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2009年01月26日

09年の展開は?~経済予想・証券市場編~


明るい材料に乏しいベトナム市場。
底を打った感もあるが、
不安材料も少なくない。
そんなベトナム証券市場の
今年のストーリーを探ってみる。

2007年末、1000ポイントに達した
ベトナム・インデックスだが、
2008年末には300ポイントまで下落し、
減少傾向はとどまるところを知らなかった。

やや落ち着いた感じもするが、
200ポイント前半が底との見方もあり、
不安の声は募る一方だ。

米国の新大統領就任や、
政府の景気刺激策などに、
期待する向きもあるが、
2009年のベトナム証券市場の
活性化につながるかは未知数だ。

専門家の多くは、
2009年第3四半期には底を打つと予想。
ゆっくりとだが回復に向かい、
2006年末から2007年前半程度の水準に
落ち着くと見ている。

しかし、不安な要素も多く、
楽観視はできない。
不安要素は大きく二つ挙げられる。

(1)企業収益の悪化

2008年の経済混乱の影響は、
引き続きベトナム企業に対し
困難をもたらす可能性が高い。

企業の経営利益は減少傾向であれ、
「利益」に応じて「株価」も下落することで、
証券市場の冷え込みが懸念される。

また、証券市場成長には、
キャッシュフロー増大の必要がある。
政府の60億USD規模の景気刺激追加策は、
数少ない期待ざれる材料だか、
その有効性は未知数だ。

(2)外国投資家の消極姿勢

右肩上がりの経済発展を武器に、
多くの外国投資を呼び込んできたベトナム。
しかし、成長の鈍化で「黄信号」が点灯している。

世界経済の影響を受けやすく、
情報が少なくリスクが多い、
そんなベトナム市場を敬遠する動きもある。

政府や市場関係者は、
ベトナム証券市場の従来のイメージを脱却すべく、
透明性と公平性の高い安定市場を模索し、
内外のアピールする必要がある。

考えられるシナリオ

2009年の証券市場は
2008年末より供給過多に陥り
芳しくないと予想される。

その後、株価の減少を乗り越えた、
力と知恵を持った企業が、徐々に利益を回復させ、
2009年第3四半期頃から回復の兆しが見え始める、
というのが大方の予測だ。

ここで、楽観的と悲観的の
両方のシナリオを描いてみると
このようになる。

楽観的シナリオ

アメリカを始めとした世界経済が
第1、2四半期に早期回復、発展を迎える。
それに伴い、
第3、4四半期より対ベトナム投資が活発化する。
政府の投資・金融政策も項を奏し、
国内経済も改善の兆しを見せ、
各企業の企業努力も実り、
生産活動も軌道に乗る。

これらの“希望的要素”が同時に実現すれば、
ベトナム経済や証券市場は、
2009年初頭はやや困難であるが、
第3四半期末頃には、回復から発展に向かうだろう。

悲観的シナリオ

世界経済の回復は2009年末までずれ込み、
外国からの投資が見込めないなか、
政府は、投資金融策を打ち出し、
国内企業と不動産に対する投資を促進する。
各企業は株主や金融機関から資本を取り付け、
株価上昇と投資での業績回復を目論む。

低い経済成長下では、思うような効果を出せず、
混迷状態から抜け出すことのないまま、
2009年末を迎える。
結果として、世界経済の回復に乗り遅れ、
インフレが重く圧し掛かる。

これらは、あくまで“仮定の話”であり、
実際のストーリーは、エンディングを迎えるまでは、
誰にも分からない。

ただ、予測がつかず、あまり楽観的でないのは確かだ。


調査分析部 Hoa


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