済が衰退している現在、ベトナム企業の国際競争力にとって痛手である。
【プラス要因】
ベトナム証券市場に対する最大のプラス要因は、政府の10億ドル経済支援プログラムである。
製造業に対する銀行の貸出金利補助、法人税の減免等である。
ただ、これらの対策の効果も中期的なものであろう。
アメリカ政府による7870億ドルの経済支援策はプラス要素だが、
これも中期的施策であり、アメリカ経済がすぐに回復するわけではない。
【時間はべトナム証券市場回復の薬となるか?】
上記のベトナム証券市場に影響を与える要素を見ると、
ベトナム証券市場は中期的に下落傾向である。
アメリカ、ヨーロッパ、日本は経済衰退を抑制できるだろうが、
ベトナム政府の対策が効果を表すまで、ベトナム証券市場は回復できないだろう。
今後は、企業の適切なディスクロージャーを行うこと、
また上場企業が収益を上げることが証券市場の発展に対して大きな影響を与えることになる。
上場企業が投資家対応を改善しなければ、
芽が出たばかりのベトナム証券市場は弱体化せざるを得ない。
(1)「バブル」崩壊
ベトナム証券市場は去年1年間で、世界で最も暴落した市場ともいえる。
2006年末から2007年末にかけてベトナム証券市場は熱狂し、
実体経済を反映しない単なる「バブル」相場であった。
また、多くの企業自身が上場株及び未上場株に投資したが、
これがベトナム経済の発展に良い影響と共に悪い影響も与えている。
個人投資家、機関投資家ともに自己資金の数十パーセントを損失したため、
当初資金力を取り戻すには数年かかるはずであり、
取り戻せないケースも少なくないであろう。
相場は80%下落したため、投資家は当初資金の平均500%を損失したことになる。
これは例えば、最初に10万ドンの株価で株を購入した投資家は、
株価が80%下落して2万ドンとなった結果、
今後株価が500%上昇しないと投資資金は戻ってこない、ということである。
ベトナム証券市場の「バブル」が崩壊した今、
株式投資した多くの企業が資金を失った。
現時点では企業は生産拡大のための借入需要はない。
銀行の貸出金利が非常に低く、また政府の支援策が実施されたとしても、
今は企業にとって魅力的ではないのである。
(2)経済の減速
ベトナム経済は、成長力減少の入り口に立っている。
各統計資料によると、輸出額は急減、前年同期より24.2%減少した。
直接投資も急減、間接投資も減少傾向である。
ベトナム国内への投資資金は前年より急速に減少する。
また、製造用のチェーン、機材、設備の輸入額も前年より急減している。
(3)赤字とディスクロージャー不足
上場企業及び未上場企業の大半の決算結果が投資家の期待に満たない。
大赤字になった企業も少なくはないが、これらの企業はまた、
投資家に対して正確な情報を提供していない。
多くの企業は年度末の2008年12月31日まで赤字を隠した。
上場企業のディスクロージャー不足と情報そのものの不透明性が、
長期志向の投資家に大きな損失を被らせたため、
今後の証券市場の発展に悪い影響を与えるに違いない。
(4)証券会社の淘汰
証券会社数社の自己売買部門が他の会社に吸収合併されるため、
大量の保有株式を売却する。
国際金融危機の影響により、中小証券会社はもとより、
自己売買に大金を投じた大手証券会社が今後平常の活動を維持できない状況になるため、
現在保有している株式を現金化し、合併又は倒産するであろう。
(5)国際経済の停滞
国際経済の回復はすぐにできることではない。
アメリカ、ヨーロッパ、日本、中国等の大国では経済支援策が実施されているものの、
効果が出るまで時間がかかる。
また、経済弱体化の度合いによって効果が出る期間が変わってくるだろう。
アメリカ、ヨーロッパ、日本等の経済大国が回復するまでに後1年以上かかりそうである。
それもまた、ベトナム証券市場の中期的な影響を与える要素である。
(6)電力料金の値上げ
2009年3月1日から電気料金が約9%上がり、企業のコストが増加する。
企業は販売単価を上げざるを得ず、ベトナム商品の価格競争力が弱くなる。
特に、国際経済が衰退している現在、ベトナム企業の国際競争力にとって痛手である。
【プラス要因】
ベトナム証券市場に対する最大のプラス要因は、政府の10億ドル経済支援プログラムである。
製造業に対する銀行の貸出金利補助、法人税の減免等である。
ただ、これらの対策の効果も中期的なものであろう。
アメリカ政府による7870億ドルの経済支援策はプラス要素だが、
これも中期的施策であり、アメリカ経済がすぐに回復するわけではない。
【時間はべトナム証券市場回復の薬となるか?】
上記のベトナム証券市場に影響を与える要素を見ると、
ベトナム証券市場は中期的に下落傾向である。
アメリカ、ヨーロッパ、日本は経済衰退を抑制できるだろうが、
ベトナム政府の対策が効果を表すまで、ベトナム証券市場は回復できないだろう。
今後は、企業の適切なディスクロージャーを行うこと、
また上場企業が収益を上げることが証券市場の発展に対して大きな影響を与えることになる。
上場企業が投資家対応を改善しなければ、
芽が出たばかりのベトナム証券市場は弱体化せざるを得ない。
証券投資紙 2009年2月20日