中国株、間もなく底入れか
今度もまた、中国は世界株式と違う動きをする可能性がある。
米地銀の経営破たんや米証券会社の再度の業績悪化など、
米国での金融不安はまだ続きそうだ。
欧米株式は毎日100から200ドルの上下を繰り返し、不安定な動きである。
日経平均も米国追従型で、企業業績改善期待がありながらも、
近い将来の下方修正に日々おびえているような状況が続きそうだ。
7月初に予想した原油急落は実現され、確かに商品市況は軟化した。
額面的には、世界的なインフレ懸念が和らいだ感ではあるが、
国によってまちまちのようだ。
一連の金利引上げによる景気鈍化懸念が現実的となり、
日々庶民生活を脅かし始めている状況である。
ロシアの「大国主義」の影響もまた軽んじることができない懸念材料となろう。
保護主義の台頭により、世界的に「モノの動き」が鈍る可能性がありそうだ。
単に地政学的な要因ではなく、資源や穀物に「力」を言わせ始めているロシアが、
世界経済全体にマイナスの影響を与える可能性があり、グローバル企業の活動を
停滞させ、経営者の判断を鈍らせることも考えておくべきであろう。
世界株式はまだ不安定な動きをしてこよう。
ただ中国は違う形となろう。金融引締めから景気刺激策への政策変更が
鮮明化してきている。株式はまだそれを織り込んでいない状況だ。
仮に、これまで数年間上げ続けてきた預金準備率を引下げにきた場合、
市場環境は大きく変わる可能性がある。今回の政府のスタンス変更は、
明らかに今までの「締め」スタンスから「緩める」スタンスへの大転換であり、
市場への明確なメッセージでもある。銀行融資基準の緩和や最低所得の引上げなど、
今後、さまざまな策が講じられてこよう。
月次の貿易黒字額が改善してくるかどうか。
市場に流通する通貨総量のマネーサプライが大きく底割れていないかどうか。
小売売上など個人消費に鈍化傾向がないかどうか。一般庶民の雇用が安定しているか。
これらの状況を見ながら、政府は動いてこよう。
「ムチ」の政策は終わり、これから「アメ」政策で景気を支えてくるだけに、
株式市場は大きく反発する可能性があるだろう。好業績な銀行銘柄や消費関連を中心にすえ、
この局面で「買い」スタンスを始めてみることを検討してみてはいかがかと思う。
(大原 平)