証券業界、勝ち負け鮮明に! インフレなれど変わらぬ消費
膨張しすぎた株式市場の収縮と共に、
証券会社の淘汰が始まった。
1日あたりの株式売買高は07年度比半分程度にまで落ち込んでいる。
以下、ハノイ・ホーチミン両証券取引所の1日あたりの平均取引高である。
07年度 7000万USD/日
08年上半期 3500万USD/日
取次ぎ業務で利益を出すことは皆無に等しく、90社とも言われる証券会社で、
08年上半期赤字を出さなかった証券会社は、片手で数えられる程度。
業界最大手、SSI(サイゴン証券)も、昨年の利益の大半は自己売買部門で稼いでおり、
今期は、自己売買での利益は皆無に等しく、
今期100人程度のリストラがある模様。
数少ない黒字証券会社”テンベト証券”も、売上・利益のほとんどを
(1) 外資系金融機関への投資アドバイザリー業務とその取次ぎ
(2) 金融機関向け短期資金融資
で上げており、取次ぎ部門は赤字。
09年度より、3,000億ドンの資本金に満たない証券会社は、
取次ぎ以外の業務を認められず、廃業せざるを得ない状況が早々にやってくる。
※VN証券会社は、4つのライセンスがあり、資本金により全てのライセンスを取得できない)
銀行も同様。
一部の銀行は、自己資金が底をつき、顧客預金で自転車操業をしている。
・ベトナムでは悪すぎるニュースは国内からは出てこない(報道されない)
・倒産法が機能していない
等の理由により、表面化はしていないが、
上記の視点で以下のレポートを読んでみると興味深い。
http://www.bcc-jp.com/member/business/vn/20080716-2321.html
そんな状況にありながらも、街は活気に満ち、
路地裏では路上駐車された新車。
高級レストランは変わらず満席。
インフレなんて関係ない。
継続的に成長してゆくであろう感覚を国民全てが感じている国は
消費も変わらず旺盛である。
日本では負が負を呼ぶ”デフレスパイラル”なんて言葉がはやったが、
その間逆??
今夜も衰えを知らぬ成長を感じながら、
蒸し鶏パーティーだ!
大木健司(Kenji Oki)
株式会社ブルーチップ・コンサルティング
URL http://www.bcc-jp.com/