2009年 ベトナム経済総括
前年に比べ、輸出額や在外送金が減っているにも関わらず、
年初から実施された景気刺激策も受けて、
2009年のベトナムGDP成長率は楽観的数値となった。
その、主な経済的要因とはどのようなものがあったのだろうか。
Vneconomy.net 2009年12月25日
年初から実施された景気刺激策も受けて、
2009年のベトナムGDP成長率は楽観的数値となった。
その、主な経済的要因とはどのようなものがあったのだろうか。
(1)景気刺激策の成功
経済危機の影響から、ベトナム経済成長も急減、
2009年第1四半期は最悪の状況になった。
しかし、年初から実施された経済対策が効を奏し、
第2四半期末からは回復傾向に。
その間政府は金利支援制度、税金減免等の対策を実施してきた。
政府の需要引き上げ政策は、経済衰退の影響を緩和した。
世界銀行の評価によると、
ベトナム経済はアジア地域で最も早く危機を乗り越えたという。
(2)GDP成長好調、インフレ上昇率10%以下に抑制
経済危機による影響が小さくはないが、
ベトナムのGDP成長率は各四半期にそれぞれ
3.1%、4.5%、5.8%、6.8%と、好調を保っていた。
2009年のGDP成長率は最終的に5.2%に達し、
国の計画(5%)にも合致する見込みとなっている。
それに併せて、政府は引き続きインフレ抑制政策を実行してきた。
それにより2009年のインフレは平均7%以下に抑えられた。
その中で、2009年はベトナムの輸出額が大きく減った。
ただ、輸入額の減少もあって、輸入超過額は約110億USDとなり、
2008年より60億USD減となった。
これは貿易収支の改善としては、歓迎すべき現象である。
(3)日本のODA再開
対越ODAに関する汚職事件発覚後、
今年2月になって、日本はODA援助を再開した。
さらに、2009年はベトナムが大きなODA資金を得た年でもあった。
今年のODA締結額は58億USD、
実施額は約30億USDを達すると予測されている。
2009年末に行われたCG会合において、
Nguyen Tan Dung首相は
「ベトナムは常にODA資金を尊重し、責任を持って制約を実施する。」と述べた。
(4)中央政治委員会 国内製品の消費を喚起
中央政治委員会が発動した「国内製品消費拡大」キャンペーンが、
実際の効果を伴ってきている。
政府は、国内市場拡大のため、国内貿易促進プログラムを実施、
国内市場の開発促進体制の政策整備に510億VNDを出資した。
これを通じて、国内生産企業は自社の能力を評価し、
外国商品に対抗できる品質向上と価格設定をより強く考えるようになった。
近い将来、中央政府の喚起がなくても
自国製品が注目を集めるようになるだろう。
(5)金価格の大変動
2009年、金市場は記録的な大変動に揺れた。
年初、金は874 USD/ounceで取引されていたが、
11月11日には-1.100 USD/ounceとなった。
同日、ベトナム国内市場で金は連続的に上昇、
相次ぐ大量購入により、国家銀行は金の輸入を許可した。
(6)金利と為替レートの急変動
10月まで、公定歩合は年7%で維持されていた。
11月25日午前、国家銀行は
公定歩合を8%に引き上げると発表した。
そして、資金供給金利は年7%から8%に、
割引金利も年5%から6%にそれぞれ引き上げられた。
11月25日、国家銀行も銀行システム内の為替レートを
1USD17,961VNDに調整し、
USDとVNDの取引幅を+/-5%から+/-3%に縮小した。
これにより、1USDは最低17,422 VND、
最高18,500 VNDで取引されることとなった。
これは、驚きの決定であった。
それまで国家銀行は、年末まで柔軟な金融政策を実施、
VNDは切り下げず、公定歩合、準備資金率は維持することで確認していた。
政策変更後、12月上旬に100万VND札の発行と、
厳格な金融政策が今後実施されるという噂が広まった。
これらは直ちに否定されたが、それにより、
銀行システム内の金利は急上昇し、証券市場は暴落した。
(7)在外ベトナム人送金の急減、貿易収支への懸念
10月まで、在外送金は減少の一途をたどってきた。
今年の在外送金は約68億USDに達することが予測されており、
大半が年末に送金される見込みとなっている。
2008年の在外送金が72億USDであったことから、
今年はそれを下回るものと見られている。
在外送金は、ベトナム外貨バランスにとって重要な要素となっている。
国家銀行の計算によると、
2009年は在外送金の他にも、輸出額が約9.9%減、
FDIと外国人観光客も急減したため、
ベトナムの外貨バランスに大きな影響を与えることとなった、という。
(8)証券の異常変動
新年明け、VN-Indexが5.69ポイント下げ、
297.52ポイントに急落した。
ただ、全体を見ると、今年の証券売買の利回り率は高い数値となっている。
VN-Indexは、2月24日の235ポイントから
10月に600ポイント以上を上昇した。
HNX-Indexも200ポイントを超え、銀行株式が急上昇した。
安定した銘柄に中期的な投資を行った人は、
最低50%の利回り率を達成した。
ただ、年末の2ヶ月でVN-Indexは600ポイントから暴落した。
証券市場が暴落した原因は、一部が投資家心理からであり、
銀行は貸出資金を減らすため借金の返済を求めた。
現在、投資家業界は2010年頭には、市場が回復することに期待している。
(9)米輸出 好調を記録
2009年、ベトナムは600万トンの米を輸出、輸出額は28億USDに達した。
これは記録的な業績である。
専門家の意見によると、ベトナムの米栽培は全国に展開しているため、
天災等で一部凶作の地方が出ても、
全国8,900万人への供給に問題はなく、
