越航空市場 民間企業の競争は困難
現在、ベトナムでは
航空会社の設立は
比較的容易になっているものの、
ベトナム市場において
民間航空会社が生き残ることは
さほど簡単なことではない。
サイゴンエコノミックスタイムズ 2009年12月11日
航空会社の設立は
比較的容易になっているものの、
ベトナム市場において
民間航空会社が生き残ることは
さほど簡単なことではない。
現在、ベトナム国内で
空路を持つ航空会社は
Vietnam Airlines(VNA)、
Vasco(VNAとの合弁会社)、
Jestar Pacific(JPA-外国合弁会社)、
Indochina Airlines(民間、活動停止中)の
4社である。
その他、Vietjet Air
(ハノイ、2010年5月に開設予定)、
Mekong Air(Kien Giang省)の
民間航空会社2社も設立許可を発給されたが、
生き残りが難しい状態である。
異常な状態
従来のベトナム航空業界の活動は
異常な状態であるといえる。
2008年末にJPA航空会社が幅広く宣伝、
ベトナム各地の便を開設するなど、
一連のサービス提供開始するとともに、
「大幅割引券」の販売キャンペーンを実施した。
だが、同時に同社は、2008年末に
1日10億VND以上、1カ月200万USDの
赤字といった状況にあり、
2008年8月末までの累計赤字も
5,000万USD以上になることを発表した。
次いで、Indochina Airlines航空会社が
経営難に陥り、所有機材がわずか1台となり、
燃料費に負担よる大幅な借り入れなどにより、
2009年11月までの借入高が300億USDとなった。
最終的にIndochina Airlineは
最後の機材であるBoeing 737-800を
パートナーに返却したが、これは
Vietnam Airlines-Pham Ngoc Minh社長の
判断によるところが大きいといわれる
このような状況はまだ続くと思われるが、
ベトナム航空業界の営業は
数カ月間で数千~万億VNDもの
赤字を生み出しているのに
なぜ、JPAは赤字の要因となる
大幅割引券のいまだ販売しているのか、
そして、航空会社の設立申請が
相次いで提出され続けるのか
疑問を持たざる得ない。
現在、ベトナムでは
航空会社設立の審査が簡素化され、
2000億VNDをあれば誰でも
国内で航空運搬を営業可能で、
また、5000億VNDあれば
国際運搬にも参入できる。
そのため、現在、
これらの条件を満たす
機関投資家や個人投資家が
この業界に参入を続けているのである。
ただ、ベトナムにおいて
航空運搬の顧客が開拓できるか否か、
また、民間航空会社が生き残れるかは
まったく別の問題である。
企業活動において赤字にならないためには、
財政能力だけではなく、
経営のスキルや経験が不可欠である。
また、小規模の民間航空会社は
国内市場の需要に大きく依存し
そして、影響されるのである。
旨みは少なく競合は激しい
現在、ベトナムでは
国内航空市場の規模は
旅客数年間900~1000万人にしか
達さない状況である。
また、2009年の前半9カ月では
国内市場の旅客数は643万人であった。
そのうち、
Vietnam Airlines(VNA)が
4,533,000人と約70%を占め、
Vasco、Jestar Pacific、Indochina Airlinesの
残りの3社は、合わせて200万人/約30%しか
獲得できなかったのである。
2010年初旬の設立許可を既に発給された
VietJet AirとMekong Airも
民間航空会社として活動を開始する予定だが、
基本的には先行の各航空会社と
同程度のシェアを占める必要がある。
今後どのような競争が展開されるか?
