醜聞相次ぐ国営企業 問われる信頼
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国営営業グループの課題を明確に
国営営業グループとは、
一般的に国営の親・子会社を指すが、
法人資格や方針がまだ一致しておらず、
統一企業法、中央経済管理・研究所と
政府の企業開発・改革班の定義が異なっている。
最近では、国会でよく耳にする言葉となっており、
2008年の最大手企業トップテンを見ると、
営業グループが6社を占めている。
概要
・長期的なビジョンの欠如
短期的利益に主眼を置いた、選択と集中なき事業展開
・非効率
国家が持ちうる資源を有効活用できていない
効率の悪い企業
国営営業グループは国民の共通資産の管理者として、
原則的には、国家経済の財力・人力等を集中し、
柱としての役割を果たすべきである。
大切なのは、利益優先ではなく、
経済の動静や、需要と供給のバランスに
働きかけることであり、
利益は、その次に得られればいいものである。
国会では、とある議員が国営営業グループの、
非効率的な運営に言及し、
「優遇措置を取ってもらっているのにも関わらず、
普通の国営企業や民間企業、外資系企業などに比べ、
自己資産の利益率(ROE)が17.4%と、
最も低い。」
と発言していた。
しかし、企業の第一目的が「利益最優先」でない以上、
この発言は、論点がずれている。
長期的なビジョンの欠如
現在、国営営業グループの課題は、分散投資である。
投資を分散するのは常識だが、
今回の場合、問題になっている。
通常、会社が利益を求める場合、
最も利益を生む産業、又は最も得意分野に出資し、
その後リスクを避け、
より利益を生む産業を模索し、裾野を広げていく、
という流れになる。
しかし、国営企業にとっては、利益は第一目的ではない。
利益を最優先させれば、国家経済の柱、
という役割を果たせない可能性が高い。
実はすでに、不動産・金融・証券といった、
利益重視の産業に多額の出資をしている現状がある。
財務省の発表によると、
現在、国営企業は国家資産の75%を管理し、
債券の60%を負っているが、
国内総資産を占める割合は、40%に留まっている。
これまでの、主な産業以外への出資額は71億ドル、
そのうち、金融・証券への出資額は15億ドルにのぼる。
各国営営業グループの問題
それでも、主要産業に力を入れていれば問題はないが、
現状は、証券・金融に投資しすぎである。
たとえば、ベトナム電気営業グループ・EVNの
不明瞭な財務報告、
ベトナム石油営業グループ・PETROVIETNAMの
不当なガソリン価格の吊り上げ(世界基準をベースにしていない)、
ベトナム石炭営業グループ・TKVの、
石炭密輸の黙殺、
ベトナム造船工業営業グループ・VINASHINの、
国際債券への多額投資と、造船問題。
08年明けから、国営企業の様々な問題が取りざたされている。
提言
・長期的国家利益を見据えた明確なビジョン
・事業の集中と選択
・企業統治及び実行できる“仕組み”作り
投資のコントロール・制限
会計監査の強化
これらの対策が講じられてこそ、
真のグループ力が発揮できるだろう。
(タン)