HSBC:株式購入はもう少し待つべき
つい最近、香港・上海バンク(HSBC)は
ベトナムの経済状況と発展展望
証券及び財政市場に関する報告書を公表した。
先日のVN-Index暴落は、完全に国内市場の要素にある、とした。
外国市場への影響は少ない。
ベトナム証券市場は市場を引き続き調整し、VN-Indexは9%下落。
これにより、VN-Indexは去年の3月より28%下落した。
多くの意見が
これは世界全体の証券市場変動による影響の一部、と考えるが
HSBC専門家は、これとは異なった意見を持つ。
その証拠として、この3ヶ月間
外国投資家は、各ベトナム社の株式を購入し続けている。
3ヶ月で、外国投資家の純購入資金(税金・手数料を含まない)は
2億1100万ドルに達したが
アジアの各市場(日本を除く)の純売却資金は、2200万ドルだった。
また、今年1月の21日間の取引のうち
外国投資家の売却株数が購入株数を上回ったのは
8日間のみだった。
ベトナム投資家は株式を大量売却したことになる。
これは、他のアジア市場の展開とは逆だ。
また、ベトナム証券市場は去年3月、最高ポイントを記録したが
他のアジア各市場は、去年の10月に最高ポイントを記録した。
実際、アジア太平洋地域(日本を除く)のMSCIが
去年、−7%だったのに対し、インドのMSCIは、87%だった。
国内においての原因
ベトナムらしい2つの原因がある。
その一つは、民営化の計画の要素にある。
VietcombankのIPOは、12月に完了したが
落札平均株価は、最低株価より8%高く、落札者の95%が入金した。
しかし、最初の売却株価が高すぎたため
個人投資家9000人の中のうち
落札株価を戦略投資家として、直後に購入した人はいなかった。
VietcombankのP/B
(P/B - Price-to-Book Ratio: 株価/登録価値)は、11倍に達した。.
1月に行われたSacombankのIPOについては
P/Bが、0.6%にとどまった。
HSBCによると
ベトナム政府は、IPOからの高い資金調達を期待しすぎ
長期的なIPOの魅力的を作りに関しては、欠けていたようだ。
様々な民営化計画のある国では、投資家を集めるため
また、株式の保有環境を作るために
最初のIPOは、通常より安価で行われている。
二つ目は、金融政策の問題だ。
CPIが14%に上昇したのに対し
ベトナム管理機関は、インフレ制御のために様々な対策を適用した。
これが、証券市場の環境作りの妨げになったと見られる。
先月、国家銀行は予備資金率及び基本金利を
8.25%から8.75%に引き上げた。
また、銀行システム内の金利も10%増加し
テト前は、27%に上昇した。
今、外国投資家の一番の心配事は
国家銀行がドルの購入をストップしたことにより
ベトナムドンを入手できないことだ。
ベトナムはこの先も、魅力的な投資先である。
証券市場が下落し続けるのを防ぐ対策として
証券へ貸出制限率を、現在の3%以上に引き上げる。
多くの新聞記事は
外国投資家の所有率が上昇(上場会社の49%、銀行の30%)
する、とした。
またある記事は
外国投資家は今後、ドルでの株式購入が可能、とした。
しかし1月末現在、このような決定は公表されていない。
投資家が大量に株式を売却したため、ベトナム証券市場は安くなった。
HSBCの計算によると、P/Eが17倍以下になった。
2007年第4市半期、各企業の営業成績は大変良かった。
2月末、利益に関する決定が公表され
各社の全体の利益成長が明らかになる。
この公表が、投資家界の心理にどう影響を与えるか。
現時点でHSBCの専門家は
ベトナム市場は引き続き、長期的な投資先として適している
としているが
短期間でリスク、厳しい金融対策や今後のIP計画に不透明な部分がある。
市場を助けるため、ベトナム政府が実施したこの方法は
問題を解決できていない。
本当の問題は、情報の透明性・弱い経営能力や間違った民営化計画等だ。
HSBCは投資家に対し、ベトナム市場への投資維持を勧めているが
上記の問題点が解決するまでは、
株式を追加購入しないほうが良いだろう。
Vneconomy.net 2008年2月20日