VNAは、
アジア太平洋地域で25位、
世界全体で85位に位置づける。
また、2008年には航空機49機を保有し、
ベトナム全国に29カ所、
世界に40カ所に就航している。
さらに、VNAは
機内事、渡航保険、燃料、印刷、通信サービス、
オフィス、インフラ施設等の分野で
営業を展開している。
このように、潜在的パワーが大きく、
さらに、国際航空協会(ICAO)、
国際運搬機関(IATA)の構成員でもあるVNAは、
間もなく、スカイチームへの加盟を予定しており
政府による資金協力や
特別な優先制度も得ていることもあり、
国際的にはその位置付けはまだ低いものの、
ベトナム国内市場では
他社が太刀打ちできないほどの
強い競争力と支配力を握っている。
しかし、ベトナムには、
大規模航空会社として
Jetstar Pacific Airlines (JPA)が誕生した。
JPAは数台の中古航空機を利用し
年間80~100万人の顧客が獲得した。
また、実際の状況を見ると、
VNAはJPAと競争できないような
状況になっている。
国営資金運営公社―SCICは
JPAの経営資源の70%を所有し、
親会社―Quantas(豪)の財政力と商標は
VNAより数百倍も違う。
特に、 JPAはJetstar Airwayの商標を掲げつつ、
他社では想像できないような安いチケットを販売し、
営業活動全般においても
大量な資金を支出、
幅広い宣伝と地上サービスにより
市場を開拓したのである。
また、JPAの目的の一つは、
アジア地域内でその商標を
幅広く宣伝することである。
Quatasのためにベトナムでの集客を行い、
利益そのものには固執していないのである。
そのため、大方の予想として
JPAの役員の収入は
営業成績とは連動しないと考える。
例えば、2008年末には
JPAは月200万USDの損失を出し、
累計赤字が5,000万USDになったと発表したが、
JPAの役員は年間67万USDの給与を得ているのだ。
このような、圧倒的な財政力を持ち、
営業成績について強く求めない航空会社と
どう競争すればいいのだろう。
幅広い層から集客するといった戦略
このような背景にも関わらず
航空会社の設立申請が
届けられているという。
2007年5月9日付政府議定No.76は
外国サイドがベトナムの航空会社を
49%まで所有できると規定した。
この割合は、発展潜在力が大きい
ベトナム国内市場進出を希望する
外国会社にとって魅力的な数字である。
また、世界的に見ればどの国も
国内航空運搬分野においては、
外国企業が他国の国内航空運搬市場に
参加することは困難である。
例えば、大市場のアメリカにおいても
2008年5日にやっと
EUの航空会社がアメリカの航空会社に
最大25%出資可能になったのである。
そのような状況において
ベトナムでは、外国側が
49%まで出資できることは
非常に大きな魅力である。
そして、ベトナムの顧客を集めるため、
ベトナムの航空会社に出資する意欲も大きい。
例えば、ベトナムのPacific Airlinesは
2004年の資本金が-3000億VNDであったが、
外国側に譲渡する際は
1.5億USDで計上された。
このように、現在の環境下で
生き残れないベトナムの民間航空会社にとって
外国サイドに株式を譲渡することが
最も簡単な手段であるといえよう。
空路を持つ航空会社は
Vietnam Airlines(VNA)、
Vasco(VNAとの合弁会社)、
Jestar Pacific(JPA-外国合弁会社)、
Indochina Airlines(民間、活動停止中)の
4社である。
その他、Vietjet Air
(ハノイ、2010年5月に開設予定)、
Mekong Air(Kien Giang省)の
民間航空会社2社も設立許可を発給されたが、
生き残りが難しい状態である。
異常な状態
従来のベトナム航空業界の活動は
異常な状態であるといえる。
2008年末にJPA航空会社が幅広く宣伝、
ベトナム各地の便を開設するなど、
一連のサービス提供開始するとともに、
「大幅割引券」の販売キャンペーンを実施した。
だが、同時に同社は、2008年末に
1日10億VND以上、1カ月200万USDの
赤字といった状況にあり、
2008年8月末までの累計赤字も
5,000万USD以上になることを発表した。
次いで、Indochina Airlines航空会社が
経営難に陥り、所有機材がわずか1台となり、
燃料費に負担よる大幅な借り入れなどにより、
2009年11月までの借入高が300億USDとなった。
最終的にIndochina Airlineは
最後の機材であるBoeing 737-800を
パートナーに返却したが、これは
Vietnam Airlines-Pham Ngoc Minh社長の
判断によるところが大きいといわれる
このような状況はまだ続くと思われるが、
ベトナム航空業界の営業は
数カ月間で数千~万億VNDもの
赤字を生み出しているのに
なぜ、JPAは赤字の要因となる
大幅割引券のいまだ販売しているのか、
そして、航空会社の設立申請が
相次いで提出され続けるのか
疑問を持たざる得ない。
現在、ベトナムでは
航空会社設立の審査が簡素化され、
2000億VNDをあれば誰でも
国内で航空運搬を営業可能で、
また、5000億VNDあれば
国際運搬にも参入できる。
そのため、現在、
これらの条件を満たす
機関投資家や個人投資家が
この業界に参入を続けているのである。
ただ、ベトナムにおいて
航空運搬の顧客が開拓できるか否か、
また、民間航空会社が生き残れるかは
まったく別の問題である。
企業活動において赤字にならないためには、
財政能力だけではなく、
経営のスキルや経験が不可欠である。
また、小規模の民間航空会社は
国内市場の需要に大きく依存し
そして、影響されるのである。
旨みは少なく競合は激しい
現在、ベトナムでは
国内航空市場の規模は
旅客数年間900~1000万人にしか
達さない状況である。
また、2009年の前半9カ月では
国内市場の旅客数は643万人であった。
そのうち、
Vietnam Airlines(VNA)が
4,533,000人と約70%を占め、
Vasco、Jestar Pacific、Indochina Airlinesの
残りの3社は、合わせて200万人/約30%しか
獲得できなかったのである。
2010年初旬の設立許可を既に発給された
VietJet AirとMekong Airも
民間航空会社として活動を開始する予定だが、
基本的には先行の各航空会社と
同程度のシェアを占める必要がある。
今後どのような競争が展開されるか?