輸出用に400~500万トンの余剰米が確保できている。
その他、今年は数百万トンの米と小麦粉が
カンボジアからベトナムに輸出され、
米輸出が600万トンに上っても、食糧安全に影響を与えることはない。
経済危機の影響から、ベトナム経済成長も急減、
2009年第1四半期は最悪の状況になった。
しかし、年初から実施された経済対策が効を奏し、
第2四半期末からは回復傾向に。
その間政府は金利支援制度、税金減免等の対策を実施してきた。
政府の需要引き上げ政策は、経済衰退の影響を緩和した。
世界銀行の評価によると、
ベトナム経済はアジア地域で最も早く危機を乗り越えたという。
(2)GDP成長好調、インフレ上昇率10%以下に抑制
経済危機による影響が小さくはないが、
ベトナムのGDP成長率は各四半期にそれぞれ
3.1%、4.5%、5.8%、6.8%と、好調を保っていた。
2009年のGDP成長率は最終的に5.2%に達し、
国の計画(5%)にも合致する見込みとなっている。
それに併せて、政府は引き続きインフレ抑制政策を実行してきた。
それにより2009年のインフレは平均7%以下に抑えられた。
その中で、2009年はベトナムの輸出額が大きく減った。
ただ、輸入額の減少もあって、輸入超過額は約110億USDとなり、
2008年より60億USD減となった。
これは貿易収支の改善としては、歓迎すべき現象である。
(3)日本のODA再開
対越ODAに関する汚職事件発覚後、
今年2月になって、日本はODA援助を再開した。
さらに、2009年はベトナムが大きなODA資金を得た年でもあった。
今年のODA締結額は58億USD、
実施額は約30億USDを達すると予測されている。
2009年末に行われたCG会合において、
Nguyen Tan Dung首相は
「ベトナムは常にODA資金を尊重し、責任を持って制約を実施する。」と述べた。
(4)中央政治委員会 国内製品の消費を喚起
中央政治委員会が発動した「国内製品消費拡大」キャンペーンが、
実際の効果を伴ってきている。
政府は、国内市場拡大のため、国内貿易促進プログラムを実施、
国内市場の開発促進体制の政策整備に510億VNDを出資した。
これを通じて、国内生産企業は自社の能力を評価し、
外国商品に対抗できる品質向上と価格設定をより強く考えるようになった。
近い将来、中央政府の喚起がなくても
自国製品が注目を集めるようになるだろう。
(5)金価格の大変動
2009年、金市場は記録的な大変動に揺れた。
年初、金は874 USD/ounceで取引されていたが、
11月11日には-1.100 USD/ounceとなった。
同日、ベトナム国内市場で金は連続的に上昇、
相次ぐ大量購入により、国家銀行は金の輸入を許可した。
(6)金利と為替レートの急変動
10月まで、公定歩合は年7%で維持されていた。
11月25日午前、国家銀行は
公定歩合を8%に引き上げると発表した。
そして、資金供給金利は年7%から8%に、
割引金利も年5%から6%にそれぞれ引き上げられた。
11月25日、国家銀行も銀行システム内の為替レートを
1USD17,961VNDに調整し、
USDとVNDの取引幅を+/-5%から+/-3%に縮小した。
これにより、1USDは最低17,422 VND、
最高18,500 VNDで取引されることとなった。
これは、驚きの決定であった。
それまで国家銀行は、年末まで柔軟な金融政策を実施、
VNDは切り下げず、公定歩合、準備資金率は維持することで確認していた。
政策変更後、12月上旬に100万VND札の発行と、
厳格な金融政策が今後実施されるという噂が広まった。
これらは直ちに否定されたが、それにより、
銀行システム内の金利は急上昇し、証券市場は暴落した。
(7)在外ベトナム人送金の急減、貿易収支への懸念
10月まで、在外送金は減少の一途をたどってきた。
今年の在外送金は約68億USDに達することが予測されており、
大半が年末に送金される見込みとなっている。
2008年の在外送金が72億USDであったことから、
今年はそれを下回るものと見られている。
在外送金は、ベトナム外貨バランスにとって重要な要素となっている。
国家銀行の計算によると、
2009年は在外送金の他にも、輸出額が約9.9%減、
FDIと外国人観光客も急減したため、
ベトナムの外貨バランスに大きな影響を与えることとなった、という。
(8)証券の異常変動
新年明け、VN-Indexが5.69ポイント下げ、
297.52ポイントに急落した。
ただ、全体を見ると、今年の証券売買の利回り率は高い数値となっている。
VN-Indexは、2月24日の235ポイントから
10月に600ポイント以上を上昇した。
HNX-Indexも200ポイントを超え、銀行株式が急上昇した。
安定した銘柄に中期的な投資を行った人は、
最低50%の利回り率を達成した。
ただ、年末の2ヶ月でVN-Indexは600ポイントから暴落した。
証券市場が暴落した原因は、一部が投資家心理からであり、
銀行は貸出資金を減らすため借金の返済を求めた。
現在、投資家業界は2010年頭には、市場が回復することに期待している。
(9)米輸出 好調を記録
2009年、ベトナムは600万トンの米を輸出、輸出額は28億USDに達した。
これは記録的な業績である。
専門家の意見によると、ベトナムの米栽培は全国に展開しているため、
天災等で一部凶作の地方が出ても、
全国8,900万人への供給に問題はなく、
輸出用に400~500万トンの余剰米が確保できている。
その他、今年は数百万トンの米と小麦粉が
カンボジアからベトナムに輸出され、
米輸出が600万トンに上っても、食糧安全に影響を与えることはない。
Vneconomy.net 2009年12月25日