« 外国投資家 撤退の心配はない | メイン | DigiNet JVGFに株式を売却 »

2008年03月24日

ドル不足の状況


各銀行の貸出用ドルが不足している。
この状況は2007年末より顕著で、深刻な問題になりつつある。

ドルの貸出資金は、銀行システムの貸出総額の中でも、大きな割合を占める。
資金のバランスや外貨資金の使用状況を見ると
通常資金の使用率は、調達資金の60%以上を占めており
ベトナム機関と、一般からの資金の使用率が高い。


使用可能の外貨資金が不足する状況

これまで国家銀行は
ベトナム機関や一般からの調達資金使用率については、特に規定していないが
安全率は60〜80%である。
ここ数年間、特に2007年末から、信用機関による外貨資金の使用率が高すぎる。

2008年2月末まで、信用機関の調達資金使用率は
ハノイ市だけで87.7%(ベトナムドンが48.3%)だった。
また、民間商業銀行部門においては、この割合が95.7%になった。

3月末まで、外貨資金の調達を削減しているため
外貨資金使用率は、更に高くなると予想される。
2008年2月末までに、ハノイ市において、信用機関が調達した外貨資金は
2007年末に比べ、3.3%減少したが、貸出資金は19.4%増加している
(ベトナムドンがそれぞれ+0.7%と+6.4%)。

貸出資金は、ベトナム機関や一般からの調達資金の100%を越える。
この状況は銀行システム全体に発生するので
他銀行からの外貨資金を借り入れも困難だ。
先週末、大銀行が銀行システム内の市場で、高い金利で数千万ドルを借りた。


外貨資金不足の原因は、輸入量増加にある。

銀行における、外貨資金の不足原因は様々だ。
その原因の一つとして、超過輸入がある。
輸入資金は2008年の最初の3ヶ月で、205億9000万ドルになり
2007年同期より64%増加した(輸出は131億ドル程度、23.7%増加)。
各輸入企業に対する貸出資金は大きいが
輸出量が低いため、輸出企業からの預かり金は少ない。

この数ヶ月間、貸出外貨資金が制限されているため
外国パートナーの清算や
ベトナム企業が締結した輸入契約の実施に、対応できない状況だ。

もう一つの原因は、ベトナム国内における、ドンとドルの預金金利の格差だ。
例えば、2008年2月24日の時点で100万ドルを売却すると
158億5000万ドンになる。
これを銀行に、1ヶ月期限で14.2%の年間金利で預けると
2008年3月24日には、160億370万ドンになる。

また3月24日、100万ドルを為替レート(15,850ドン/1ドル)で購入すると
1億8700万ドン得をする。
また、100万ドルを銀行に1ヶ月期限で(年間金利:4.5%)預金した場合
3,750ドル(5920万ドン相当)程にしかならない。

貸出金利もベトナムドンより40%低く、ドルを借りるほうが得をする。
現在、ベトナムドンの金利が非常に高くなっているため
国民は一斉に、外貨をベトナムドンに両替、銀行に預けている。
企業が外貨を使用しない場合、ドルの借入を要請することがある。


証券投資紙  2008年3月24日


« 外国投資家 撤退の心配はない | メイン | DigiNet JVGFに株式を売却 »

    ・本資料に記載された情報の正確性・安全性を保証するものではなく、
     万が一、本資料に記載された情報に基づいて
     皆さまに何らかの不利益をもたらすようなことがあっても 、一切の責任を負いません。
    ・本資料は情報提供のみを目的として作成されたものであり、
     投資その他何らかの行動を勧誘するものではありません。
    ・本資料の全部または一部を無断で複写・複製することを禁じます。

運営会社編集方針お問い合わせプライバシーポリシー