VNAは、
アジア太平洋地域で25位、
世界全体で85位に位置づける。
また、2008年には航空機49機を保有し、
ベトナム全国に29カ所、
世界に40カ所に就航している。
さらに、VNAは
機内事、渡航保険、燃料、印刷、通信サービス、
オフィス、インフラ施設等の分野で
営業を展開している。
このように、潜在的パワーが大きく、
さらに、国際航空協会(ICAO)、
国際運搬機関(IATA)の構成員でもあるVNAは、
間もなく、スカイチームへの加盟を予定しており
政府による資金協力や
特別な優先制度も得ていることもあり、
国際的にはその位置付けはまだ低いものの、
ベトナム国内市場では
他社が太刀打ちできないほどの
強い競争力と支配力を握っている。
しかし、ベトナムには、
大規模航空会社として
Jetstar Pacific Airlines (JPA)が誕生した。
JPAは数台の中古航空機を利用し
年間80~100万人の顧客が獲得した。
また、実際の状況を見ると、
VNAはJPAと競争できないような
状況になっている。
国営資金運営公社―SCICは
JPAの経営資源の70%を所有し、
親会社―Quantas(豪)の財政力と商標は
VNAより数百倍も違う。
特に、 JPAはJetstar Airwayの商標を掲げつつ、
他社では想像できないような安いチケットを販売し、
営業活動全般においても
大量な資金を支出、
幅広い宣伝と地上サービスにより
市場を開拓したのである。
また、JPAの目的の一つは、
アジア地域内でその商標を
幅広く宣伝することである。
Quatasのためにベトナムでの集客を行い、
利益そのものには固執していないのである。
そのため、大方の予想として
JPAの役員の収入は
営業成績とは連動しないと考える。
例えば、2008年末には
JPAは月200万USDの損失を出し、
累計赤字が5,000万USDになったと発表したが、
JPAの役員は年間67万USDの給与を得ているのだ。
このような、圧倒的な財政力を持ち、
営業成績について強く求めない航空会社と
どう競争すればいいのだろう。
幅広い層から集客するといった戦略
このような背景にも関わらず
航空会社の設立申請が
届けられているという。
2007年5月9日付政府議定No.76は
外国サイドがベトナムの航空会社を
49%まで所有できると規定した。
この割合は、発展潜在力が大きい
ベトナム国内市場進出を希望する
外国会社にとって魅力的な数字である。
また、世界的に見ればどの国も
国内航空運搬分野においては、
外国企業が他国の国内航空運搬市場に
参加することは困難である。
例えば、大市場のアメリカにおいても
2008年5日にやっと
EUの航空会社がアメリカの航空会社に
最大25%出資可能になったのである。
そのような状況において
ベトナムでは、外国側が
49%まで出資できることは
非常に大きな魅力である。
そして、ベトナムの顧客を集めるため、
ベトナムの航空会社に出資する意欲も大きい。
例えば、ベトナムのPacific Airlinesは
2004年の資本金が-3000億VNDであったが、
外国側に譲渡する際は
1.5億USDで計上された。
このように、現在の環境下で
生き残れないベトナムの民間航空会社にとって
外国サイドに株式を譲渡することが
最も簡単な手段であるといえよう。
サイゴンエコノミックスタイムズ 2009年12月11日